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遥 カズナの部屋  〜 新着順表示 〜


[215] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

蝸牛たちには
待ち遠しい曇り空の頃

のろまな願いが

薄い殻の中

水が
耳の中、いっぱいに流れ込むと
鼓膜の外側と内側の
音の際目を探し
心臓の鼓動と
今はまだ遠い
水滴の弾ける音と
ずれあいながら
調和していく

真っ白い山羊が
草原で草を食んでいる

明日はきっと、雨

2016/05/15 (Sun)

[214] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

気圧が高いほうから
低いほうへ
気がつかないままに吹き

言葉なんて心
空っぽして
休まずに
やすまれ

そして、泣け

2016/05/09 (Mon)

[213] 黄色い気持ち
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そこに菜の花の一輪を置いて来た
そうして歩いて、歩いて、歩いて
振りかえってみると
何もかもが
その一輪を
そっと置いた日から躍動し始めていた
海の白波よりもはっきりと
出逢いと別れの
一つ一つが
みなこちらに向かって手を振っている

そうした景色に
ブランコを引っ掛け
いつまでも
貧乏揺すりをするようにブラブラと眺めいると
もっと勢いよくブランコを漕いで
飛び降りて
どこまで飛べるのか
確かめたくなっていた

きっと
あの日を置いた菜の花の境目を越えられる
そんな気がして


2016/04/24 (Sun)

[212] 10年
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天気予報じゃ
午前中までどしゃ降りの雨の筈だった

「向こう側の交差点からここの前を通りが出来上がりますし
小学校迄なら歩いて10分程です…。」

不動産屋の話しを聞かされた
中古マンションの四階の窓辺から見えるのは
数台のパワーショベルが
町並みの所々を虫食のように住宅の取り壊しをすすめている様子だった
すぐにでも道路ができあがりそうな物言いだったのに
もうあれから随分たっていた

朝日の中
雨上がりの水溜まりから
犬が水を舐めているのだが
よく見ると首輪に鎖をひきずっていて
その端にまた首輪があって
ボロボロの犬の頭らしきものが繋がれ
時折、臭いを嗅ぐようにしながら亡骸を舐めたりしていた

亜熱帯地方特有の気候の気紛れさに
気象台は予報なんて宿題に
鉛筆の先が折れるような心持ちで
キーボードのキーを打ち込んでいるのかもしれない

乾き始めた
コンクリートの瓦礫へ向け
あたりに粉塵が振り撒かれないように絶えずホースで水をまく作業員

ズルズルと犬の首を引き摺りながら
あの犬はどこへ行ってしまったのだろう

なにも分からぬまま














10y

2016/04/17 (Sun)

[211] めんどくさい話し
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心のつまらない人に会う
知らない事を知っているように話す
上面の話しばかりで
へきえきする

この間
庭のはしっこで蛇を見つけた
茂みに逃げ込む前に捕まえてやったら
噛まれてさ
病院まで行って
痛いやら、めんどくさいやら
とにかく大変だった
そうして昨日
蛇の逃げ込もうとしていたあたりの茂みを刈ってたら
そこにあった蜂の巣に気がつかないで
蜂にも刺されてしまって
また、痛いやら、病院やら、めんどくさいやらで
難儀な一日だった
でもまあ
蛇を捕まえようともう少し蜂の巣の方へ近づいていたなら
同じ日に蛇に噛まれるは、蜂に刺されるはで
なおさら厄介な事になっていたかもしれないと思うと笑ってしまう
こんな話しの方がよっぽど面白いと
俺は思う

2016/02/13 (Sat)

[210] 新たに青臭く
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もうここへは戻れない
嘘をついた事が多すぎて
とりかえしのつかない


あてもない
ありきたりな


何にも
例えられたく無い
唯一ふりほどけて
誰もいない
朝もやの
砂浜で
ぼんやりと
座っていたい

何にも例えられず
何にもおびえず
ただ家族と友達と
仕事と女の事を
毎日、毎日
来る日も来る日も
考える

2016/01/17 (Sun)

[209] 入浴
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夜の浴室には
バスタブがあり
チャプチャプと水の中にある
なにもないような
いけないような
哀しみが
目を細めさせたがる

誰も知らない近さや遠さは
栓を抜いてさえしまえば
とりかえしのつかない
繰り返しへと吸い込まれ
もう指先を差し入れても
間に合いはしない

湿った手の甲で
唇を拭くように撫で
暗闇で呼吸を繰り返すだけだ

2015/12/30 (Wed)

[208] いつのまにか
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ほろほろと、途切れておくれ
何事も
私の馬鹿馬鹿しい弱さに
絡めとられる事なく
やすやすと

2015/11/29 (Sun)

[207] かろやか
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今日は仕事が休み
昼間からビールを買いに
近くのスーパーに歩いて行く
帰りがけに
住宅街に小さくたたずむ公園に
私の子供たちが
ボール蹴りをして遊んでいる姿が見えた
これでいいと
思った。

2015/11/23 (Mon)

[206] やりたい事
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本当にやりたい事がある
なんて幸せだろう
やりたくて、やりたくて、たまらない
やりたい事があるのだから

あの水平線の向こう側から
すべてを明らかにせずにはおけない
日射しが
物事の良し悪しをさらけ出しに
やってくる

さあ、見てくれ
なにもかも僕はやってきた
やりたい事をやってきた
どこへだしても
恥ずかしくないつもりだ
あとは
誰が勝手に思うがままでも

やりたいことをやる



2015/12/29 (Tue)
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