| 詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
この性格が手伝って
思うより随分独りよがりな年齢に
成り果てて、いや、つまらないね
ゴメンね
昨日も傷つけて今日も
こんな俺は
毎朝新聞配達
「手続きが必要ですね」
係員がやってくる
「お頭がお悪いお方々にはお薬をお与えさしあげております」
漫画読めよ
「北極の拳」とか
「ドラエモボール」とか
「ツーピース」とか
最高だよ
55の兄貴は昨年親父に先立たれて
ニート卒業後
電気代が払えなくても働きたくないから
電気切られた。
句読点さ、ぜんぜん丸じゃないから
なんにもない
美しい月夜の海原に
イルカが飛び跳ねる
まだうす暗い朝日の届かない路地で
新聞配達をする
明後日も
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水平線から
朝日と夕日を
あたりまえに見える
小さな島に住んでいる
人の
どんなシャンデリアやステンドグラスの名工でも
あの荘厳で慎ましやかな
始まりと終わりの光のスペクトルの調合を
世界中にばら撒く事など出来はしない
どこまでも広がる
青い空と
青い海と
その境目にある
小さな島
自分が汚れてしまっているから
美しいものがより美しく
見えてしまうのか
そんなわけない
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まとまるか
問いかけてはならない
なら
詩ね
という意味か
我が家は
四階建てのマンションの四階
そして
嫁はもう少し働ける時間を増やすと話した
これは
新しい物語
フランダースの犬みたいに
俺はなるのか
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便秘気味
トイレットペーパーが
痛い
まだ終われない
このままではいたたまれない
なにもかもいやだ
花壇のカタツムリを一つ残らず
殺してしまう
いや、犯罪者なんかには
なりたい話しではないから
安心して欲しい
夢がある
仕事を
極めたいのだ
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社長の娘婿が私の部署で幅を利かせはじめ
何かと折り合いがつかなかった日々
それどころか
社長が入社させた旧友の高齢者の面倒見すらあり
そんな数年
少しづつまいてきた種がようやく芽吹き
部署移動
繋がれた煉獄の日々
もう2ヶ月したら口笛だ
いや
モンハンもいい
| 詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
蝶々の羽が
車道に落ちて
風にたなびいている
昨晩は夜中に大雨
雷鳴すら轟いていたと言うのに
悲しみが終わったような
無垢な青空に残骸のような
そんな雲がゆうゆうと
誰の期待にも頷いている
これは
生と死の狭間なのか
そう書いたら残酷なのだろうか
朝日に映える蝶の羽
鱗粉が清々しさへふりまかれ
やすやすと悲しみを
置いてきぼりにしていく
この身体の隅々まで
恐縮する
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なにをされているんですか
みてわかりませんか
釣りです
何がつれますか
まだ何も釣れていませんから
わかりません
何も釣れていなくて
どうして釣りをされているんですか
質問が多い方ですね
何か釣れるかもと考えて
釣りをしているのです
もう一つだけ質問させてください
楽しいですか
釣れなければ
楽しくはありません
でも
やめる理由もないのです
この本屋は立ち読み禁止
ウェイパーをふりかけて
文脈をそれて
ふりかえる