詩人:ℒisa | [投票][編集] |
暖かい雨が降ると
いつかの夕暮れの日の様に
君があの桜の木の下
泣いている気がして
臆病の自火に責められ
君を抱きしめられなかった想い出が
今でも燻る
春の入口は
青春の通り雨
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あなたにそうしろと
誰が言った訳でもないんだから
あなたの好きな様に
やったら良いよ
我慢したり
押し殺したりする事を
〃誰かの為だ〃なんて
人のせいにして
生きてく必要なんかない
誰も望んでいない事をいつまでも
『誰かの為だ』なんて言い訳してるから
あなたはいつまでも
報われずに
苦しんでいるんだ
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変わらない物事など
この世に万に一つと無く
その変化の度に
幸福と孤独の間を
行き来している私に
唯一必ず幸福への変化を導いてくれる貴方
私は欲張りで
そして
我が侭ですか
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終極を赦される事無く流れ続ける時刻
周期的に訪れる闇
挫折する間も無く変わり続ける人生模様
劫を経る苦界
安らぎは刹那的
私たちは神の子だと
貴方は言った
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バスルームから
彼女の嘆き
またバスタブが
紅く染まる
私は黙って
自分の傷を
指先で撫でる
その痛み
痛いほど躰が知ってる
その痛み
痛いほど心が知ってる
似た者同士
決して
死にはしない事も
知ってる
バスルームから
彼女の嘆き
私は黙って
音楽のボリュームを
少し上げた
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信じられないのは
信じたくないから
認めてしまえば
傷付く事
知っているから
人が生み出した言葉は
いつしか人を傷付ける様になったんだ
人が生み出したものは
皆、罪深い
言葉の次に科学
私が生み出した感情もまた
誰かを傷付ける武器になる
出来ないと言うのは
やりたくないから
出来ると言ってしまえば責任が生じる
人間って
面倒くさい
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股を開いて
稼いだ金を
左手で雑に握り締め
右手にはいつも
安酒片手に
『あんたには居場所が在って良い』なんて哭いていた
雪の日に一度
捨ててきた我が子の話をしたが
以来二度と
口にもしなかった
芸者だった頃の話だそうだ
十はサバ読んでるであろう年齢も
本当のところは
私も聞かなかった
真実も嘘も全て
胡散臭かったが
特に気にはしていなかった
金の使い道は大抵
男に貢ぐか
酒に消えるかのどちらかだった
その女はいつも
『あんたには居場所が在って良い』なんて哭いていた
居場所が在って良い
そう言っては
泣いていた