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先日
鼻唄を歌いながら
みずから巻いた種が
わがままな
花を咲かす。
/
片隅にある脳内の花壇に
分厚い壁で不穏な風を囲い
大切に大切に
放置しておく
するとドス黒い芽を出し
ひねくれた双葉がお目見え
その気持ちの悪い風体に
吐き気をもよおせば
腐る感情を養分にして
またヒョロリと背を伸ばす
何かがブチッ!と響く瞬間
ニッコリと大きな花が咲く
お花畑が出来る前に
ほんの僅かな勇気を絞り
お天ト様を
少し浴びたら
気味の悪い大きな花は
僕の顔色を伺いながら
恨めしそうに
静かに枯れた。
だが
この花は
僕の心の中に
深く深く根を
下ろしたまま
何度でも
咲こうとする。
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-お鼻のお話し-
小枝を振り回しながら仲良し三人組は意気揚々と花道をカッポする。だが造園業で働く鼻息の荒い小僧はペットの小象が捨てたバナナの皮に足を取られて鼻っ柱を折る。負けん気の強い小僧は仲間に大笑いされるも、すかさず立ち上がり三匹のこぶらの話を得意気にホラを吹く。話しをフラれた天狗が知ったかぶりでまさかの返答。真っ赤になりながらも自慢のうちわを振りながら鼻高々に小僧の話しに喰いついていた。黙って見ていたピノキオだが次第に笑いが込み上げ片腹がよじれる事態に。すると笑いコケ回るピノキオの鼻がのびのびとのびた。彼らはこの状況を一呼吸入れ、全員で見つめ合い、指を指し腹を抱えながら笑いあった。
それは
清々しい
ある
秋晴れの
日のこと。
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平日のお昼に
都会の風を
掻き分けて
口笛を吹きながら
渡り歩く強がりを
電線から
見下ろす
黒い輩‥
ゆるーく
ぬるぅーい生き方に
アホー?と
鳴かれて
みたけれど
世間様の
目は白い
ままです。
拝啓、母上様。
ご無沙汰しております
お元気でしょうか
ふかす煙を
投げ捨てて
路地に湧き立つ
蚊柱を払いのけ
あたりめを
噛みながら脇道へと
いつもの公園の
角のベンチへ
魚にエサを‥
あのぉ〜
母上様、
公園のお魚は
バーチャルで
餌の一粒一粒
四円なんです。
この魚
よく
食べるんです。
ありがね全部
食べるんです。
癒される
つもりが‥
おッ!
目の前を
魚が群れで
通過してゆく!
やっとかよ‥
え?
なにこの展開
あらら‥
だめだこりゃ。
熱くなれば
奈落の底へ
近所には画廊も
あるんですがね、
絵を見るのにも
お金が掛かるんです‥。
かに道楽は
夢の又夢
泡と消え‥。о◯
母上様
オケラで
ございます。
財布の中は
からっ風‥
やはり世間様は
冷とうございます。
あぁ
せちがらい
世の中に
なりました
それとですね、
先日送って頂いたお野菜、
とても美味しかったです。
ありがとうございました
あとお体、
大切にしてくださいね。
では
このへんで‥
敬具。
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小学校からの帰り道
脇道にそれ
しゃがみこむ
一人で帰るランドセル
みんなの背中を
追いかけた徒競走。
がむしゃらに
もがいても
あがいても
追いつけなくて
息ができない‥
/
べったりと張り付く
あの感覚が
今も
僕をだめにする
のしかかる悪夢に
押し潰されそうで
それが突然沸き上がる時
不意に目を固くつぶる
そして
黒い太陽が昇り
息ができない‥
息ができぬまま
生きをする
長い
トンネルへと
また
墜ちてゆく
そぅ
あの日
独りで帰る
ランドセルのように‥
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いらっしゃいませお客様。
こちらは
RGコーポレーションです。
現在
貴方様自身、老後に不安を
お持ちなんですね?
ではこちらの商品を
ご紹介させて戴きます。
介護体験ロボTH2050型。これはあらゆる介護形態を疑似体験する為のロボット。この型はランクS規格で身の丈160センチ、50キロ。完全自律型マルチ仕様になります。まずは貴方様の生年月日とDNAを入力して戴きます。後はコンピューター解析の後、ロボットが未来の身体状況を予測し実演します。この一枚のチップに要介護パターン、約五百ものデータが打ち込まれていますので体験したい介護形態もすぐにチョイスする事ができます。勿論、身体的障害設定も可能で全ての間接より取り外しが可能。後はロボットが自動的にアクションを起こすというものです。歩行動力はゼンマイ仕掛けで至ってアナログなんですよ、(笑)。肌の質は最先端をいくラバーを使用しており、お年寄りの肌質を表現したいのなら電力を緩め、程よい垂みを‥。また、若い方の肌にしたいのなら電気的刺激を上げ、ラバーに張りを持たせます。ボディは、とても繊細ですのでやはり過度な圧力にはめっぽう弱く張り巡らされたセンサーが痛みとして感知します。そしてそれらの情報は顔の表情や行動へと瞬時に反映されます。食事も可能で排泄物は醗酵の後、肥料にお使い戴けます。お年寄り自動モードでは真昼は縁側でうたた寝をしがてら太陽エネルギーを猛チャージしたり、深夜2時に起動し徘徊しながらわめいたりとファジーでクレイジーなお年寄りを体感出来ます。なを販売価格は365万円と少々お高めですが‥。
こりゃスゴイな‥
生年月日と髪の毛で
将来の俺を
シュミレーション?
