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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[585] ぽつんと
詩人:さみだれ [投票][編集]

馳せる気持ちはよそに
砂浜に腰を下ろし
海を眺める君こそ
孤独であると言えよう

瓶の中の手紙を読み
人知れず夢を見る
刹那の千を思う君こそ
孤独であると言えよう

世界の果てなどない
そう信じていてなお
沈む日に終わりを見る君こそ
孤独であると言えよう

君は賢くもあり
愚かでもある
息苦しい夜なら
窓を開けて
その目に写るものに
躊躇いなく美しいと感じたなら
君は孤独であると言えよう
君と同じ人がいても
それは変わらない

2012/09/19 (Wed)

[584] 冥王星開拓前詩
詩人:さみだれ [投票][編集]

病人が死に

馬鹿が死ぬ

孤児が死に

志願兵が死ぬ

ビジネスマンが死に

大統領が死ぬ

兄が死に

弟が死ぬ

殺人犯が死に

役員が死ぬ

クラスメイトが死に

先生が死ぬ

実験体が死に

助手が死ぬ

天才が死に

教祖が死ぬ

建築家が死に

隣人が死ぬ

若人が死に

漁師が死ぬ

宇宙飛行士が死に

詩人が死ぬ

健康優良児が死に

市長が死ぬ

障害者が死に

キチガイが死ぬ

タレントが死に

子供が死ぬ

移民が死に

画家が死ぬ

そして私たちが死に

その次が死ぬ

2012/09/19 (Wed)

[583] 遠い人
詩人:さみだれ [投票][編集]

光より遅く
音などは無きに等しく
私は宇宙の外
あなたを知っているけれど
なんにも届かないよ
あなたの伸ばす精一杯の腕では
広すぎて
私の願う幸せでは
広すぎて

星の息づかい
複雑なメロディ
個々の光
その命の尊さを
あなたは臆すことなく
あなたの伸ばす精一杯の腕では
広すぎたけれど
私の願う幸せでは
足りないほど
あなた方は素晴らしい

私は宇宙の外
光に託し
この詩を捧ぐ

2012/09/17 (Mon)

[582] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

役に立たない人間は死ぬしかない
生きてることに意味があるなら
知恵や感情など必要ない
私たちに備わった賢さは
言い訳のためにあるの?
私たちに備わった優しさは
娯楽のためにあるの?
役に立たないならいないのと同じ
役に立たないと諦めたなら
死んでほしい
酸素がもったいない
君は賢い生き物
人間なんだ
その賢さで神様をあっと言わせなよ

2012/09/15 (Sat)

[581] パラノイドの手に花を
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呼吸が宙返り
反転した
君はママゴト
大変だ
時間の闇の部分
見えてるかな
忘れてはいけない
大切なこと
野生の人
飼われてる人
きっと捨てられた人いるだろう
改造した
心の電子回路
頭のプロット
変身した
君は素晴らしいと
称賛されながら死んでいく
呼吸が命綱
千切れそうだ
君は野生に
帰らなきゃ
きっとうまくやっていけない
魔物でもない君はやっていけない

機械化された君はやっていけない

2012/09/13 (Thu)

[580] パンプキンマスク
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パンプキンなあの子はね
人間関係なんてものは煮物みたいなもんさ
なんて坊さん気取りで言ったけど
私、あなたといてふやふやになったことはないし
あなたと離れてお堅く落ち着いたつもりもないわ

ハロウィンにお菓子をくれと
パンプキンマスクの君は幼気
飴を何個か手渡すと
君は走って去っていったね
そのあと君は転んでしまい
パンプキンマスクは壊れてしまったね
君はたくさん泣いて
泣き腫らした目を擦り
飴を一個食べたんだって

パンプキンなあの子はね
嫌われたくないばっかりに
先生に首を垂れたわ
でもみんな嫌った
あの子は成績がよかったから
ねぇ、あなたは嫌い?
私がパンプキンみたいに
でこぼこ野道しか歩けなかったら
私がパンプキンみたいに
お堅く落ち着いたなら

私は知ってるわ
パンプキンマスクの行方
もしくはその最後
もちろん煮崩れしたわ
トロトロにね

2012/09/12 (Wed)

[579] ヒューマノイドの夢に星を
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スペースノイドは詩を書いた
木星圏を航行中の恋人に向けて
一枚の電子信号が
船から飛び立っていく様を
我々は見送ることはおろか
気付くことすらできない

ルナリアンは詩を書いた
地球に住む家族に向けて
一枚の石ころが
燃え尽きていく運命に
我々は介入することはおろか
気付くことすらできない

地球人は詩を書いた
自分自身の心に向けて
一枚の紙切れが
皺だらけになり捨てられる日を
我々は平凡に生きることや
忙しく生きることで
気づかないようにした

2012/09/11 (Tue)

[578] 交響曲
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生きていれば

生きてさえいれば

朝の雑踏を

夜の静謐も

生きていれば

生きてさえいれば

君がいる時間まで

歩いていれば

また会えるはずだ

生きてさえいれば

2012/09/10 (Mon)

[577] 丘の話
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ここは丘

君たちが眠るとこ
昨日の悪夢を忘れ
平穏な夢を見られるとこ
理想にそっくりな
美しいとこ

それはね

みんな願いを携えて
高らかにそれを掲げて
素晴らしいと歌い続けた先

本当はね

宇宙の片隅にことりと置かれ
いつ消えてもおかしくない
繊細な命のガラス細工

そして

君たちは何かを求められることもなく
与えることもなく
ただ目を瞑り感嘆の息を吐く

ぼくはね

もて余した時間を
この丘にいることで潰し
そう
ただの宇宙の片隅である
この丘に優しく添いたいがために




2012/09/03 (Mon)

[576] 夏空
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夏空の歪み

ゆする憧憬

カシオペア遥か遠く

君思うに

世界は広い

されど心は眼前に

私思うは

世界に一人きり

聞こえはしないか

夏空の囀り

絶え間なく

しかし優しい

君思うに

世界は近い

されど孤独が身にしみて

私思うは

世界に一人きり

触れられはしない

夏空の憧憬



2012/09/02 (Sun)
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