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遥 カズナの部屋


[306] 爪の垢を煎じても治らない
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

生活の為だとしても
仕事で指の爪が黒く
薄汚れているのは
快くはない

たまに
会社の若い女性の事務員が
どこかからの差入れを
皆に配るのだが
深爪に切り込まれた爪先に
それでも真っ黒い
爪垢のような汚れが染み付いていて
指先を差し出して
受け取る事が
どうにも恥ずかしい

なので、いつも
「ありがとうございます。いりません」
と断る

嫁には受け取らない方が失礼だと言われ
るが
嫌なものは嫌だ

いろんな思いが頭をよぎる

馬鹿が治る薬が開発されたなら
真っ先に被検者に
志願したい

蔑まれるのは
嫌だ

2021/07/17 (Sat)

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