詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
大丈夫さ
いつもの窓を 少しだけ開けてある
カリカリもソファーもお気に召すまま
お腹がすいたら 食べればいい
ナワバリに疲れたら 眠ればいい
子猫の自由さ
僕も出かける 子猫の自由さ
もし 僕が旅の途中で
倒れて朽ち果てる時があっても子猫なら大丈夫
ほら暖かい安らぎとまどろみの中にいる
きっと うつくしい女猫になって抱かれる夢を見てる
もし 僕が旅を終えて
運良く舞い戻れたとしても子猫はもう大人
ほら新しい家族とテリトリーの中にいる
きっと もっと ずっと うつくしい女猫なんだから
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
好きなんです
でも 自信がなくて いつも不安なんです
私も好きなんです
でも もう少し考えてから お返事します
あなた以外に考えられないんです
でも あなたを困らせるんだったら 諦めます
あなたはとても素敵な方です
でも 私も負けないように自分をもっと磨きたい
あなたはとても素敵な方です
僕なんかが望んではいけない気がして
あなたはとても素敵な方です
私なんかよりもっと素敵な人はいっぱいいるわ
あなたこそ いえあなたの方こそ
愛舞 相毎 会迷 哀謎 あいまい…
あなたこそ いえ あなたの方こそ 繕いて 失い続ける 大切な人
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
まどろみの中で遠くで呼んでいる声がする
僕を呼んでいるの?
目覚めの岸へと小船は戻る
そしてたゆたいながら岸辺を周り始める
呼んでいるのは誰?
親しく呼ぶ声? 切なく呼ぶ声?
名前なのか名前じゃないのか
僕の心を揺り動かす
これは僕の事?
本当に僕のことを呼んでくれているの?
着岸して小船から降り立つとき眠りは幕を閉じ
見慣れた眺めに思い出したように息を吐く
いつも誰に呼ばれたのか判らないまま
いつも何て呼ばれたのか判らないまま
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
指先は綴る
君への思い
君への贖罪を
命の示唆する方向で
芳香で 砲口で 彷徨で
ひらめきに きらめきに ときめきに
ありがとう ありがとう ありがとう
生死を繰り返すカルマの歯車に
愛別離苦の終わりなき旅
舌を抜き 喉元を切り裂いて 言葉を捨てる
両足を切り落として 現実に踏みとどまり
愛する前に 別れの前に 離れる前に 苦しむ前に
勇気と真実のナイフを 自らの胸に深々と突き立て
わが名と魂を呼び戻す
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
我思う故に我あり
我思う故に詩あり
詩思う故に命あり
命思う故に愛あり
愛思う故に涙あり
涙思う故に今あり
今思う故に華あり
華思う故に薫あり
薫思う故に誘あり
誘思う故に迷あり
迷思う故に独あり
独思う故に求あり
求思う故に恋あり
恋思う故に君あり
君思う故に生あり
生思う故に君あり
いつの日か 聞こえるだろう 何処までも 和みの音色 寿ぎの詩
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
聞かなくていい
聞こえなくていい
僕の戯言
伝えなくていい
伝わらなくていい
僕の戯言
一度曇らせてしまえば
すべてが弱音
すべてが言訳
すべてが嘘
すべてが妄想
僕の戯言に耳を貸す必要はない
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
『溢れるままに 触れるままに』
さようなら 溢れる日々
さようなら 触れる日々
おはようも おやすみも
自らの手で摘み取る
膨らむイメージは やがて足かせになる
未来の陰は あなたを曇らせる前に
自ら光りの前に立ち 消えるべきだ
はじまりから 見えた結末を
実行すべきだと確信する
必要ならば 必然が応じる
ただ 陰を落としたくない
しがみ付く気も 縛り付ける気も 毛頭ない
はじまりからの 答えに過ぎない
嫌われるべきだと 願っていたこと
愛でもない 恋でもない
覚えていた約束を 実行したに過ぎない
あなたが光りを放つため
大切な約束は 忘れていないことを証明した
あなたが光りを放つため
涙は喜びを湛えて 静かに流れる
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
どろどろに
ぼろぼろに
さまよい歩く 果てしない 家路
たどり着けるかは
死と隣り合わせの 賭け
手を伸ばせば届くのかもしれない
触れることも
口づけを交わすことも
あの花を見つけてしまったら
誰もがギャンブラーになる
神も悪魔も 泣いて祝福を懇願するだろう
あの花を見つけてしまった瞬間から
俺のハートは 火がついたように泣いている
老いた乳呑児を笑うがいい
全身を震わせてしがみつくように口に含む
満たされてそのまま眠るまで 乳を求める
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
気になるあの娘
きらきら
若さだけじゃない
才能
英知
すでに 女のサガを持つ
インスパイアする
オリジナルの世界が
あの娘から放たれる
包むように
えぐるように
僕の惰性を切り裂いてくれる
心地よい傷みが
僕の五感をヒリヒリとインスパイアする
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
嗅ぎ分けろ
神経を研ぎ澄まして
ぎりぎりの匂いを
捜し当てるんだ
ナワバリは生存競争
生き抜けろ
嗅ぎ分けろ
つまらない臭いは
もう俺には必要ない
境界を見つけ出すんだ
戦いを挑め
一本のラインの
右か左か 生か死か
嗅ぎ分けろ
もう術はない
残された嗅覚だけが
俺の未来を決める
俺の命を握る