詩人:ℒisa | [投票][編集] |
その子は言った
『大丈夫』だと
何処にも居場所が無かった
誰も手を差し延べる者はなかった
その子は言った
『大丈夫』だと
今にも溢れ出そうとする涙を
必死に堪えた顔には
微笑みさえ浮かべて
『大丈夫』だと
言っていた
そしてその子は
その後
本当の微笑みを知らないまま逝ってしまった
誰もその子の
本当の言葉を
聞こうとしなかったから
『大丈夫』の後ろの
本当の言葉を
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
いつも見ていた
何をしていても
誰と居ても
君を想った
何気無い君の
言葉の全ても
宝箱に閉まって
抱き締めて寝た
それでもその幸せが
『好きだ』と言えば
その一言で全て
崩れる様な気がしたから
気持ちも一緒に
宝箱に閉まいこんだ
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
日々忙しなく
働く割には
あの人の愛
あの子の命
一緒に過ごす時間
強い心
傷付けない言葉
理想の世界
世界平和
優しい気持ち
子供の頃からの夢
君の幸せ‥
願うばかりで
何も買えない
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
『傍に居たい』と
言葉にして
君の影を踏み続け
『楽になりたい』と
言葉にして
腹に刃物を突き刺す
『愛している』と
言葉にして
全ての物を無くした
求める幸せは
間違えてはいけない
言葉にする前に
吟味して
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
人は皆
上っ面だけでも
孤独を嫌う
他人に好かれようと
無理に笑ったり
お世話を言ったり
明るく振る舞ったり
ウワベだけの輪
それでもその輪から
外れるのを恐れてる
それの何が
幸せなのか
理解出来ないけれど
そんな様を
真似たいとも思わない
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
他人の事ばかり
考えてしまって
息苦しい
それでも
自分を壊せる程
聞き分けも良くない
貪欲にもなれず
冷酷にもなれず
孤立するのも
深入りするのも
特に好まず
好きにも
嫌いにも成り切れず
人を傷付ける事
人に傷付けられる事
優しくし過ぎる事
優しくされ過ぎる事の
どれも恐れて
息苦しくて
また
他人に成り切り
自身を切り裂く
ここに逃げ込んだら
いけないはずなのに
立ち向かうには
如何せんチキンで
逃げ道はどうも細過ぎる
行き着く先はいつも
同じ場所
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
夕暮れの放送が
街に流れ
赤とんぼ1匹
ビルの狭間で見つけた
今でも何処か遠く
幻の様に聞こえる
蜩の鳴き声
別れを惜しんで
遊ぶ子供達
『また、あした』の声も変わらない
あの頃と同じ夕暮れ
変わってしまった大人達が
『この街もすっかり
変わってしまったね』なんて言うけれど
あの家の庭に
毎年咲く向日葵も
川を照らす
打ち上げ花火も変わらない
あの頃と同じ
毎年同じ朝
あの公園で流れる
ラジオ体操
毎年同じ静かな夜
風鈴の音だけ
チリンと聴こえた
詩人:ℒisa | [投票][編集] |
言った事を
やらなかった事より
出来ない事を
言った事を
傷付ける言葉を
口にした事より
その後の
『ごめんなさい』が
無かった事を
陰口を言った事より
偽りながら
近付いた事を
悪い事をしてしまった事より
それを正当化する事を
罪だと思う