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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[323] 悲しみ
詩人:さみだれ [投票][編集]

何かを失って
戻らないと知った
心に穴が開いたような
それが悲しみだったのだろう
涙は出なかった
それでも悲しみだったのだろう
これが乾いた涙だろうか
泣けないということだろうか
数えきれないほどの物語も
本質なんてまるでない
この感情こそが物語で
まぎれもない真実

たぶん今泣いている

2011/10/25 (Tue)

[324] 無題
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あてのない一本道が永遠か

いつか帰ってくることが永遠か

歳を取らないことが永遠か

今度生きるとき
エイリアンかもしれない
魚かもしれない
元素かもしれない
神様かもしれない

永遠じゃなくていい

人として生きている今が一瞬か

それでも時間が許す限り

永遠のように生きよう


2011/10/25 (Tue)

[325] ノクターン
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心臓の音

ぶち抜いた壁

伝言はひとつ

「笑っておくれ」

変わらない色

変わっていく人

意味を与えたように

存在をおくれ

単純な気持ち

好きだ、という

見えない光

どこで輝いているの

もう一度

音を消す

触れた指が

冷えていくとき

名前を呼んで

好きだ、と言って

笑ってほしい

声にはしないけど

心臓の音

届けたよ

覆った空が

泣いているよ


2011/10/25 (Tue)

[326] 無意味だろう
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あなたが求めるような恋の詩を
私は書けそうにありません

あなたが感じているような社会のいざこざを
私はよく知りません

あなたが求めるような生活の詩を
私は書けそうにありません

あなたが信じている物語を
私は読めてはいません

黄昏の君を呼び止める
そんな自信があるのなら
呼ぶより先に手をとろう
そんな希望があるのなら

あなたが求めるような悟りの詩を
私は書けそうにありません

あなたが宿している感情を
私はよく知りません

あなたは理解を欲した
私は理解されずに
風にもなれない残り香が
あなたの忘れ物


2011/10/28 (Fri)

[327] 白昼夢
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暗い部屋の中
ふたりきりの夜
誰にも知られない
会話をひとつ、ふたつ
枕元に星を
光を置いたまま
終わることはないと
思っていたのに

世界の心の中
幸せなつながり
終わることはないと
思っていたのに
何かがそっと
幕を下ろしたの
何かがそっと
心を閉ざしたの

2011/10/29 (Sat)

[328] 秋空の月
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人は変わって
僕はいつまで
この場所で変わらずにいるのだろう
夢見ていた
楽しい毎日も
当然のように終わりを告げる
それは夜明けの
明星のように
忘れられてしまうものだろう

この月影を
見ているのなら
声を便りに送ってほしい
手の中に隠れるほど
ちっぽけな光を
集めて君に送るから

人のように
僕の心が
誰かの胸へと向かうのなら
手放せないと
言ってもらえるほど
素晴らしい心に
どうかなりますように

2011/11/02 (Wed)

[329] ボトル
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見慣れた町並みに
影が落ちたの
知らないふりしてたね
つまらなそうにガムを膨らませて
隠した陽の欠片
墓場まで持ってくのかい

だってそうでしょ
あなたがいけないの
私は正しいことを言ってるわ
どうしてわからないの

突きつけられた遺書
滲んだ字だった
その原因を考えず
ただネクタイを締めるのに時間をかけて
大事なことなんて
そこいら中にあるというのか

この世界
その人間
あの心
どうかわそう
そればかり
受け入れる器なんて
他のもので埋まっちまってる
そうだろう?

2011/11/04 (Fri)

[330] 想像の星
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想像の星に
彼らは生きている
種から生まれた羊の群れや
分裂する草花
蒸気の町
ベッドの中の掟
それが乖離の宇宙にできた
彼らの生活
心はひとつ
神様のものだ
幸せならみんなで踊り
悲しいならみんなで泣く
だから彼らは争わないし
愛することもしない
他人を理解することもしないですむ
自分というものに臆することもない
想像の星に
彼らは生きている
乖離した宇宙に
それらは生まれている

2011/11/04 (Fri)

[331] 怠惰してます
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なんとなく毎日をだらだら生きてるのがね
たまらなくしんどいわけよ
気が付けばなんたらかんたら
そんなことばっかり
できるならエスカレーターとかエレベーターとか
気づくことなく生きていけたら
もう最高だろ
今までそうだったんだよ
先が見える人生だったよ
保育園、友達できるんだ
幼稚園、遠足いくんだ
小学校、卒業するんだ
中学校、卒業するんだ
高校、卒業するんだ
ね、そんな感じだったわけ
それが急に「サバンナだよ。どこにでも行きなよ」なんて言われたら
まぁテンパる
慌てて行き先入力して
ワープしたら最後
死ぬまで続く旅
目標とかない
ただ歩くだけの旅
そんなもんです
私とは

2011/11/04 (Fri)

[332] 詩人A
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オレンジジュースの海に
船を浮かべて
詩を書いていた
満月の兎は
それを見て
いつも笑っていた
出来損ないの神様の
玉座に書いた落書きは
詩でもなく愚痴でもなく
ただ美しいものとか
素晴らしいものとか
そんなありきたりなものを
書いたような気がする

グレープジュースの海に
涙を浮かべて
詩を書いていた
太陽の羽が
ふわりと落ちて
これでいいんだ
そう思った

2011/11/04 (Fri)
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