詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
便秘気味
トイレットペーパーが
痛い
まだ終われない
このままではいたたまれない
なにもかもいやだ
花壇のカタツムリを一つ残らず
殺してしまう
いや、犯罪者なんかには
なりたい話しではないから
安心して欲しい
夢がある
仕事を
極めたいのだ
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
社長の娘婿が私の部署で幅を利かせはじめ
何かと折り合いがつかなかった日々
それどころか
社長が入社させた旧友の高齢者の面倒見すらあり
そんな数年
少しづつまいてきた種がようやく芽吹き
部署移動
繋がれた煉獄の日々
もう2ヶ月したら口笛だ
いや
モンハンもいい
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
蝶々の羽が
車道に落ちて
風にたなびいている
昨晩は夜中に大雨
雷鳴すら轟いていたと言うのに
悲しみが終わったような
無垢な青空に残骸のような
そんな雲がゆうゆうと
誰の期待にも頷いている
これは
生と死の狭間なのか
そう書いたら残酷なのだろうか
朝日に映える蝶の羽
鱗粉が清々しさへふりまかれ
やすやすと悲しみを
置いてきぼりにしていく
この身体の隅々まで
恐縮する
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
なにをされているんですか
みてわかりませんか
釣りです
何がつれますか
まだ何も釣れていませんから
わかりません
何も釣れていなくて
どうして釣りをされているんですか
質問が多い方ですね
何か釣れるかもと考えて
釣りをしているのです
もう一つだけ質問させてください
楽しいですか
釣れなければ
楽しくはありません
でも
やめる理由もないのです
この本屋は立ち読み禁止
ウェイパーをふりかけて
文脈をそれて
ふりかえる
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
さいのめはふたつ
どうぶつえん
ぶたないよ
さいころをふろう
そんなふたり
さいのめはいくつ
いかさまは
ふらないでね
さいころされて
たとえそんでも
さいのめはみてた
あがらない
あまぞら
すごろく
そんなふたり
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
君はあの虹を見たか
大切なことは
あまりにもないがしろにされて
わかりにくくなってしまった
赤ちゃんを抱えて
優しく歩こう
君は嬉しいだろうか
問いかけてはならないと
僕は苦しんできた
一つだけではない
美しい虹色のそれぞれが
いくつも
いくつもひろがっていて
一つだけの
ちいさな虹色が
君の頬に触れて
そっと弾ける
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
ジムニーが欲しい
ランクルとかエクストレイル
デリカなんか到底手がでない
男の子みたいな性分が
まだ、胸の奥底で這い上がろうと
高低差を感じているうちに
どこかに行きたい
なにかやりたいのに
なにもやりたく
ならなくなりたくない
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
幸せ
書いた事が
直ぐに誰かに読んで貰える幸せ
新しい誰しも
幸せになれる幸せ
だれもいらない幸せ
だれにも分からない幸せ
そして
もうこれ以上は
わかりきった
言葉の繰り返しが
もう幸せとして書いては
嫌悪される幸せ
そうして
また
よみかえされる幸せ
もう苦痛の幸せが
幸せな
幸せと幸せに幸せ
幸せが幸せ
幸せ
まだ年端もいかない柔な骨格の隅に
打たれた痛みを感じ
もうはち切れてしまった心の切れ端の一つ一つを拾い集め、覆いかぶさるように全身で包んでいた
けれど風が可哀想に吹きすさむ
また何もかもが飛び散り
痛みも忘れるしかない
全てを拾いあつめるしかない
忘れるしか救われない
救われない
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
オレンジのマウンテンパーカーを好んで着ている
アウトドアの雰囲気もあるし
なにか消防やレスキューみたいなイメージもある
猟銃を構えた
ロバートデニーロが演じた
映画ディアハンターではオレンジのマウンテンパーカーを着込んでいた
釣りの浮きにもオレンジはよく使われる
水面で自然に目立つ色合いなのだろう
会社の社長の娘婿が入社して
自分の部所に配属されてから
何かと折合いがつかない
会社ではだいぶ無口になった
太鼓持ちな連中と反対方角に歩むから
本当の弱さも手伝ってか
随分とみじめになりそうになる
ものごころと呼ばれる何かが始まった頃から
何故自分が人と違う方角を好むのかが
いまだによくわからない
朝の出勤
オレンジのマウンテンパーカーに袖を通す
今どき少し目立つ色合いなのだろうけど
たまらなく好きだ