詩人:とーれぱすて | [投票][編集] |
愛を知らない私は
愛することをしらない。
悲しみを知る私は
ただ愛することから逃げ、
愛の形さえも疑ってしまう。
全てを簡略化して戦うことから逃げ
閉じた暗闇の世界で光を探しては
また目を背ける。
そうすることが自己防衛だと自分を肯定し
永遠に隠れ彷徨う。
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震災、拉致、乱れる国会、少女殺害、テロ爆発
一時は世界に衝撃を与えたことも
流れに埋没し、忘れ去られていく。
一秒単位でドル値が変わる世界、
昨日と今日ではガソリンの値段も違う。
キミの気持ちもどこへやら。
見たもの感じたものを
しっかりと留める間も無く、また流れてく
大量で高速な情報の大海原。
傷ついたココロだけが取り残され、
世界は無表情に進んでいく。
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蛇口をひねれば
誰かが止めてくれるまで
水は出続けるように
表面張力、コップの水は
誰かの1滴ですぐに溢れるように
何も考えずに蛇口をひねれば
いいのかもしれないけれど
困る誰かがいるかもしれない
そう思うと踏みとどまるしかないんだ。
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空席がない電車の中
腰の曲がったおばぁちゃんが
電車に揺られながら必死に立っているとき
何人のひとがどうぞと言えるだろう。
何十人もの人が行き交う大きい交差点
お腹が痛い、と
うずくまる人がいたとき
何人のひとが声をかけるだろう。
誰かが救いを求めているとき
私はその人を助けることができるだろうか。
誰かがするだろう、そう思って
目を背けてはいないだろうか。
救える苦しみ、迷い、そして命を
私は平然と見過ごしているのではないだろうか。
たくさんの人がいるからこそ
それだけの人を救うことができるはずなのに
たくさんの人がいることで
たくさんの人が困っている。
グッと下唇を噛むことしか
できないわたしは、
結局、偽善者だ。
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何事からも一線引いて
深入りせず固執とは無縁に、ただ淡々と。
未来永劫続くことなんて無い。
そう生きている私は冷淡に見えるらしい。
傷つかないための自己防衛は
また自分を殻に閉じ込める。
未来永劫に続くことなんて無い
そう言いつつも
未来永劫続くものを求めて
古傷をずっと見つめているわたしは
過去に生きているだけなんだ。
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望まれるままに、受け入れるとき
暗闇が、心のままの無表情を包み込む。
体温が上昇していく中で
心はさらに凍ってく。
あなたが私に向ける本物の愛は
私を偽りで塗り固め、縛る。
ふと蘇る、暖かい優しい思い出だけが
私を優しく生かし
そしてまた、過去に依存する。
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ふとした瞬間に
そう、例えば金木犀の香りなんかで
思いだすことがある。
同じ場所で待っていたら君は来るのかな。
そんなことを思いながら、
冷たい風に吹かれる落ち葉のように
淡々と前へ。
風に逆らって、
また夏に戻せませんか?
なんて言ってみたら季節は変わるのかな。
芯から凍るようなあの寒い日に
戻ってしまいそうで言えないんだけれど
金木犀は良い香り、
君にとってはそれだけなんだろうな
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大事に描こうとしていた絵が
途中で描けなくなってしまった。
消しゴムで消してはみたものの
うっすら線がのこってる。
いつの日か見えなくなるまで
全て覆う絵が描けるかな。
どんな絵を描いても
初めの絵がちらついて
比べて、また線をなぞって。
新しいものだけが勇気じゃないけど
新しいものを、と
また、ただただ描き重ねた絵は