詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
あの時
世界が終わっていれば
何をしても
何もかもが
当たり前に
なってしまった
どれだけ
危険を冒しても
慣れる事に
気付いてしまった
何度
刺激を手に入れても
いずれ飽きる
もっともっともっとって
限りなく
欲しがる姿は醜くて
見えなくて
殻に閉じ籠もったまま
息をして
繋がりを持ったり
断ち切ったり
息をしなくなって
幾らでも下に
堕ちたって
変わらないのが現状で
ごめんなさいよりも
ありがとうよりも
さようならを
上手に言えなくなった
何も言わずに壊れた方が
少しはラクに
それが
最後の言葉に
残された後
それまで何事も
無かったかのように
やり過ごせていたのに
突然
反転し
拒絶反応に襲われて
痛い痛い痛い
嵐のように
上下する感情
左右される身体や心
苦しんだ末に
選んだ道程の先は
冷たくて
とても静かな
此処は何処だろう
終わらなかった
けれど
先の見える世界で
ねぇ
次はどうすればいい
別れた後が
怖くて仕方がないから
告げられないまま
離れていくだけ
さようならをして
ひとつ残らず
消えてくれたら
あの時
世界が終わっていれば
こんな存在も
許されなかったのに
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どれだけ
追い払おうとしても
離れへんもんが
あるねんな
それが
俺の魂なんか
意志の現れなんか
そんな大層なものでも
ないんかな
まぁ何なんか
よう分からんねんけど
まとわりついてくるっちゅうか
こびりついて
頭から離れへんねん
それで
動き回って
俺を混乱させよる
悩ませよんねや
これまた
よう分からんのやけど
なんか
もやもやしたもんが
あってな
そいつを覆っててな
離さへんのや
だから俺の頭の中から
外に出されへん
イライライライラしてくる
けどどうにもならん
邪魔やねん
払い除けたいねん
その方法が分からんねん
でももし
それを
取っ払えたとしたら
どうなんねやろ
確かに
すっきりするん
やろうけどな
一人になった時
何も思わんように
なりそうやな
それを
望んでんねんけど
なんかな
なくなったら
なくなったで
嫌かもしれんな
それが
俺を突き動かす
原動力になってるんも
確かやし
俺は自分で
動きたいねんけど
どうなんや
ホンマ
どうにもならん
腹立つわ
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簡単なのは
とっても難しい事だ
だから僕は
此処に居ないと
成り立たないから
彼方にしか
居場所がない訳で
存在理由だけ
何処かに
置き忘れたみたいだ
探しに行くから
固定されずに
流れる変化を
受け止めてやらないと
まずは
其処から
どうやら
君とは
出会っても
噛み合わずに
すれ違っていく
運命のようなもので
それでも
忘れられない
そんな力を
僕は持っている
と
信じて
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夕陽と共に
暗闇に飲まれた街並も
朝には
何も無かったかのように
復元されている
昨日と違うのは
その小さくて
白い二の腕に
押しつけられた憎しみの
傷痕の数ぐらいで
倒れられない
立ち続けなければ
どんなに厳しく
責められても
笑顔を
絶やしてはいけない
愛されなくても
忘れられないように
着せられた罪の下
痣が増えていく
母の悲哀を
受け止め続ける事が
僕の役目
代わりにはなれない
存在に対して
唯一許された
生き方だったから
胸の中で必死に
抱えていた赤子は
最初から
息をしていなかったと
指摘をすれば
終わっていた話なのに
待ち受ける辛苦を
手放せずに
手に入れられない対象に
満たされたいと
それぞれが縋り続けた
選べなかった死に方を
常夜の恐れに襲われて
甘い酸い夢の中
僕を咎ごと
抱きしめて欲しいと
愛を乞う者に
与えられなかった幸せを
誰一人
許されなかった痛みを
自らの指を
くわえて眠る僕を
受け容れて欲しいと
ずっと見ていた
貴女の姿は失われ
床に転がる女から
母の匂いが還るまで
僕は種から孵らなかった
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女を殺した
常世の国で子を抱く
貴女の匂いを醸すから
優しい手
清らかな体
どれ一つ取っても
叶わない
手に入らないものを
どうしてお前が
蘇る情景に
沸き上がる不快感
言葉では表せない
言葉ですら表せない
訴える眼に
振り向く素振りもなく
母は笑う
腕の中で眠る
我が子に向けて
温もりを与えられず
空いた心を満たされず
指をしゃぶる姿を見て
込み上げる憎しみ
今も変わらず
張り巡らされた
伏線の果てに
再び出会い
暗がりから目覚める
ずっと見ていたのに
何も見えていなかった
大事に抱えている
赤子のように
眼を閉じていたから
貴女だって
何も見えていなかった
器に埋められた種は
育ち花咲き散る前に
芽が出てすぐに
摘み取られ堕ちた
枯れない幻想が
咎める理由となって
責められても
抵抗すら出来なかった
辛いのは
苦しいのは
幸せになれないのは
