詩人:栢徠 | [投票][編集] |
満開の桜の見えるのも
桜吹雪が見えるのも
僅かな時間だったけど
今は緑の葉が美しい
桜の散ったその後で
花びらの絨毯に包まれて
私は貴方を思います
桜の散ったその後で
美しい緑を眺めながら
私は貴方を思います
桜の散ったその後で
花びらの絨毯と緑の葉に包まれて
私は貴方の暖かさを知るのです
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少女が泣いていた
それに気付いた少年は聞いた
「どうして泣いてるの?」
すると少女は
「大切な物を無くしてしまったの」
そう言って泣いた
少女が泣いていた
それに気付いた少年は聞いた
「どうして泣いてるの?」
すると少女は
「大好きな人に会えないの」
そう言って泣いた
少女が泣いていた
それに気付いた少年は聞いた
「どうして泣いてるの?」
すると少女は
「どうして泣いているのか自分でも分からない!」
そう言って泣いた
少女は何に対して泣いていた?
少女の瞳から溢れる涙は何を意味していた?
真相を知りたくても少女があの場所で泣くことは二度とない
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お元気ですか?
私は相変わらずの毎日です
今年も桜が満開です
桜吹雪がとても綺麗で―――
やっぱり桜も相変わらずです
正直に言えば、私はまだ貴方の居ない生活に馴れません
毎日の様に話をしていたから、でしょうか?
やっぱり寂しいです
いつか、またお逢い出来ると信じております
全てを書いた便箋を紙飛行機に折って飛ばした
遠くに居る貴方にへと
紙飛行機は、風に乗って飛んで行った
願わくば彼の元へ
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二人で手を繋いで歩いた夜道
君は「怖くない?」と聞いてきた
私は怖くないと答えたけど
本当は怖くてしかたなかった
繋いでいるこの手が離れてしまわないか
ここに一人で置いて行かれないか
そんな恐怖を感じる度、私は手に力を込めた
その度、握り返してくれる君の手はとても暖かかった
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君は運命をこう称した
運命なんて金魚すくいの紙のようなんだよ
破れそうで破れない
なのにすぐに破れてしまう
だから運命だって俺達が金魚みたいにじたばたすればすぐに破れちまうんだよ
言い終わって
ま、漫画のうけうりだけど・・・・
と恥ずかしそうに言っていた
じたばたしてみるよ、金魚みたいに
紙を破るために
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駅にある小さな時計台
その下で約束の時間が過ぎても彼が来るのを待っていた
降りだした雨は私の頬に流れる涙を誤魔化した
見上げた時計台はくすんで見えてなんだか余計にさみしくて
溢れる涙を止められなくて
約束の時間はずっと前に過ぎたのに私は動けなかった
時計台と一緒に雨に打たれながら泣いていた
突然私に雨が当たらなくなって振り向くと、息を切らしながら傘を差し出す君が居て
バカじゃねぇ?
そんな声が聞こえた
ひでぇ顔だな
誰のせいよ
二人で傘に入って歩きながらそんな言い争い
ふと振り向くと雨に濡れた時計台が小さく見えて
私は小さな声でありがとうと呟いた
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君が好きだと言っていたから
君の為にケーキを焼いて
家に呼んだら驚いた
でもすぐに目をキラキラさせて僕をみた
どうしたの?と問掛ける君に僕は笑顔でこう答えた
君の笑顔が見たかったから
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走り出した電車に乗って私は生まれた町を離れた
君に別れを告げぬまま
言えばきっと君は止めたから
言えばきっと私は残ったから
本当は止めてほしくて
本当は残っていたくて
私は本当は君と一緒に居たかったから
でもね・・・・
周りの馴れ親しんだ景色はどんどん後ろへ流れていく
さようなら・・・・
君に別れを告げぬまま
私は君から離れていった