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遥 カズナの部屋


[56] 城跡
詩人:遥 カズナ [投票][編集]



君の手を引き

城跡へ行く




草木の吐息を胸いっぱいに呼吸しながら

ヒタヒタ

石畳を歩む




暗い石の門をくぐると

城壁はクルリと取り囲み

月の明かりを水のように湛え

僕らは宙を漂うようだ




やがて

粗く冷たい城壁の岩肌にもたれた君




どうか今

その横顔を見詰める僕に気付かずにいて下さい

もしも気が付いても

素知らぬふりをして…




いつしか

月に寄り添う雲のように

僕の肩にそっと甘えて下さい



2006/02/23 (Thu)

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