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栢徠の部屋  〜 投稿順表示 〜


[191] あまりにも近くに居たから
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いつの間にか近くに居て
この気持ちを自覚して
隣りに居るのが当たり前になっていた

隣りから居なくなって
話さなくなって
でも、原因は私達二人にはない
『どうしようもない』
そんな言葉で片付けたくない

――なのに――

学校の帰り道
自転車の2人乗り
目の前に見えた背中

学校の授業中
斜め前の席に見えるだけ
手を伸ばしても届かない

近くに居過ぎて
今の状態が苦しい




好きだと言えば
また
隣りに居られますか?

2008/10/23 (Thu)

[192] 最後にもう一度
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話さなくなって
苦しくなって
一緒の時間が無くなって
悲しくなって
帰り道、君が待っていてくれる事を期待した

作ったメールはすぐに消して
君からの着信の無い携帯をただ握る

付き合ってた訳でも無く
ただ愛情と友情の平行線
気付かなければ良かった
そうすれば今も一緒に居れた?

想いを告げる事はもう無い
君は近くて遠いから
目の前にあった筈の背中は
もう、ずっと前
手を伸ばしても届かない距離

最後にもう一度
あの頃のように私に微笑んで
そうしたら私はもう、諦める


そう、思ってたのに……



突然の君からのメール
「今どこ?」


ねぇ、もう一度
君に恋しても良いですか?

2008/10/24 (Fri)

[193] 卒業アルバム
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そこに写っている一年前の君
今はかけていない眼鏡をかけて
今と同じどことなくやる気のない姿勢

あまり違わない
でも、全然違う

周りと同じ制服に身を包んだ君
私が知らない君の姿
周りと違う私服に身を包んだ君
私が知ってる君の姿

ふと、顔をあげると他の男子と騒いでる
君の視線の先には私の卒業アルバム
君の知らない私がそこに居る

「コレだろー」
「その写真は見るなー!!」

慌てて走り寄る私
楽しげに笑う君



テーブルの上の卒業アルバム
君の笑顔を写しながら
私の笑顔を写しながら
今の私達を見ているのだろう

2008/10/27 (Mon)

[194] 闇は紅くて 神現れず
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溢れ出すは赤い孤独
包み込むは暗い絶望

独りになりたくて
一人路を歩いて
赤を美しいと感じたは一瞬

溢れた赤は真紅に染まり紅くなる
闇に紛れて全てが消える


愚かの神は人を笑い
最後に残るは真白い屍

2008/12/08 (Mon)

[195] 私とアナタはきっと同じ
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吐き気がした
胃がグルグルと回る
原因は別に目の前にある死体じゃない

体はグチャグチャなのに頭は無事
車にでもはねられた?
あぁ、吐き気が止まらない

きっと誰かが片付けるんだ
とても嫌そうな顔をして
吐き、たい……

「なら、吐けば良いんだよ」

体から頭が離れてこちらを向いた
いや、元からついていなかった?
……誰が喋った?

「吐けば良いんだよ」
「それで何かが変わる?」

私は生首に言葉を返す
だって、ここで喋りうるのはこの生首だけ

「少しはスッキリするんじゃないかい?」


あぁ、私も彼のようになれば良いのに
唐突に、本当に唐突にそう思った

2008/12/24 (Wed)

[196] 優しくなんてない
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―僕は優しくないんだよ―

大好きな彼に似てた
大嫌いなあの人に似てた
どこかで見た彼に似てた
でも、笑った口しか見えない

―僕は優しくないんだよ―

私を愛おしむように
私を嫌悪しているように
興味すら無いかのように
でも、にんまりとした笑顔


―私も、優しくないよ―

彼とすれ違う瞬間
完全な無表情で
にんまり笑う彼に
小さく、静かに告げた

2008/12/24 (Wed)

[197] それは、きっと、歪んだ私の錯覚
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首だけになったカレが笑った
「こんな僕でもまた撫でてくれるかい?」

首の無い体は動かない

「えぇ、首だけになっても大好きよ」

愛しい首を抱き上げ、視線を合わせる

「でも、腐らない?」

「その時は、その時さ」

その言葉に笑って私は首を抱いて歩き出す
体はそのままにして
喋る猫の首を抱いて……


それは、きっと、歪んだ私の錯覚
死に際に見た、私の最期の優しい悪夢

2008/12/24 (Wed)

[198] 笑顔でさよならを
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久し振りにあなたの夢を見ました

桜吹雪に隠れた背中
私はなにも言えずに見送った
少しずつ
でも
確実に広がる距離
手を伸ばしても届かない
走り出したいのに動かない足
口を開いても出るのは空気だけ
ただ、涙を流す私を包んでいたのはやむ事のない桜吹雪


あの日からもう2年の歳月が過ぎました
だから、夢に見たのでしょう
あの日の光景を

桜吹雪の中、歩み去るあなたを呼び止めた
振り向いたあなたに


私は笑顔でさよならを

2009/03/04 (Wed)

[199] 分れ道 別れ道
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同じ道を歩いてた
ずっとそう信じてた
なのに気付けば
私達の立っていたのは分れ道

一緒だと思ってた
ずっとそう信じてた
なのに気付けば
僕達の立っていたのは別れ道

一本道は二手に分れ
気付けば二人別れ道

いつの間にか分れ道
いつの間にか別れ道


桜の下での再会誓い
笑顔で二人歩み出す


それは涙隠して分れ道
それは涙隠して別れ道

2009/03/04 (Wed)

[200] 
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キミと出会ったのは雨の朝だった

青い傘をさして
ただ空を見上げてた


キミと初めて話たのは雨の午後だった

青と赤の傘を並べて
雨の音をBGMに


キミと会えなくなったのは雨の夜だった

青い傘は赤くなって
そして雨が赤を洗い流した


あれから雨は降らない
私は探す
青い傘と雨を探す

2009/03/05 (Thu)
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