まず自分を
介護してみるのか‥
こいつのケツには
俺と同じ場所に
ホクロまで再現が‥
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カラン
カラ〜ン♪
いらっしゃ〜い^^
ここは
小さな波止場の
小さなお店。
客)
カタツムリは言いました。
ねぇ、ナメクジママぁ
そろそろ家買わないの?
そぅね
明日にでも
見に行こうかしら‥
客)
ヤドカリが言いました。
おいらの家なんて
どうだい?
いゃよ そんな家‥
それ借家でしょ?
い‥ いや〜ぁ?
しかも借家で
そんな家ぇ〜?
じゃあママ、
立派な物件
紹介してあげるよ
ほら海ん中、
あそこに見えるよね?
サザエさんち‥
立派だろぉ〜♪
今、格安で売りにだしてる
みたいだから見ておいでよ
ママ)
そうよ、
あたしには
あれくらい
豪華でないと
だめよね。
じゃあ
見てくる、
チャポン♪
※)
たまたま現れた
タイくんが
パクリッ!!
ん?
なんかへんな
味がしたな
今のミミズ‥。
それを見ていた
ヤドカリが言いました。
ざまぁ〜(-_-)
みさらせ‥ww
おしまい。
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流れる程に美しく
朽ちゆけるからこそ
愛おしい‥。
魅力溢れる光景に
押さえ切れない衝動と
手に得られない欲望が
はがゆくも
もどかしい
感情を生む。
ただいたずらに激しく
揺さ振られた呼吸は乱れ
壁の隅から
鋭い視線へ
形を変えて
君の流動的な動線を
デジタルカメラで
捕まえたんだ。
何気のない一枚に
足止めを喰らうのは
その先も後もない
飲み込まれた瞬間で
異空間へと抜き取られ
四角い部屋へと固められ
机の上に飾られたのさ‥。
僕には冷たいコーヒーを
君には熱い視線を注ぎ
観賞する満足は
一方的な純愛で
屈折するプリズムの様に。
解放なんて
しないから‥
君の瞳は沈黙のままでしか
語るより手立てを知らず
ガクの中で微笑むだけで
自由なんてあるはずもなく
でも
ただ一つ言える事は
君の遠い先には自由が
セピア色さえ
色を失うという
永遠ではない
詩ナリオが
用意されているから‥。
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今
不ケーキの蝋燭に
炎は燃え上がる
/
混迷極むるこの世の渕を
杖をつきつさ迷ひ歩き
心や折れて這いずるもなを
生かされず殺されぬのなら
この身はか細き虫ケラの如
しようのないゆえ
とぼとぼ行けば
その
生きうる様に指をさし
笑ふる者さえ現はれん
時、流るるままに
身を委ねれば
目に見えて
転がり堕ちて
行くばかりかな
嫌なら流れに逆らひて
グイグイ昇る魚とならん
いつ辿り
着くやも
知れぬ路
拾らうのは
誰かが落とした
夢と希望ばかりなり
踏ん張りて踏ん張りて
この手に幸を掴む為
ちろちろ流ルル源泉を
独り占めをしてはみぬか
金をたんまり掴むまで
至福をにんまり肥やすまで
小脇に囲う蜜壷に
溢れイ出たる甘き汁
群がる蟻を払いのけ
ガハハと笑う日も来るさ
情けとは
迄う者に恵むは易し
為なる事など何一つなし
だがその道は険しくて
深々しい樹海のやう
泣き言連れづれ
己を信じて手探りで
さ迷い歩むイ薔薇の道を
ユラユラ灯る蝋燭の火と
こそりと立ち入る森の中
この身に纏うは闇の闇
恐る恐ると交わす枝々
身を沈めつつ進む先
目指す所のその奥の奥
捜し当てたる湖の
湧き上がりくる深水を
両の手に救い上げ
満月を浮かべて
飲み干したなら
息を殺して見据える主が
また一人救われたのかと
ぽつり呟く
幸福を呼ぶ鳥
その名は不苦労。
/
ホホーぅ
よく来たな‥
お前さんの右肩に
とまってやるよ
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楽しみにしてた
七月の週末。
ひとしきりふる雨
もういいから‥
そろそろやもうよ
しとしとと
泣きごとばかりじゃ
とても
つまんない‥
屋外バーベキュー
わたしのつくる
ヤキソバに‥雨
はぁ?(0
どこ見てんの?
ヤキソバ取りながら
上から胸元ぉ?
あァ〜
いやらしい
そんな目であたしを
ガァツリ見ないでよね
あんたの視線に
さむけがしたわ
ッたく‥
‥ヤレヤレ‥
ナンニモミテネー
ジャンカヨ‥
え゛ぇ?
何ゆってんの?
ブツブツ
気持ち悪いわね
言いたい事があるなら
ハッキリ言いなさいよ!
はいはい、
たまたまだよ
たまたまぁ〜(-o-)
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憂鬱ね、
くるものが
こないと‥
とても不安で
イライラするわ
ふさぎ込んでも
仕方のないこと
いつもそう
しなけりゃ
いいのに‥
後悔だけよ
随分と
勝手よね
貴方はいいわよ
いつも簡単に
出せば済むでしょ?
あたしはいつも
気持ちを
込めてするのよ
だから
じらされ
待たされると
不安になるの‥
そして
我慢出来なくて
またしてしまう
そんな時は
自分が嫌になるわ
ちっともこない
貴方からの
メールに
今日も憂鬱よ‥