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緋文字の部屋


[137] 落葉
詩人:緋文字 [投票][編集]

踏み鳴らす、
乾いた音 を
楽しむ横顔を見て愉しんでくれていた
左側の体温
コンマ3℃ほど上げて
顔があげれず
つめたい
指先 差し出した

人混みは苦手。
後ろに流れる景色
流すのはあなた
見送るのは私

撫でゆく片頬に外界を
人差し指は
どこまでも内に食い込む
真ん中から
裂けていく
多く
残ったほうを あなたに

このまま
誰ひとり
いなくなってしまうのかもしれなかった
一台きりで
のぼる車
続く 続く山道
のぼり続ける だけなら

カーブをきって
あらわれたものに
視界を
黄金色にふさがれた
車道の中央
息を呑む見事な幹枝
あの美しさといったら
予定になかった

予測できるものは沢山
あるようで
いつだって少ない

ハンドルとられ
一瞬 呼吸を止めたあと
吸い込んだ

思いの重なりに
小さく笑った


あの色
幾度も
鮮やかに蘇甦るのなら

そのことは
心配 いらない

2007/03/16 (Fri)

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