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さみだれの部屋


[855] 未来人
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

消費期限の切れた
幕の内弁当膝において
神様に慈悲深く祈り
鳥たちに分けながらたいらげた
それはもう千年前の
未熟な僕たちの御先祖で
今もまだ根付いてる
ご飯の上の赤い丸が

ただそれだけ残せたら十分だ
センソウもヘイワもいらないぜ
偉人も大層な歴史も
進んだ文明もいらないぜ
僕にはお母さんがいる
お父さんも妹もいるんだ

星の数ほどの幸せは
ひとつとしてほしくはない
バカでかい太陽ほどの
嬉しさがあればいい

塩素混じりの水を飲んで
ため息をつきながら歩き出す
前にはなにもないくせに
ないからどこにでも行けたんだ
それはもう千年前の
春先の午後で
今もまだ根付いてる
二本足の僕らがいる

2015/01/26 (Mon)

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