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緋文字の部屋  〜 新着順表示 〜


[72] 犬10匹で手を打って
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私達は犬が大好きね

人間の子が持てぬなら
犬を10匹飼いましょう

いくらなんでも面倒臭いわ

一人で始まり一人で終わる二人で始まり二人で終わる

あなたが残念がらなければいい
あなたが寂しくないようにしたい
あなたが寂しいと
私はもっと寂しいわ

きっと好い夫になるようにきっと善いお父サンになる

私にしかあげれないものがあるとしたならの話

今は私に満足なのね

欲しがらないと約束して

落胆の顔は私を殺す

期待しないで

あげられる器なんて
持ってないんだから



私も子供、大好きよ

2005/08/30 (Tue)

[70] ソレ
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たとえば

自分のタイムリミットを

大事な何かと引き換えに

教えて貰う術があったとして

チッチッチッチッ

秒単位でどんどん減っていくだけの人生を

終わりからカウントされる装置なんか着けられたりしたら

ウダウダグダグダ考えてる暇なんかなくなるのかな

必ずやって来るソレが
思ってたより随分早く来る

なんて
わかったりした日には

それこそ恐ろしいやら勿体ないやらで眠れそうにない

わかれば立ち向かえるのか

知れば惜しくなり必死になれるのか

ただ茫然と待つだけなのか

逆らってより早く終わらせようとするのか

関係あるかぃ!と一分でも延ばそうとするのか


私は大事なものはあげたくないし

増えていくのは好きだけど

減っていくのは嫌いだから

知りたくもないけれど


2005/08/30 (Tue)

[69] 蛩の呪い
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コオロギの呪いだ

幸せな気分でいたから



迷い込んできたコオロギ

掃除のついでに

そっと雑巾にのせて放った

小さい歩幅

やっと此処まで辿り着いたかもしれなかったのに


ゴキブリと間違えられて
殺されたかったのかも



おせっかいには程遠い人柄

賄う気なら本気で賄え


よけいな事を
してしまう時がある

その時は

私なりに心で
動いたつもりでいるけれど


あの後、
車にひかれたのかもよ

誰かに
踏み潰されたのかもよ



これはコオロギの呪いだ


ごめんなさい

幸せな気分でいたから


掃除が済んで

綺麗になった

つもりなんかでいたの

2005/08/29 (Mon)

[65] 狂気の沙汰
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お互いが納得していれば

通用しないものだろうが
非難されるものだろうが
構わなかった

その人は嬉しそうだったし
私もたいそう助かった

尊敬できる人だった

裏切られた気分もしたが、
有り難い申し出とも思った
昼の会社勤めで手一杯だった

娼婦じゃなく情婦なら

変なプライドだけあって
誇りなんて都合好く無かった
互いに対価として当然と思っていた
薄ら寒い関係よりも
温かい時もあった

別人格だ

その人が好む私と
私が かけ離れてきたので

次第に離れた

その頃にはもう必要も無くなっていた

いま思い返すと
気味の悪い話で

罪悪感がなかったこと


でも今でも

お互いが納得していれば
時としてよいのではないか

そう思えてしまう
別人格のインモラルな私

もう戻ることは無いけど
それも 私

2005/08/27 (Sat)

[62] プレゼント
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贈り物

何を貰うかより

誰にもらうか

今更あらためて実感した


大事な物が見えなくなって
どうかしていた数年を

振り払ったあなたからの

カタチのない贈り物

プロポーズなんだろうか

このキラキラしたものは

…凄く綺麗なんだけど

その直前あなたにもらったカタチのない贈り物の方が

やっぱり嬉しかった


お金遣わせてごめんね

輪ゴムでもよかったのに

2005/08/25 (Thu)

[59] 女ですもの
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髪をゆるやかに垂らすのも

毎晩、爪先を染め変えるのも
口元に媚びない色を置くのも

いつ触れられてもよい様に
どこもかしこも柔らかく

あなたのため

と言いたいけれど

女ですもの
こればっかりは
不変に続けていくのです

心配ならばもっと傍へ
遠くにいないで
四六時中を私の傍に

あなたがスーツを身に纏い

空港へ向かう姿、見送る時

知らないあなたがいる事に

私もおんなじ気持ちなのよ


来月
あなたと逢う時に着る

秋物の服を
今日買いました

2005/08/24 (Wed)

[57] 叶うのなら
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あなたの子が欲しい

忘れてはいない

あの子をまともに産めなかった

自分の躰


男をひきつけるのには
卑しくも十分で

なにも生み出さないほど
乏しく不充分で

私は自分の躰が一番で
私のことが一番で

始めから無かったように
もう諦めてるふりしてた


『きっと可愛いよ』

あなたのことを
一番先に
考えるようになって

あなたは私を
一番に考えてくれるから

話せば要らないと
言ってくれるでしょう


あなたをもっと深く受け入れたい
私の中にすべて入ってきて欲しい

あなたの子を抱いて
あなたと一緒に
笑ってみたい

2005/08/23 (Tue)

[56] ケンシン
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やはり馴染めない

どんだけ通っても慣れない

ピンクのカーテンも
必要以上に
優しく笑う顔も
白衣も
冷たい器具も

聞いてると他人事のように聞こえる説明も


身の軽い私が
ココに来る時だけは
重い躰で

このまま降りずに
違う場所へと行ってしまいたい気分になる

『心配しないで行っておいで。いつも変わらず傍にいる』

あなたが言ってくれるようになってからは
随分と軽く、楽になったはずだけど

まだ全部話してないことに

また少し重くなった

また一週間が長い

どうか今回も無事に
やりすごせますように


なんの努力もしてない私が思うことじゃない気がする

2005/08/22 (Mon)

[55] 晩夏
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夏の末

せめぎあうように
惜しむように愛しむように

いっそうと激しい蝉時雨

鳴き声に泣き声に

耳を奪われる

尺度が違うだけで
あなたたちの一週間は
きちんと一生分なのかしら

私はそんなに必死に
なけているかしら


室内に流れるボリューム
同調するように上げて


日が暮れてしまえば
すっかりと
秋の夜気をつれてくる

この季節に挽歌を贈る

2005/08/22 (Mon)

[52] チョウチョ
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鱗粉だらけの幼い指先で

『見て、チョウチョ!』

差し出した蛾に

教えてくれた

姿は似ていても
ソレは蝶々とは違うのよ

間違っちゃいけないし

どんなに綺麗に見えても
捕まえちゃいけないんだ

なのに

 ヒラヒラ

私の目を奪うもの現われる

 ヒラリ

私にとまった


蝶々と信じて
虫カゴヘ

信じている間は
私の中で

いつだって蛾も蝶々だった

2005/08/22 (Mon)
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