詩人:栢徠 | [投票][編集] |
どうしてこんなにも胸が苦しいのだろう
どうしてあなたは私に優しくしてくれるの?
ううん、優しくしてるのは私だけじゃない
それはちゃんとわかってる
片思いの頃は憧れた状況も
今ではただ苦しいだけ
必死に今までと同じ調子の喋りをした
どうしてこんなにも苦しいの
片思いの頃より苦しいのはなぜ?
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君の事が大好きだ
君の事を愛してる
あなたは真面目な顔でそう言った
そしてその顔のまま
だから……俺と別れてくれないか?
ねぇ、その接続詞間違ってるわ
それじゃ意味がわからない
明らかな、矛盾
俺、結婚する事になった
相手は無論君じゃない
言われなくてもわかってる
私が意味がわからないのは…………
すまない、でも俺が君を愛していることは知っていて欲しいから……
意味がわからないのは…………
『なんでそんな事を言うの?
意味がわからない
あなたが結婚しようがしまいが関係ないわ
だから、私に愛しているなんて言わないで』
意味がわからないのは、あなたの思考
意味がわからないのは、冷めた自分の感情
意味がわからないのは
この終わらない悪夢
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幼い頃初めて触れた優しい手
暖かい小さな手
離れる時に触れた優しい手
暖かい大きな手
遠く離れた優しい手
もう一度触れたい……
ねぇ、あの頃のように頭を撫でて?
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小さな頃
台風の夜、よく怖くて泣いた
風の音も雨の音も怖かった
そんな夜はいつも君が来てくれた
家が隣で、部屋が隣で
きっと、私が泣いてるのを見てたんだ
私は大きくなった
台風の夜も、もう泣かない
音にただ、眠りが妨げられるだけ
だから、もう来てくれない
家も部屋も隣じゃなくなって
見えなくなってしまったから
あらしのよる
それは、私一人の夜になった
もう泣かない
君が来てくれないから
もう大丈夫
もう大丈夫……
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手で掬った水は隙間から流れ落ちる
少しずつ、しかし確実に
どんなに手を合わせても
掬った水は流れ落ちてゆく
記憶も同じ
どんどん流れ落ちて行ってしまう
水の流れは止められない
あぁ、あれは誰だっけ
忘れないでと、私に泣きついた幼い少女
あの子はダレ?
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錬金術師は
不老不死を手に入れようとした
独裁者は
不老不死の力を得ようとした
人はなぜ不老不死を求めるのだろう
なぜ人としてその生涯を終わろうとしないのか
不老不死の先に幸福などは存在しない
不老不死の先に存在するのは
終わり無き絶望
終わり無き時の呪縛
不老不死を望むは人の業
不老不死を望むは人の罪
不老不死
それは神への冒涜
不老不死
それは生者への冒涜
不老不死
それは死者への冒涜
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僕の為に泣いてくれる愛しき君
泣かないで愛しき人よ
僕の声はもう君には届かない
それでも唄おう君の為に
僕に優しさをくれたのは君だった
僕に喜びを与えたのは君だった
僕に笑顔を向けてくれたのは君だった
泣かないで愛しき人よ
僕の声はもう届かない
それでも唄うよ
君への歌を
ただ君の幸せだけを願おう
今の僕にはそれだけしか出来ないのが悔しいよ
君が僕に与えてくれたのはとても尊き思い
少しでも君に返したいのに
今の僕に出来るのは君の幸せを願うだけ
だから願おう
君の永遠の幸せを
さぁ涙を拭いて
愛しき人よ
僕の最後の願いを聞いてくれるかい?
笑顔で僕を送って欲しい
そして幸せになってくれ
愛しき人よ
どうか幸せな時を永遠に