詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
ありがとうございます
いつも
本当に感謝していて
伝えたい言葉に何の価値があるのか
わからないくらいに
詩ね
お前の血の匂いがぶち巻かれ
犬なんて鎖で繋がれて
かわいそう
パトラッシュ
僕は眠いんだ
ルーベンスみたいな
キリスト教徒みたいには
慣れそうにもない
乾いた絵の具
ひつ濃くて
無慈悲な私
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暑かった頃
優雅な星星の瞬きに
覚まされながら
股間の疼きに
どうにもさいなまれ
ラッカー塗装の香りとプラモデル
走り書きさ
そんなあざとらしさ
痛みの位置がどこであろうと
言い訳の許されない
恥ずかしさ
まわるい地球
まわるい私
この
せちがらさ
どこか
謝ってすむ事なら
どんなにか
幸せだろう
記憶の宇宙を駆け巡る
わざとらしい
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爆竹で
遊べたころ
俺はしこたま
蟻塚に爆竹を押し込み
吹っ飛ばした
夕飯の匂いが、どこの家からもして
蟻になんの恨みもないのに
やり抜た満足感が夕飯と火薬やら
蟻達の死骸とばらけ
足元にさらけだされていた
もう暗くなりかけの
夕闇を背に
我が家の扉を開くと
もう今は無き母が台所で何かしらしていて
記憶と言うものは
なんとせつないものかと
つくづく思う
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ウォルト・ディズニーの
ミッキーマウスの夢のような
地球からは見えない月の裏側で
ミニーマウスと優しいキスがしたい
カンボジアでは
裕福そうな外国人に
家族を養うため
自分を買うように懇願され
少女が足元に泣き崩れた
ルーベンスの絵画の前で
フランダースの犬のみたいに
小さな天使達に囲まれながら
パトラッシュを暖かく抱きしめたい
小さな残酷の欠片
可愛らしい捨て猫に
指先を舐められたら
ザラザラした舌先の感触がありのまま
痛みが残った
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誰かが
「あなたの為」だと語りかけた
クサムシがちょこちょこと
腕立て伏せをする手のひらの横を通り過ぎる
「何の為にこんな無駄な事をするのか」
柳の枝がやんわりと垂れかかるそばを走り抜ける
モンハンはやり込んでるから
そこそこ強いはずがオンラインでたいがい誰かに迷惑をかける
「何の為にこんな無駄な事をするのか」
俺がやりたいからに他ならない
嫁がパート先でパワハラを受けて退職を考えいると話してくれた
誰の為の「あなたの為」なのか
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この性格が手伝って
思うより随分独りよがりな年齢に
成り果てて、いや、つまらないね
ゴメンね
昨日も傷つけて今日も
こんな俺は
毎朝新聞配達
「手続きが必要ですね」
係員がやってくる
「お頭がお悪いお方々にはお薬をお与えさしあげております」
漫画読めよ
「北極の拳」とか
「ドラエモボール」とか
「ツーピース」とか
最高だよ
55の兄貴は昨年親父に先立たれて
ニート卒業後
電気代が払えなくても働きたくないから
電気切られた。
句読点さ、ぜんぜん丸じゃないから
なんにもない
美しい月夜の海原に
イルカが飛び跳ねる
まだうす暗い朝日の届かない路地で
新聞配達をする
明後日も
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水平線から
朝日と夕日を
あたりまえに見える
小さな島に住んでいる
人の
どんなシャンデリアやステンドグラスの名工でも
あの荘厳で慎ましやかな
始まりと終わりの光のスペクトルの調合を
世界中にばら撒く事など出来はしない
どこまでも広がる
青い空と
青い海と
その境目にある
小さな島
自分が汚れてしまっているから
美しいものがより美しく
見えてしまうのか
そんなわけない
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まとまるか
問いかけてはならない
なら
詩ね
という意味か
我が家は
四階建てのマンションの四階
そして
嫁はもう少し働ける時間を増やすと話した
これは
新しい物語
フランダースの犬みたいに
俺はなるのか