詩人:老女と口紅。 | [投票][得票][編集] |
平日のお昼に
都会の風を
掻き分けて
口笛を吹きながら
渡り歩く強がりを
電線から
見下ろす
黒い輩‥
ゆるーく
ぬるぅーい生き方に
アホー?と
鳴かれて
みたけれど
世間様の
目は白い
ままです。
拝啓、母上様。
ご無沙汰しております
お元気でしょうか
ふかす煙を
投げ捨てて
路地に湧き立つ
蚊柱を払いのけ
あたりめを
噛みながら脇道へと
いつもの公園の
角のベンチへ
魚にエサを‥
あのぉ〜
母上様、
公園のお魚は
バーチャルで
餌の一粒一粒
四円なんです。
この魚
よく
食べるんです。
ありがね全部
食べるんです。
癒される
つもりが‥
おッ!
目の前を
魚が群れで
通過してゆく!
やっとかよ‥
え?
なにこの展開
あらら‥
だめだこりゃ。
熱くなれば
奈落の底へ
近所には画廊も
あるんですがね、
絵を見るのにも
お金が掛かるんです‥。
かに道楽は
夢の又夢
泡と消え‥。о◯
母上様
オケラで
ございます。
財布の中は
からっ風‥
やはり世間様は
冷とうございます。
あぁ
せちがらい
世の中に
なりました
それとですね、
先日送って頂いたお野菜、
とても美味しかったです。
ありがとうございました
あとお体、
大切にしてくださいね。
では
このへんで‥
敬具。