自分だけじゃない
愛されなくても
信じているから
喪失った今も
変わらずに
始まりは
終わりが来るまでに
収束してしまい
限りなく近付いても
一つにはなれない
貴女にはなれない
赤子にはなれない
愛は返らない
母は今も
母のままで
床に転がる女の事も
思い出した悲哀も
昨日の景色さえ忘れ
朝を過ぎた街に出掛ける
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夜を共にする為に
一人になると怖くて
こうするしかなくて
変わり果てた姿も
意外と可愛いね
変わらずに懐いてくれる
君の名を呼ぶよ
未来を奪って取り戻した
変わらず笑えるなら
そんなの要らないよね
眠りについても
明日が来なくても
僕らループするなら
何も怖くはないから
さぁ
こっちにおいで
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そうか
そうだな
俺が間違っていた
息をすれば
悩んでいれば
生きているんだと
思っていた
どうやらそれは
俺の場合は大間違いだ
生きているって
活きてやるって
胸を張って
叫べるかい俺は
簡単じゃないな
だから俺は
このままでは終われない
まともには続かない
気が狂う程
気の長い話
命短し男だからそう
やるしかないな
生きる為には
活きていけばいいと
俺が俺だと
懸命に
叫べるように
安心のない
危険に満ちた
混沌の今を迷走する
そんなもんじゃない
そんなもんじゃ
なぁ
駄目だ
心にもない空想を
口走るなよ
吐いたものは
痰か毒かも
理解らなくなった
膿の溜まった頭を
握り潰してやる
そしたらさぁ
周り中が臭くなって
誰にも手に負えない
世界を
もう一度
その手で掬ってみれば
期待されなくても
誇らしく思えるものを
手に入れたような
そんな気が
お前って奴は
じゃない俺は
もっともっともっと
まだ行ける
もっと活きてやれ
くだらないから
整わない心臓を
曝け出して見せてやれ
ボケっと
つっ立ってないで
叫んじまえ
早く叫んじまえ
じゃないと俺は
俺はもう
無様でも
孤独でも
嗚呼
もっともっともっともっと
生きる為に
俺を活きてやれ
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むかしむかし
何者かの
日本人の手によって
猫は首を切られ
公の場で死を表しました
茂みに隠れていた尻尾を
引き千切ってみたら
それは少年のものでした
尊敬出来る日本人が
五万と居る
両手の指で
足りてしまわないように
もうそろそろ
ね
日本人を置き去りにして
日本人に追い付かない
行き過ぎたら罪になる
過ちを償わず踏み倒す
散らかった時代に
地球の何処を見ている
この国以外の
言葉を音楽を精神を
戦いを祈りを
嘘を真実を
好きになった
日本人の行く先に
日本国は
在りますでありますか
首輪を付けて
犬小屋から中継しました
これからも
いままでの人生は
無駄だったと
遠吠えしていきたいと
思います
ふざけた内容に
意味は無いようで
良くも悪くも
与えるものもあって
害や迷惑に
ならなければ良いなとか
見ている人が
フィクションで
実在しなければなとか
明け方まで
人目を気にしながら
でも実際は
液晶画面と
周囲の部屋の景色しか
見えていなくて
それすら掴めていなくて
都合良くボタンを押すだけ
朝方
お婆さんは川へ
桃を拾いに
お爺さんは街へ
猫の首を刈りに
出掛けました
その頃
犬は裏庭で溺れて
わんわんわんわん
醜く泣き叫んで
日本人に縋りながらも
声は届かず
助けて貰えず
そのまま一生を
終えましたとさ
めでたしめでたし
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甘ったるくて
戻しそうになる
三水を足して
涙目の僕の胃は痛い
病められないから
足を器用に交差して
サヨナラをしたんだ
明日の明後日へ
大事に使いなよ
君にはまだ手がある
咳をしても
独りになっても
どうか死なないで
甘さを求めないで
僕のように
ならないように
甘すぎて
酸っぱいものが
込み上げてくる
そして止まる
どう転んでも
起き上がれそうにないな
致死量よりも
少しだけ
少なめにした
甘いものを
もう少しだけ
飲ませて欲しいな
溢れる望みを
ドブに捨てる
諦めきれない夢は
ポケットの中で眠る
取り出せないから
捨てられそうにないな
甘いものから
離れられない頭
放っておいて
遊んでおいで
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衝撃をも糧にする
詩的な叫びが回ってる
空をグルグル
机の上でグルグル
僕の頭ん中でグルグル
無理をしなくても
良いんだって
だから天国には
届かないんだって
生きてるうちには
届かないんだって
打ちのめされて
打ち拉がれて
何やってんだって
繰り返す叫びに
気が動転
途方に暮れるんだ
僕が飽きるのが早いのか
擦り切れるのが早いのか
どちらにしろ止まらない
変わらずに
良い詩があっても
やはり
そう見えたなら
僕が
そう思ったなら
きっと
そうなんだ
変わってしまうんだ
止まらなくたって
僕の意志は固まって
動かなくなるんだ