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遥 カズナの部屋


[129] 歯車
詩人:遥 カズナ [投票][編集]


勤労と納税の義務を果たし確固たる大人として
社会人であるべく自覚を負い
純然たる充実に満ち
紛れもない現実に裏打ちされ
敢然と立とう

大自然の摂理に則り
ほんのミミズですらも己が勤めを侮りはしない
大地を肥やして黙々として生き
草木へ恵んだ恩恵の見返りに
枯れ葉をまた得て生き長らえて行く

ならば なおさら
この傲りがちな人の形に閉じ込められた意識として
その日の行き着く限り謙遜を貫き
弛むことの無い無限の生命の循環の意義を悟り
己が役割を律しよう

私は
当たり前の事をしっかりとこの筆圧に力を込めて書き記す

「大人たれ」と

起源を辿れば
我らが先祖は農耕民族で
自然との調和を重んじ
この地球のアジアにあって狩猟民族であった欧米列強に仇なした誇り高い民族であった
資源も領土も乏しく
文明すら遅れをとっていた筈が
我らの祖父も曾祖父の親も絶えず労を惜しまず苦境に耐え
劣勢の内に幾度かの大戦を凌ぎ
ついに近代には技巧に活路を見いだし
よしんば最先端の計器ですらも計測不能な領域で未来を体現してきた

それらは
断じて個々の己のみの為ではなかった

そうでなかったなら
私達が踏みしめる居場所はこの地上には既に無かったであろう

彼らが愛おしみぬいた
この大地にかけて
断じて我らもたじろぐべきでは無い
郷土を誇り
信じた側に断固として立ち
こうして又
人の命と威厳と尊厳をあざ笑う者の前に立ちはだかろう

私達は世界に無類の歯車である














2010/06/06 (Sun)

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