KiraAyaの部屋
〜 投稿順表示 〜
[64] 夜求め
月の光は煌々と
裾を延ばし 空照らし
それは淡き輝きなれど
闇を払うには過ぎるもの
されど時には疎ましい
月が夜を奪いゆく
静寂の中沈みたい
星明かりがあれば良い
星の華は密やかに
咲き零れて 空飾る
調和された彩りに
やっと私は 手を伸ばし
ささやかな夜に触れるのだ
2006/01/12 (Thu)
[65] 時計
例えば俺の人生を空に浮いた長いカマボコとして
時計の針はそれを一定の間隔で切り落とし
カマボコは深い海の底に消えて魚の餌になる
あ、共食い。とかボンヤリ考えた
2006/03/19 (Sun)
[66] かなわない
それはお前の中にないだけで
強さでも何でもないのに
お前は俺の一部を賛美する
だからお前はバカなんだ
2006/03/19 (Sun)
[67] 絵本
触れたのはいつも幻想
その真実さえ気付かずに
ただ大人達の愛を飲み込んで
僕らは笑っていたんです
2006/03/23 (Thu)
[68] 黄昏
境界を知る事もなく
いつしか影に紛れていった
見えない 聞こえないから
忘れてゆきます
2006/03/23 (Thu)
[69] 天体観測
擦り減っていく空と
削れてゆく 月の光
壊れた星から救い出す
彷徨う君を 連れ出して
2006/03/23 (Thu)
[70] 向こう側
俺の知らないお前がいる
俺は知りたいと思わない
今見せる顔が 目の前にいる事が
ふたりのすべてだろう
2006/04/28 (Fri)
[71] 腐翼
翼を持った人たちが
這いつくばってる
撃ち落とされるのが怖くて
羽ばたけない
自由なんて まだ遠い彼方
翼を持った人たちが
ただぶっ倒れてる
錆びた羽根は崩れ落ちて
羽ばたけない
自由なんて もう遠い彼方
2006/04/28 (Fri)
[72] 志願者
必要なのは発作と衝動
僕らの虚ろな日々は
その奇跡を ただ待ち続けて
紡がれ そうして掠れていく
2006/06/26 (Mon)
[73] 久しぶりだね
この5年が僕らを引き裂いて
あの5年が僕らを他人にさせない
だけど知ってしまったのは
二度と空が晴れないということ
2006/07/08 (Sat)
-
詩人の部屋 -