詩人:柚 | [投票][編集] |
僕は毎朝ひと気のない通りで
歌いながら歩く
人が向こうから来ないか
ドキドキしながら
青空の雲に届くようにと
目を細めて歌えば
道の端に咲く野の花に出会った
梅の花に見とれて
ゆっくりと歩けば
昨夜の夜露でぬかるんだ道に
足をすべらせた
ドジだなあと自分を笑う僕を見て
ランドセルを背負った小さな女の子が
にこりと笑った
僕は少しはにかみながら
おはようと言った
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一番こわいのは
求めている自分だった
そのキレイな指と
この指を絡めたい
優しく抱きしめて
愛を囁きたい
歯が浮く程の甘い言葉を
あなたに送りたい
どんな形でもいい
あなたが笑顔になれるように
僕はこの気持ちを
目一杯伝えたい
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捨てられないものがここに
ふたつ
大切な大切なものがここに
ふたつ
手放せないほどに愛してるものがここに
ふたつ
どちらか選べといわれたら
僕はどうするんだろう
ちょっとだけ
こわくなる
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大好きだと伝えられた幼い頃
あんなにも心からの笑顔
もうできないかもしれない
紅色の頬とくしゃってなった顔が
今じゃもう恥ずかしくて
白い花で作った冠に
草の香りの手
そっと頭にのせて
川原を思い切り駆けたっけ
ためらわず手を握り合って
好きだよと言えた頃
あんなにも
素直だった頃
僕はきっと大人になってしまったんだね
大切なことを忘れていた
ほんの少し
ほんの少し素直になること
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自分がなにを求めているかなんて
わかるはずなかった
だってほら
自分の中はからっぽで
涙が出るほどに
なにもわからなくなっている
飾りたい自分と
そのままでいたい自分と
揺れ動く狭間で
僕はもうすべてを見失った気がする
青すぎる空が憎い
そんな僕の 汚いトコロ
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空と海に架かる虹の橋
その橋の元には
幸せが埋まっているんだって
幼い僕は必死に虹を追いかけたけど
見つける前に
いつも虹は消えてしまったんだ
結局は手に入れられないものなのかなって
泣きそうになってのを覚えている
転んで泥だらけになって
すりむいた膝が
ひりひりと痛むのを覚えている
今やっと
僕は思えるようになったんだ
懐かしい日々に浸るようになって
わかったんだよ
追いかけていた希望は
とてもキラキラしていて
それがあの頃求めていた
一番の"しあわせ"だったんだ
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今まで興味なかったものが
急に輝いて見えた
私も って思った
少しでも
あの人と"同じ"になりたいから
いっぱい
いっぱい話したいから
楽しそうな
あなたが見たいから
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疲れたなと思いながら
冷たい風に身をまかせ
駅のホームに立つ
もう桜のつぼみもふくらんでいるのに
自動販売機の
"あったかい"コーヒー
でも電車があと5分で来るから
思い描くだけ
ふと辺りをみまわせば
もう夕暮れなんだね
オレンジの優しい光が
僕の胸のところを包んで
思わず微笑んでしまう
そんな太陽に大きな群青色の雲がかかって
海と空がひっくり返ってしまったよう
僕はケータイに納めたくて
人目を気にせず夕暮れを撮ろうとしたけれど
心のレンズで写した
そのままの景色の方が
100倍もキレイに感じて
誰にも気付かれないように
胸の奥の写真家にお願いした
いつの日かまた思い出せるように
丁度来た電車に乗って
僕はずっと
ずっと外を見ていた
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僕はケータイが大嫌いだ
だって君からの連絡を
期待してしまうから
僕はケータイが大好きだ
だって君からとの連絡の
一番簡単な方法だから
写真は僕を切ない気持ちでいっぱいにするし
過去のメールは愛しい気持ちに
アドレスブックの名前は
嬉しさを感じさせる
どうかお願い
今送るこのメールに
返信がきますように