詩人:さみだれ | [投票][編集] |
私はさみしい
さみしさの中に悲しみもある
日は昇るたび冷たくなって
いつか凍りつくのかな
それはさみしい
みんな悪魔の鏡に手を出して
割れた欠片を我先にと
みんなさみしい
それじゃ神様は笑ってくれないよ
時間に遊ばれて
風化していく肌に
バラのとげを刺したって
血は流れないのと同じ
私はさみしい
さみしさの中に悲しみもある
月まで凍りついて割れてしまったら
もう眠ることさえできなくなるね
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僕のこと知ってほしい
君のこと知りたいから
夕べのごはんとか
見た景色とか
ありふれたことが
魔法のように解けて
塞ぎ込むことがないように
心細くならないように
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彼はひとりきり
凍りついた涙を温める術を知らず
彼女を待っていた
空き缶の溢れたゴミ箱
穴の空いたベンチ
外灯に集る虫が夜をさらに暗くする
星のない空を銀河鉄道は走れない
それでも彼は信じた
ただひとりきり
暗がりの向こうに広がる星の光は
彼にだけ見えていた
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月に背を預け
この詩を書いている
きみのいた世界を知らずに
ぼくは生きている
隣にはほほえむ姿が
あったはずなのに
涙の海に優しさがなくて
滞る時間の冷たさと歩く
きみと分かり合う時間は
もう忘却の彼方の一瞬となる
これっぽっちの心が
幸せそうに溶けて、消えてしまう
(青い空なんて見たくないよ
眩しい太陽なんて知りたくないよ
たくさんの声なんて聞きたくないよ
このままきみと眠りたいよ)
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何にも入ってないんだ
ソーダもカルピスも
優しくなんかない
言葉は上手く使えたって
泣くことも笑うこともわからない
空っぽなんだ
他人を見てるとそう思う
何一つとして
この心には入ってないんだ
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綺麗な世界に
悪魔がいるんだよ
何が正しいかわからない
悪魔がいるんだよ
人は理解することをやめて
お払い箱にしたよ
天使は理解することを知らず
矢を放ったよ
そうして暗いところに逃げ込んだ(追い込まれた)悪魔は
何が正しいのかわからずに
ひたすら泣いたよ
昼の明るいうちは
フードを被って買い物したよ
夜の暗いときだけ
踊りを踊っていたよ
それは本当に綺麗な世界で
人はうっとりしていたよ
安心していたよ
幸せに暮らしていたよ
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夕日に目を奪われ
月は背に隠した
山をすべるように燃える木々が
ひとつ、またひとつ
灰になっていく
人は黄昏の中
ゆらゆらと漂う
誰の手も握れず
散り散りに去っていく
世界の終わりにしては美しすぎるし
黎明にしては寂しすぎた
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寒がりのその頬に
涙が流れないように
温めておいた手をあげるよ
このくらい明るい夜なら
笑顔も覗けるだろう
気が遠くなるほど
ゆっくりと時間は進んでる
それを幸せに思うなら
一瞬のきらめきすら
愛せるようになるのだろう
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他人を嫌いな理由がわかりました
私は私の世界を守りたい
きれいに咲いた花畑を
踏みつけられるのは誰だって嫌でしょう
ときに殺意となって
ときに諦めとなって
私の世界は真っ赤な夕暮れを迎えるのです
何もかも残酷に生きている
虫けらのようなやつでさえ
その場しのぎの安らぎすら奪うのなら
私は傷つけるでしょう
あなた方の素晴らしい行い
まったくもって愚かな計画、意識、自信ですね
私は他人を嫌います
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ただこの瞬間に
涙が零れそうになるのは
あなたを思うあまり
希望が遠ざかり星となるのは
何も決まったことじゃない
夜の牢獄の中で
静かに訪れる別れも
生きているうちに
何と別れたんだかわからなくなる
だから何も決まってはいない
ならばあなたは何
なぜそこにいるのか
あの言葉が絶えず聞こえるのは
あの安息が終わらないのは
何かが決まっているからじゃないのか
不可思議な焦燥と倦怠が入り交じった今は
知らぬ間に開いたドアの向こうは
やりきれない夕暮れのあとは
何が私を決めているのか
私には何も決まってはいない
運命など言い訳に過ぎない