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野上 道弥の部屋


[204] 真夏の夕陽
詩人:野上 道弥 [投票][編集]

   立ち並ぶビルの窓から

   四角い朱い光が僕達に降り注ぐ直前のお話


   僕らはずっと繋いだ手を少し離して

   眩しい夕陽から逃げるように歩いて

   ビルの影に人目を避けるように入った


     隠れてキスをしてた

     長い長いキスを隠れてしてた

     四角の朱の光が僕らに差し掛かった

     もちろん気付かなかったけれど


   影から出た僕らは腕を組んで歩いてた

   長く長く伸びた影は一人の姿しかない感覚だった

   真夏の夕陽はまだまだ暑く眩しい

   忙しない人の流れは逃げるように速い


      僕らに流れる時間はなんて遅い

2004/07/28 (Wed)

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