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遥 カズナの部屋  〜 投稿順表示 〜


[42] お爺
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深海にある伝説の貝には


そこへたどり着く者に


一番大切な物を包んで待っていると言う


鮫達があざ笑う中


僕は


岬の崖から飛び込んだ


僕は鯨よりも息が長いのだけれど


理由が無くて


今迄 深くは潜らずにいただけなんだ


難破船をかすめ


珊瑚の産卵を擦り抜け


深く 深く 下りて行く…


今なら帰れる迄 息は続くけれど


お爺が死んでから


僕の帰りを待つ人はいない


もう光りも届かない程 下りて来た


人魚達も泣いている


だけど僕は信じている


お爺が


その貝の話しをしてくれたのだから

2006/12/07 (Thu)

[43] 光りと闇
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外を眺めている


風のように擦り抜けた日々に


数え切れない光りと闇の


取り留めも無い繰り返しがある


青臭くすねた頃を


良いとも悪いとも思わない


「全ては取り留めも無い」


それが分かった


次は何に気が付くだろう…

2005/09/11 (Sun)

[45] 
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朝の


純粋にろ過された大気の中


黄金色の雲を背に


風を翼いっぱいに受けながら


漂う


羽毛の毛細と瞬く日の閃光が弾かれながら微笑み合う


光合成し終えたばかりの緑の吐息が全身を洗いしだく


風に乾燥しそうな眼を潤ませながら何となく笑った

2005/09/13 (Tue)

[46] 僕の詩
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ほら僕はこんなに難しくて難しい

大変で大変で大変な悩みと朝から晩迄、土俵の上で

パタパタ、パタパタ

紙相撲してる

これじゃあまるで

オママゴト

これじゃあまるで

よそ行きの服

お子様ランチのてっぺんに
立派な旗が立っただけさ…

2005/09/15 (Thu)

[49] 恋愛詩
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ミカ…


恋愛詩なんてくだらないよ


この詩がつまらないのは


僕がつまらない男だからさ


ミカ…


君を幸せにしたくなった時から


詩なんてどうでもよくなって


恋愛詩ばかり


書いている


ミカ…


僕はつまらない男さ


恋愛詩を君に書いている

2005/09/16 (Fri)

[50] 聖者
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辛い程に


人は浄化される…


だから


楽園に聖者は生まれない


全てか安楽へと集約してゆくこの世界に


限り無く


聖者の居ない無い


地獄が


出現する

2005/09/17 (Sat)

[51] 潮騒
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拾った貝を耳にあてて



海の記憶を聞く…



遠くで雷鳴



夕立の香り



濡れた髪を



タオルで優しく拭いながら



潮騒を思う…。

2005/09/18 (Sun)

[53] 祈る
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どうか何か もう苦く無いものを

せめて ささやかな安らぎを




腰抜けと呼ばれても構いわしないから

どうかただ ただ無事な日々を




哲学や教養 学識や偏見

辛辣な舌から逃れて

ただ ただ

日々の慰めとなる詩を

命の糧となる詩を




私の分の恵みがとり分けられていて

もしも許されているのなら

どうか賜りますように…

2006/03/13 (Mon)

[54] ラジコン飛行機と馬鹿
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受け入れられる事と


やりたい事を取り違えてしまった…


やらなければならない事と


やりたい事を交換してしまっていた…


子供の頃…


あんなに


ラジコン飛行機が欲しかったのに


理由を思い出そうとしても思い出せ無い


理由とか言葉等…無意味な程


ただただ欲しくて欲しくて欲しかったのだ…


夢中になるとはそう言う事さ


理由なんて下らない


俺は心から馬鹿でいたい。

2005/09/29 (Thu)

[55] 海中道路
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路面に雨音のような余韻を残し

真夜中の海中道路を

緩やかなスピードで過ぎ去る…

沖に取り残されて浮かび上がった

長くて遠いリーフのようなこの道で

水平線をたどる…

白く伸びた灯台の明かりは

暗い空と海の境目を探すように彼方へと旋回して行く…

その向こうには

島影を忘れた

小さな街明かり達が

ちぎれたネクレスの七色の光りの粒となって

横へそっとちらばっている…

ラジオからのメロディーは奇跡のような選曲で景色と溶け合い

人生が『物語』なのだと教えてくれた




「I'm Not In Love…」




誰も知らない

僕の物語

2006/05/10 (Wed)
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