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遥 カズナの部屋


[305] 仔猫
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

車で
朝の出勤途中
次男を学校近くで
降ろしたやさき
次男はドアを閉めながら
「あれは、生きものなのか」と
話しが途切れた

何の事なのか
車を発進させると
すぐに気がついた

仔猫が車道の中央に
横たわっていたのだ

十数秒程の光景
 
尻尾が
不自然に立ちながら
痙攣していたのであろう
震えていた

通りすがりながら
それを見下し
私しは見た
口からは血が吐き出され
その時の私の表情は
きっと
誰のどんな期待にも
こたえられない

次男は
勉強がとにかく苦手で
と言うよりも
ゲーム以外に関心が持てない性格で
長男は
いたって勉強に集中できる性格で
弟が勉強が出来ない分を
補ってくれる程
いやそんな訳はない
理由で彼らを
縛ってはいけない
けれど
理由は彼らを
おめこぼししたりは
してくれない
私のせいにされたくない
私は

そうじゃなくて

仔猫はただただ
道の向こう側へ
行きたかった
それだけなのだ

2021/07/03 (Sat)

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