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緋文字の部屋


[96] 老いて、なお
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伴に老いたい
少しでも長く健やかに

物を巧く噛めなくなる様な歳まで連れ添い

新鮮で滋養の有る物を選び
食べ易いよう細かく刻んで食卓をしつらえる

貴方は、やっと好きな釣りでもして

そうやってのんびり生きて

ほんの少しだけ私より先に逝ってください

毅然と見送った後は

目覚める度に
空の布団を見ては
思い返して泣くでしょう

そうして過ごす時間は
そう永くは続かないから

綺麗な花を供えては
語りかけ笑顔を取り戻したりもするでしょう

一緒が叶えばよいけれど
あまり時の差がない様に
私も逝けたらよいなと思う

残された者になるのは
嫌でした

今は、貴方を残して悲しませるより
そんな風に終われたらよいなと

想い方のひとつひとつが
どうも貴方に対しては
違うのです

心を健やかにしてくれて

ありがとう

2005/10/01 (Sat)

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