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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[652] レム
詩人:さみだれ [投票][編集]

これは君に会うまでの道だ

傍らに首を垂らして咲く季節の花を愛らしく思う

これは君に会うまでの時間だ

忘れた名が風に吹かれ海の方へ消えた

これこそが君に会うまでの不安だ

天地に谺する私たちの魂の

その澄んだ明るい声を

これが君に贈る詩だ!

星の不安定な輝き

座り込む泡の残渣

静謐な心の中に

歓喜の音を響かせる

広く世に

君の耳に

2013/02/04 (Mon)

[651] アフターグロー
詩人:さみだれ [投票][編集]

わたしは悪い人です
物心ついたときから
世界の終わりを望んでいましたから

夕暮れが嫌いでした
なぜかは知りませんが

生まれてすぐに
与えられた名前は
期待ばかりで
重すぎて沈んでしまいます

錆色の帰路
それは世界の終わりにも等しい
長く孤独にさせられます

なるべく優しくしよう
そう思ってはいますが
薄暗い外套を
人は良く思わないのでしょう

ネイビーブルー
わたしは悪い人です
追放されるべきものです

ただ黄金色の帰路
その世界の中で
少し歩かせてください

あなたがまだ
明るさの中に
希望を仰ぐのなら

2013/02/02 (Sat)

[650] レリジョン
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すべての人々がひとつのものを信じたら

それは本当になるのかな

それが神様だったなら

神様は出てきてくれるかな

願いを叶えてもらいたい訳じゃない

ただその鼻っ面をへし折りたい

2013/01/28 (Mon)

[649] リーフ
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瑞々しい木の葉の子

頬に未熟な接吻

音沙汰のない世界の境界

歩いていけたならいいのにね

母の胸に抱かれ

父の手をせがんだ

きみの尊さは生まれてすぐに

きみの高みは歩き出す頃に

心などと言うものは際限ないものだ

より深く知りなさい

見たままに愛さず

きみが信じたものを愛しなさい

梢に止まる鳥たちが

色んな話を聞かせてくれよう

冬の木枯らしへの準備だから

真摯に耳を傾けなさい

太陽がいついかなる時も

見守っていることを忘れずに

きみは長い長い旅を

安心して歩みなさい

世界の境界が賑やかになったら

迷わず歩いていくの

きみは強い子なんだから

誇りを持って生きなさい

2013/01/28 (Mon)

[648] アカシックレコード
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生きている素晴らしさを伝えるために
この人たちは詩を書いている
愛することの尊さを伝えるために
この人たちは詩を書いている
何でもない発見を
嬉々として詩に書き起こす
世界の理を
自分だけが知っているかのように
鼻高々に詩を書いている
悲しい過去を共有したい
それがこの人たちの趣味である詩
恋の明るさ
辛さ
孤独を
この人たちは詩と読んでいる
至高の存在を目指したり
神様になり代わり
詩を書いている
そんなくだらないことに
時間を費やすことができる
私たちは詩人でしょうね

2013/01/27 (Sun)

[647] チルドレンズ・ディパーチャー
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生まれてくる子供たちが
世界を変えようと足掻いている
これからたくさん呼吸をして
世界とひとつになる
その中で小さな
ほんの小さな変化を起こすの
幸せになろうと
考えてみるの
あらゆるものが
妨げに思えたり
あらゆるものが
悪いことのように思うよね
そしてそれを世界の理だと
いつか気づくんだよね
精一杯に輝こうとする
それも世界で
輝けずに煤けてしまう
それも世界だ
生まれてくる子供たちが
世界を変えようと笑いかける
純粋無垢な
まだ見えぬ目を輝かせて

2013/01/26 (Sat)

[646] シャドウ
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きみがクシャッと笑うのが
夕暮れの始まりに似ていて
山の合間に見える
星ひとつを大切にしました
きみが目を細めて
わたしを見ています
わたしはきみと初めて
目を閉じて キスをしました
わたしたちが歩くレールは
細く頼りないと人は言うけれど
互いに支え合い歩いていくことができるのですから
それほど素晴らしいものなどありません
きみの背に広がる世界のすべて
山や海や毎日の営み
わたしはその黄金色の風を前に
涙すら浮かぶのです
きみこそが夕暮れの始まりであり
夜の終わりなのです
わたしはきみの手をきちんと握りしめ
朝焼けまで
眠るきみを守ります
邪悪な者や
心を締め上げる夢から
眠るきみを守ります



2013/01/23 (Wed)

[645] エンジェル・ハイロゥ
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濁音の海
波が高く
スープの中に

昨日の私

歩き出した足は止まり
砂に捕まる
命の代償は何か
ふと考えるけれど

もういなくなったね
蝉も
トナカイも
私たちが感じる前に

夕べのこと

人が瞬いて
きれいだった
幻想的なショー
ずっと溺れていようね

曖昧な誤差が
私を遠ざける
あの海の先

曲線の彼方から

さようなら



さようなら

「ずっと夢見ていてね」

2013/01/21 (Mon)

[644] 夜鳴き(未完
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あなたが夜毎鳴くものですから
私はすっかり眠れなくなり
朝焼ける空にめまいを覚え
日を避けるようになりました

あなたは昼こそ大人しく
慎ましく淑やかに
しかし焼けた空が沈む頃には
誰にともなく喋り出すのです

あなたは空しさの檻をあてがわれ
味気のない乾パンをつつき
羽繕いで半日を稼ぐと
時の流れを急かしました

あなたの本心もまた
他のそれと同じに
外套を羽織り
見映えよく取り繕うのです

2013/01/20 (Sun)

[643] 死に至る道
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希望や理想などはよそに
死に至る道は続いている
その先から帰ってきたものはいない
だから誰も何も知らない
みな思い思いの歩幅で歩き
異なる時間を走っている
列も順番もない
だから誰も勝てない
何せ真っ暗な道なので
孤独に進むしかない
遺伝子レベルでの洗脳か
生命の宿命か
何も知らないうちは
何もできない
だからこうして
流されているのか
私の意思などはよそに

2013/01/19 (Sat)
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