| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
鮮やかな色に香り
すこし個性のある味がして
茹でたてのそらまめ
いただきまーす
あなたは皮ごと
わたしは剥いてから
似てない二人
でも一緒にそらまめを食べる
お皿に積み上げてたそらまめが
半分消えて半分皮だけ残る
でもあなたは全部食べちゃう
嬉しいけど恥ずかしい
そらまめ そらまめ
おなかいっぱい
あなたもわたしも
おなかいっぱい
鮮やかな温もりに安らぎ
個性のあるあなたとわたし
二人は茹でたてのそらまめ
どうぞ残さず召し上がれ
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
この世の中に
ささやかなプレゼント
ポケットに入ってたお金
手のひら分が触れる温もり
歩いていける優しさ
& WINK & KISS & SMILE
これだけあれば
結構 LOVE & PEACE じゃない?
だって独りじゃない
最初は君にささやかなプレゼント
こんどは君が LOVE & PEACE
世界中でこんなキャッチボール
ほら
結構 LOVE & PEACE じゃない?
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
道なき道を満ち足りて
野辺に足をとめ眺むるは
名もなき花の凛とした
笑顔に応えるまた笑顔
また歩み出す未知の道
踏み締める未知に道続き
歩みし背中に刺さりたる
君詠みし詩は旅人の
光と陰と愛と誠か
やがて倒るる旅人に
芽吹く詩歌は花開き
継ぎ歩む者の道しるべ
野辺に名もなく凛と咲き
足留めては微笑みて
目を奪いてはまた詩う
道なき道も道となり
迷い子諭す君が詩
旅人の背に刺さりては
陽光月光きら星の
万葉の夢
君が詩歌よ
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
道端で死んだカマキリは
まるで討ち合いに敗れたサムライ
刃を地面に突き刺し
無念…と果てていた
石垣のイモムシは
まるであみだくじを進む
オマエが選んだそのラインの果ては
濁流のドブ川が手招きをしてる
ちっぽけな存在だ
オマエらも オレもな
せめてそんな一瞬が語る声を
拾い集めて行こうか
つたない言葉遊びかもしれないが
俺の寿命を使って
詩歌に編みなおして行こうか
この星に帰るものへ
眠るには子守唄が必要なのさ
せめてそんな一情の物語とメロディー
ちっぽけな存在だ
オマエらも オレもな
詩ってあげるよ ここでおやすみ
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
切り落とした指の感じない痛みを
生き残った指が時折訴える
それはとても 鈍く
むしろ はかない痛み
そう それは そこはかとなく
痛い ただそれだけの痛み
高いのが自慢だった 中指の痛み
効能は分からないが 薬指の痛み
多分一番痛いだろうと推測するが
約束できなくなった 小指の痛み
ゆびきりげんまん 笑えない
無理に約束すると痛いもんな
分かってあげてたつもりだったけど
こんな風に訴えるなんて
痛いんだな おまえらさ
たかが生きていくために
こんな紋章背負っていくなんて
意味があるんだよなんて陳腐なセリフ
好きな人になら 言われてみたいか
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
あぁ 目が詰る
跳んだ 解れた 絡まった
疲れた
まるで
緻密なレース編み
脆弱な糸
指先だけの心模様
貫く針
型紙なんか役に立たなくて
何度も
見えないものを形にして
朧気に浮かんでくる
可憐に広がる
大胆に素通しだよ御用心
出来上がりは
はるか彼方
気が遠くなる
何が 語られ
価値は いかほど
向こうに見えるのは 誰
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お客様、過去からご伝言がございます。
君が伝えたメッセージ。
時のゆりかごに運ばれて再び。
君に伝わっていますか?
お客様、未来へご伝言をなさいますか?
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
ドリアンは果実の王様
あまりにも珍味
威嚇的な風貌
そしてお高い
相手にされることはない
だって孤高すぎるから
ドリアンは考えた
でもすぐやめた
だってドリアン
ドリアンはドリアンだ
オリジナルのマイウェイ
誰にも真似できない
味と香りで勝負した
腐ってると揶揄した人々もやがてドリアンを讃え
彼こそ果実の王様と
見よドリアンの心意気
決して値打ちを下げたりしない
さすがだドリアン
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
この世果て
人も言葉も
疲れ果て
されど息吹は
君が胸咲く
いつの世も
いかなる場所も
時守は
君が名前と
口々に聴き
咲けばいい
ただ一輪と
咲けばいい
愛でる君主は
子等と傍居し
| 詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
螺旋に記された遺伝子
大いなる記憶は 連綿粛々
時代を借りて次代に流れ
寸分違わず 約束を遂行す
この星に爪を立て
ささやかな売名行為か
悲恋の仇を討つべく
虚しと放つ時の卵か
答えなど
瞬きの間に意味を失う
さらば涙よ
されど涙さ
明日来る明日に
風に吹かれて笑ってやろう
日はまた昇る
それでいいのだ