見慣れた歩道橋が色を変えていた朝いつもすれ違う人が最近見ないなって気付いた夜紫陽花がたくさん咲いていた5月も町が白く覆われた12月も終わりの兆しさえ見せようとはしない世界を煙草に火をつけて彼女はうつむいていた同じ煙草に火をつけて私は空に吐いたちゃんと終わってくれるあと少しで消えちゃうから彼女に言いたい言葉は空へ泳いでいくそれだって消えるならそんなことを思いながら今日も歩いている
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