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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[857] 夜想曲
詩人:さみだれ [投票][編集]

今夜、君を思う
窓の外
黒い雲の切れ間
『うつりゆくよに』君を思う

月明かりを含んだ双眸
とても静かに私を見つめる
君と同じように君を思う

誰も止まらない赤信号
私だけが通りすぎて
そんな世界の寂しさに触れ
ふと君を思う

存在というものは
限りなく希望に近い
だから私は君を思う

今夜、夢を見る
暖かな日差しのなか
香る花に優しさを見て
思う君が前を歩いて

2015/01/30 (Fri)

[856] メアリ
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銀の梯子で
月へと上っていく
さみしがりの彼女が
背を向けて上っていく
海は凪いで鳥も鳴かず
地平には人影もなく
真っ白な月の後ろに
彼女が隠れるまで
私には何ができる
どんな言葉が届く
ここにあるのはわずか
月までは持っていけない
さみしがりの彼女は
きっと知っていたんだ

2015/01/28 (Wed)

[855] 未来人
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消費期限の切れた
幕の内弁当膝において
神様に慈悲深く祈り
鳥たちに分けながらたいらげた
それはもう千年前の
未熟な僕たちの御先祖で
今もまだ根付いてる
ご飯の上の赤い丸が

ただそれだけ残せたら十分だ
センソウもヘイワもいらないぜ
偉人も大層な歴史も
進んだ文明もいらないぜ
僕にはお母さんがいる
お父さんも妹もいるんだ

星の数ほどの幸せは
ひとつとしてほしくはない
バカでかい太陽ほどの
嬉しさがあればいい

塩素混じりの水を飲んで
ため息をつきながら歩き出す
前にはなにもないくせに
ないからどこにでも行けたんだ
それはもう千年前の
春先の午後で
今もまだ根付いてる
二本足の僕らがいる

2015/01/26 (Mon)

[854] 閑話
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いつか誰も彼も
嫌わずにいられるときが
あったとしたら
ずっと素敵だと覚えているだろう
僕はいつもいつの日も
嫌うことを嫌うだろう

いつか誰も彼も
死なないでいられるときが
くるとしたら
きっと幸せを忘れているだろう
僕は今日も昨日のことも
空の色ですら愛おしい

三日月がころころ笑う
僕の心を見透かしたの
そんなところにいないで
ゆっくり夜明けまで話そうよ

2015/01/25 (Sun)

[853] ワルツ
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あと数百回生まれ変わって
あの垂れ桜を見に行こう

あと数百回生まれ変わって
あの夜のことを打ち明けよう

あと数百回生まれ変わっては
止めどなく涙も流れてこよう

あと数百回生まれ変わっても
損なわぬ思いを携えよう

悲しいけど 一回きりの
最終回の前に君の心に
穏やかな春の日差しが見えて
眩しそうに目を細めて笑う

あと数万回生まれ変わって
あの海へバスを乗り継いで行こう

あと数万回生まれ変わっても
君の心に留めておいてほしい

2015/01/18 (Sun)

[852] 常夜灯
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私の人生を狂おしく愛する
病的な過去の亡霊たちと
タップを合わせ軽く踊れば
この脳は完成された人間のそれとなる
夜の湿り気のあるにおい
悠長に煌めく星ぼし
タンポポの綿毛が丘をすべる
永劫の檻の中
そんな風に世界は在ると思うの

春に魅了された太陽がわななく
キチガイたちの背中
「それがあなたを愛せない理由」

幾千万の人生を平然と愛する
理解に自惚れた観客たちと
手をとり微笑み合う日があれば
この脳は普及した人間のそれとなる
「人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!!」
壁から染み出てくるもの
複雑に交差した線の間
主張する余白
これは誰のための言葉なのか

喉や心を潰しても
あなたを愛する言葉はでない

2015/01/09 (Fri)

[851] W
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君にあげる

花の種
子犬の足跡

君にあげる

誰かの願い
希望その他諸々

君にあげるよ

星の一粒
それを覆う闇

君にあげられる

思われた名
示す航路を

君は受け継いだ

この山の葉の一枚(ひとひら)
海の一滴を

いつかあげよう

2015/01/05 (Mon)

[850] 月光蝶
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三日月が胸に抱く
ふるさとの面影は 淡く
水彩画のタッチによく似ていた
私は真っ黒いジャケットを着て
君の歩く道をなぞる
金木犀の公園へ行き
ベンチに腰掛け
遠い星に望んでみる

帰りたい

君がこんなにも痩せて
背中を丸めて眠る姿が
私には遠く
現実味がない
私の浮遊した心を 君は掬いとり
この星へ帰しているのだろう
自分のことなんて気にもしないふりをして

2015/01/01 (Thu)

[849] 希望は座して
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君は希望
心が大気に掴まった
その象徴が君で
君があるために
私は生きている
なんてか細い繋がり
ふと力を抜けば死んでしまいそう
そんなもの
あの日の
美しい黄金の秋も
そんな風に生きたのだろうか
君は希望
目の前で僕の手をとり
不確かな未来を淡々と読み上げる
しかし僕は天性の天の邪鬼で
君の語る姿の
後ろにある光景を
不鮮明に捉えられた
視覚を鼻で笑い
そして君に怒られる
それほどの幸せを
死と呼ばなければならないなら
あの日の
一等星の輝きまでも
むなしく思えてくるのだから
君は希望
そう呼ぶにふさわしい
君は希望
私があるために
君は生きている

2014/12/24 (Wed)

[848] セントポーリア
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私の言葉が届くところで
あなたがうつらうつら呆けている
それが嬉しいと思いたいな

私の手が届くところで
あなたがテレビを眺めている
それが当然だと思いたいな

あなたの声が霞ゆくまで
私は詩を書くのでしょう

あなたの涙が降りしきる間
私は言葉を探すのでしょう

空が青いのと同じように
あなたの背が見えたなら
私は世界など二の次に
あなたの詩を書くのでしょう

安っぽいメモ帳に
思いの丈をぶつけた夜に
私は神様を許せなくなったんだ

星が流れるのと同じように
あなたの影が過るから
私は神様など二の次に
あなたをただ信じている

2014/12/20 (Sat)
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