詩人:さみだれ | [投票][編集] |
この心を例える事象はない
あなたを思うときに夜の闇があって
この心なんて怖くて歩けない
美しいものが見えない
この詩だって光をなくし
もう二度と会えないと
言われてるような
涙が溜まっても落ちない
この目にはもう残ってないのか
手を伸ばしても何にもつかめない
この影がちょっとでも伸びたなら
まだ少し勇気があれば
この夜なんて眠れなくなるのに
どれだけあなたを思っても
この心が歌ってはくれなくて
”それでも”とまだ
あなたに言われてるような
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何にもないのに
あなたはいたから
守られてきたんだって
なんだか情けなくなって
二度と聞くことのない声も
一度きりの言葉も
全部
あなたは与えていたんだ
こんな僕に
生きることが
ただ生きていくことが
あなたに与えられる言葉に代わる
悲しいと
寂しいと言えるから
ちゃんとあなたに応えてるから
どうか
ずっと一緒にいてほしい
もう手を繋ぐことはないのに
あなたはいつも寄り添ってくれた
そのあたたかさがあるから
僕はまだ
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君が何を見て
君が何を聞いて
君が何を思って
セメントに
例えた世界を
歩き続けていれば
固まらずにすむから
気にしているのは
僕の足元か
必要なのは
他人の意思なのか
君なんて言葉すら
ほほを叩けば
ポロポロと崩れていくのが
人間のことなら
君は何を触れて
君は何を踏みしめて
君は何を言っているのだろう
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ここが宇宙の中心でも
始まりでも端っこでもないのに
(太陽がすべてではないの)
私たちはただ回り続けるだけなのに!
木星もアンドロメダも
あんなに近く手が届きそうなのに
目が回るほどにたくさんあるのに
あのロケットは
雲の中に隠れてそれっきり
どこにでも行けるというのなら
月へ連れていってよ
原子の塊が
重たく地面に寝転んで
それが地球だから
飛び立つ羽はないというのなら
私は卵になるだけ
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幸せだという自信がいいね
悲しいと言える心の隙間も
嫌いだと吠える素直さも
やはり人だというのでしょう
いい悪いは誰のために
あなたの心の助けのために
作られたのか生まれたのか
知らなくてもいいでしょうに
他人にはなれないと
あきらめて自分のために
支えられたか支えたか
悩まなくてもいいでしょうに
幸せだという自信がいいよ
いい悪いはどこで選ぶの
知らないうちに?
それもいいね
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その朝を下る船は
まだ海にはたどり着かない
その昼を遮る音は
街を根城にしている
その夕を補う言葉は
プリズムの中に隠された
その夜を拭う布切れは
傷ついていたから
形あるものが
妬ましくて仕方ない
その日を横切る偶然が
必然だから
と
言わないでほしい
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心のない喜びを?
喜んでいるのはどこ?
希望なんて胸をすり抜けて
風になってしまったよ
その風を背に坂を下る君は
心に何を携えているの?
俺を解放するのは
どんな言葉なの?
くるくる回るしかない
その距離はどんな公式で測れるの?
楽しそうに外円をなぞる君は
言葉に何を閉じ込めたの?
枯れた花を踏みしめて
歩いた道は近道なら
どれだけの勇気を出せば
遠回りできるの?
スキップをしてる君は
どこへ行ったの?
心に喜びがなかったなら
生きていられましたか?
希望が胸に留まっていれば
花が咲いていましたか?
その花を抱いて眠る君は
心に何を携えているの?
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月色の猫のしっぽが
腕にまきついてくるのが
世界の反対側にいるあなたに伝わる時代になりました
足がつかない不安や
目を開けられない恐怖は
マントルを貫いて
地球の最も弱い箇所へ向かいます
そこで優しさやさみしさの意図するところを知り
あなたに伝わるのです!
従順な地球人だから
僕はその事実に向き合う必要があるのです
なのに人々は悪いことばかり囁いて
心にばかり気をとられて!
枯れ葉の跡を追うこともせず
新芽にときめいてばかりいる
もて余した憂鬱が
プレートを震わせているのに
泣いているのに
苦しみや切なさを埋めるくらいなら
あなたになんて伝えない
僕は地球人だから
海に流す悲しみなんてないよ!
あなたのために生まれた世界なら
これ以上とない憎しみを僕は核に埋める
それが愛じゃないというなら
これ以上とない罵倒をあなたは核に埋めなよ
あなたが罵った本質が
これ以上とない親しみを僕に伝え
それが僕だと言ったそばで
あなたはどうするのだろうか
臆することなく間違い
再び考えることを始める
そうして月色の猫が
僕の腕を噛んだとき
世界は孤独であったことを
ふと忘れているだろう
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落日の羽
雲に触れよう
芋虫の夢
聞こえるなら
あなただけじゃないね
よく眠れるのは
あなたひとりの頑張りじゃなくて
その花は
サナギの家
その手は
花の引っ越し
その羽は
私の心に
よく眠れるのは
あなたひとりの頑張りじゃなくて
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僕は本音が怖い
だから詩にもできない
正当化された頭の中は
おかしな生き物が住んでる
そいつの話はすべて本当で
僕の言葉なんてそいつにすればポンコツだ
多数の人間が認めた本音が
あなたにはあてはまらないなら
僕はなぜここに生きてて
悩んでいるのか
その気持ちすら
闇の中にとけていって
僕は
化け物になりそうです