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遥 カズナの部屋  〜 新着順表示 〜


[397] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

外で雨が降っている
雨が外で降っている
風もいくらか吹いている

こんな夜に
ものうげに
雨が降ってる

雨だけが

ただただそれだけみたいに

雨が降っている

2025/01/31 (Fri)

[396] 詩と家族と俺
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

詩を描きたい気持ちは
出掛ける時に
似ている

詩を描きたい動機は
誰かを
消してしまいたい時に
似ている

詩を描きたい今は
なにもない
なにもない時に
似ている

夕凪が近い頃の釣り場は
しっかりと間抜けになってしまった俺に
「まだまだこんなところか」
みたいとかしか描けない
そんな風情と情緒がある
「そんなことはない」
みたいに竿を思いっきり沖へ振り
仕掛けを遠くへ投げようとすると
決まって、失敗してしまう

いや、そうだからと言っても
何が悪いわけでもないのだけれど
ほら、もうすぐ子供を塾の帰りの
迎えに行かねばならない
そうあるべきだし
そうしたい

これは、まだるっこいね
でもそれでもまだ
描きたいから

許しておくれ

2025/01/04 (Sat)

[395] ある夜の思惑
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自分なんてものは
最初から
いないのかもしれないし
いる事に
気がついたときにだけ
いるのだとしたならば
なにか思う理由が
あるだろうか

例えば
例えばが
例えようのない
どこにも似通うような
もののない
ありえるとか
ありえないとか
始まりすら
最初からなくて
そもそも
自分そのものこそが
言い訳でしかないのなら
何者にも例えられない
それぞれが
それぞれにきっと
神なのだろう

それらは
そうであって
そうでなくてはならず
そうでもなくてもならず
そうなのかもしれなく
そうなのだろうし
そうでいい
そもそもそれを
誰がいる

どこにもいないのなら


2024/12/31 (Tue)

[394] 作品
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いつもそうだ

描き始める気力が湧き始めると
まるで
水蒸気のような
最初の覇気が
散り散りにばらけそうな
そうなる寸前に必死で
細かな砂金を掬うように
命の核心を探すように
掻き集めて

いらないことはいらないこと
いらないことがいらないことば
そのことばかりのひたすらさにまた
いらないことばかりのいらなさに
そのことだらけのなのかのなか
ただただなかで

やっとひとひら

そうしてやっとそうこうして
ここにあるそらは
そう ここにある
もうどこにもない
ことのはのそらを

抓んでみせる


2024/12/08 (Sun)

[393] いいわけ
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俺は
どうにも釣りがヘタクソだ
釣りの詩ばかり書くから
そこそこくらいには
思われているのかもしれないし
そうでもないのかと思われてや
しないのかもしれないけれど
リアルに
確実くらいに
ヘタクソなんだ

それにしても
どうでもいいかもしれないが
俺にとっては
それがどうにもそうでもなくて

いや、ヘタクソなんだよ
一番近いのは
自暴自棄と書けば
分かりやすいだろうか
いやいや
ヤケクソでやってるわけではないし
一生懸命やっても釣れないから
ヘタクソの証明だろうけれど
それにしても
ようするに実際問題

釣れない

2024/11/30 (Sat)

[392] 釣り人
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海の釣り場で
風が吹きすさぶ日は
容赦なんてない
なおさら
人なんざ
いまさら

俺は
海が好きでしかたがない
抗えないないほどに

きっかけが
何処かの誰かのせいかは
分らないけれど
じゅんぐりと
分かっていくのだけは
独りよがりにすら
したくない

意味がわからない
そうだね、けれど
意味がわからない事ばかりじゃないか
理解されないので十分
だってだれのものにも
なりたくないし
だれもほしがりは
しないだろうし
突き離すつもりはないけど
のぼせあがりたくも
ないんだ

釣り場に来たけど
ちょうど、ほら
あの今日の風に吹きすさぶ
厄介な波しぶきのように
しかたのない
有り様でいい

2024/11/29 (Fri)

[391] 題目よりも短い詩
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生ききれ

2024/11/10 (Sun)

[390] 間際
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人生の意味について
考える時が
来るとしたなら

その時はきっと俺は

もう少し釣りをしたかったと

素直に思う事だろう

2024/11/10 (Sun)

[389] キャッチボール
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女は
愛されているという
自覚なしでは
生きられない

死にきれない

2024/11/10 (Sun)

[388] 今更
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いつの頃からか

仕事柄
普通の絆創膏では
直ぐに剥がれ落ちてしまうから
指先に痛みを感じたなら
テーピングをしている

作業の只中
絆創膏よりタフでも
薄汚れて
ヨレヨレのテーピングをした
指先を
よくよく眺めてみると
ゴツゴツとした
もう石鹸で洗おうが
どうしようが
爪から指紋の隅々にまでに
黒い煤の汚れが染み込んだ
右掌くんと、左掌くんは
断崖みたいに荒れすさみ
擦り切れそうな痛みを
和らげるためだけに
テーピングをしてやっているが
ついでに右掌の親指先生様は
ばね指で
もう手術するしかない

そう言えばと言えば
そうなのだが
「痛み」を
ただの「痛み」と
まだ感じとれるのは

不幸ではきっとない

2024/09/01 (Sun)
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