| 詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
たくさんの人の心の機微が
風のような出来事に
揺らされながら
ひしめき合い
わななき合っている
互いに翻弄されるがまま
そっとしていることも
そっとしておいてあげることも
どうにもならないままに
笑ったり、泣いたり
蔑んだり、敬られたり
命を絶ったり、永らえさせたり
こんな果てしのない
どうにもならない話しは
もういい
サトウキビは
とにかく硬い皮だけど
それより硬い歯で
やっと噛んで、引っ掻き裂くように
剥いてやると中に
甘い茎の部分があって
そこもやっぱり固くて仕方ないのだけれど
噛み締めると青臭い汁が出てきて
それがとにかく甘い
そんなサトウキビ畑の
ひしめき合う景色が
風に揺れている
しかるべき様子が
この心の拠り所
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たどりついた
このあたりが
どこの海だろうが
どうにもなりはしない
縄をにぎる
手のゆびさきが
こうもこごえているのは
きっと心臓から
遠くにあるからなのだろう
縄を結わえた
さびだらけの
なさけのない
いかりを
ゆっくりと
しずめていく
なにをしにここまで
やってきたのか
やってきたなら
やらざるをえない
やってこなくて
こうなっていたから
なさけのない
いかりをゆっくりと
しずめていく
やりばのない
このいかりを
ゆっくり
そっと
しずめていく
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やっとの休日
今朝は
釣りでは
全く釣れず
帰りに
遠回りまでして
買って帰った
嫁の誕生日ケーキは
彼女の口には
全く合わず
その後
家族四人でポーカーを
楽しむも
大惨敗
けれど
イライラするまえに
気がつけて良かった
幸せこそ
こうあって
しかるべき
ありようなら
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恥ずかしくはない
どうやら私は
しゃっちょこばってる
本当の意味はしらない
とにかく
しゃっちょこばってる
このまま
いつまでもいつまでも
しゃっちょこばる
いつも
おいてきぼりにしてしまって
ごめんね
振り返れないのは
悪い癖だ
それでもとか
どうにもとか
とかとか
しゃっちょこばってる
発音の響きがいい
しゃっちょこばってる
本当の意味はしらない
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英語の歌詞の和訳が
ぜんぜん自分の考えていた訳と
違う事がある
馬鹿みたいかな
英語なんて
まったくわからないのに
メロディーに駆られ
馬鹿みたいかな
勝手な物語に
焦がれてしまって
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下着に穴が空いている
誰に見られるわけもない
よれよれ具合いが
ちょうどいいあんばい
色や音にある
濁りや半音階みたいな
中途半端か
むしろ意固地な
わかりにくさが
あっていいように
すこんとぬけ
ボウフラと同じでいい
それと同等以下で
なんぼのもんさ
毎日、毎回
浮き上がっては呼吸して
また潜る
仕事しては帰って、食べては眠り
また仕事
穴の空いたパンツ履いて
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わすれないで
いてください
めのないものに
太陽のひかりを
つたへられたなら
どんなにか
こころよいだろうか
みみのないものの
りかいしている
せいじゃくを
理解できたなら
また、しかり
つらく、とおく、さむく
あつく、せまく、さみしく
ちせつで、あいまいで、ごうまんで
ざんこくで、むふんべつで
いこじで、たんらくてきで
あてどなく、よるべなく
はしたなく、いわかんだらけで
とるにたらず、しわくちゃで
うすよごれ、けたたましく
ずうずうしく、はじしらずで
あてずぽうで、おちつきがなく
あまりにもひつこくて
ついに、ひざからくずれおち
うずくまっていたとしても
ふみにじられて
たまるものか
うれしさ
かなしさ
に
のしをつけ
はなびらや
しおをまいて
ふところにしまい
あたためながらの
旅
わすれないで
いてください