詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
ある朝 起きると
髪の毛がすべて
抜けていた
変わりに
何かの芽が生えていて
鏡の前から
しばらく 動けなかった
病院には行かず
家の中
いつの日か
草木生い茂る頭
けれども
花は 咲かなかった
虫がわき 痒い
草木を抜こうとすると
根が張っていて 痛い
腕や足からも
芽が出て困る
最近は眠気もなく
食欲もない
視床下部 支障はないか
体は元気
ただ 外には出なかった
夜 山に行こう
どうせ
会社には行けない
あなたに会わせる
私も居ない
足を出すのが 辛い
上手く歩けない
其処にある公園
あの辺りに
隠れられないか 疲れた
いずれは 一本の木に
それは淡い夢
策はなく 生き詰まる
欲しいのはガソリンか
熱いのも苦しいのも 嫌だ
だが
このままの姿で居るのは
もっと 嫌だ
どうにもならないのか
もう
どうにもならないのか
どうしよう
どうすればいい
何がいけなかった
何故こうなった
分からない
考えられない
待ってくれ
諦めて降りよう
そんな気持ちに
なれるか
扉が閉まります
扉が閉まります
扉が
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一定のリズム保つんだ
一定のリズム刻むんだ
泣き崩れるな立ち上がれ
怒り狂うなまず静まれ
寸分違わず感情表さず
スマイル一つで
一日を過ごす
あちらを立てれば
こちらが立たず
板挟みのループで
繋がる兄弟
さし引き出来ない
馬鹿にはなるな
平均点は70点だ
頑張り過ぎるな
手を抜きすぎるな
あなたを入れて
みんなで割って
いくらになるか
平和になるか
仲が悪い
なら仲良くね
上辺だけ表面上だけ
水面下は気にするな
波風立たせず
足並み揃える
分かるよね
呼吸を整えて
ほら
笑ってみろよ
喧嘩は両成敗
でも会社は悪くないから
一人のミスは皆のミスで
皆のミスは私のミスかよ
こんなに頑張ってるのに
アイツのせいなのに
言って次の日
無断欠勤
翌日笑顔でゴメンナサイ
致命的なミスはそれ
キリのない霧の中を
バタフライで進む
踏み外すな平均台の上
センター前はどっちだ
分からない
ナンバーワンに
ならなくてもいいなるな
周りを気にして背比べ
膝を曲げたり
背伸びをしたり
同じ目線になる工夫
運も実力のうち
なら加減に気を付けろ
上司と同僚と後輩と
君と
交替した僕と
釘をさされて杭打たれ
相槌打てない
奴から辞める
会社から実家へ病院へ
生き残ったら正気なのか
公にはなんと表す
一定のリズム保つんだ
一定のリズム刻むんだ
一定のリズム保つんだ
一定のリズム刻むんだ
一定のズリムあっ間違えた
クビから上を失った
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生まれつき人は死ぬ
自分は違うと
認めたくはない
けれど
運命を信じる神様が
こちらの言い分も聞かず
唐突に終止符を撃つ
簡潔に倒れて完結
冷たい眼をした
絶対の前で
可能性は未体験に終わる
それこそが
不自由と自由の境界線か
時計や鼓動が停止しても
終末はまだ来ない
確かなものは仮説だけ
だから
不意に思い出すと
怖くなり否定する
僕も同じように
枠の中に在るんだ
いずれは
消費され喪失うこの身
棺桶にオビを付けるなら
何と書こうかとか
どうでもいい事に
振り回されて生きている
忘れ去ろうと逃げながら
無駄な作業を続ける人生
嫌いなアイツに
お腹を見せる
手を噛むシーンが
頭に流れる
温もりのある場所で
いずれは安心さえも
奪われると怯え
気が狂ったフリをする
感傷的に脚色して
妄想に力を注ぐ
どれも失敗に終わる
決定事項なのに
まだ覆せると思ってる
結構しあわせな奴なんだ
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膝を折っては
空を見るのか
そこがどこだか
理解らないのに
空を見上げてしまうのか
あの世を信じる信じない
それ以上の何か
名前を知っているけれど
祈る理由に言葉は少なめ
無口なのはお外だけ
お内の中で叫んでいます
それはそれは
大きな声で
あなたを吠えて
それから先へ
この足は向かない
生きている
その真っ最中に
欠けてしまった
未知がある
反応が少しでも欲しいと
黙闇の中
閉じた瞼にノックを待って
手と手が触れても
あなたは居ない
自分好みに書き換えた
離さない記憶が残るだけ
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注入されたんだ
あんなに好きだったのに
夜に産まれたラブレター
読み返すと悪口ばかりだ
摩り替えられたのは
君の見た目か僕の心か
注入されたんだ
あんなに大好きだったのに
理由は省かれた
破いたのはラブレター
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それは名前
誰の
君の
ラフな身体に
息づく想像の化身
いつ気付く
これから始まるストーリー
朝起きてスグに
スタートダッシュ
出だしに顔出し
手を伸ばす導火線
次のページに潜めろ魔物
バトン貰って走る姿
それは
蜃気楼を掴むような
でも確かに
そこにあるよなぁ
不鮮明な映像
一本一本
手繰りよせて描く
あれもこれもそれも
また一興
準備万端整ったなら
火を放つ
手を繋ぐ
この感触はどうか
んー
辺りを見回す
壊れていないか
慎重に探す
んーんーんー
幾度も幾度も繰り返す
しゃこしゃこしゃこしゃこ
創造と騒動のポンプ踏み
通い巡る血
ほとばしるペンシル
その先っちょで
パンパンパンパン
次々と爆発
縦横無尽に広がる世界
獅子奮迅で駆け抜けろ舞台
火の海に身を任せ
一気に畳む
急転直下落雷か
流れろ流れる
ひたすらに走る
終わる
で
どうなる
それは名前
誰の
君の
ラフな身体に
息づく想像の化身
いま気付く
ここから始まるストーリー
肝心なのはそう
スタートラインに歩を進め
新たに始まるストーリー
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出会ったその時
順序を飛ばして
別れるシーンが
頭の中に流れたよ
悪いけど
付き合えないよ
つらい思いを
したくなくて逃げる僕
ワケが分からないと
首をひねるあの子
ダイヤモンドなみに
ふたりで固まった
いつまでも愛してるよ
未来と現在が
入りまじる告白
耳の遠い老婆のふりを
して逃げるあの子
100bを
3秒台で走る僕
スキップしながらね
大事なのは
手は腰にって所さ
いつだったか
映画館にハンニバルを
観に行ったよね
僕の妄想の話
隣を歩く僕を
ひたすら無視するあの子
テレてるのかい?
オデコをつつく僕
交番にカケ込もうと
するあの子
そうはさせない
とおせんぼ
かくれんぼ
さくらんぼ
それから
よこれんぼ
その先は未定
流行は追わずに
社会科の教師と
かけおちしたあの子
古典的なふしだらッコ
ウブだったのは
僕ひとり
メイデン&童貞の欠如
うしなったモノは
互いに大きい
得たものは
コレか
下校途中に見た
ロンドン橋から泥沼へ
落っこちるあの子を
焼ソバじゃない
未確認飛行物体の光で
あの子のココロごと
引き寄せたかった
思い通りに
叶わない現実も
教室の奴らも
大キライ
あの子のウィンクが合図
ちちくりあって
過ごす学園パラダイス
教室のドア側
前から3番目の席は
あの日から
空いているけれど
大好きだって
さけぶ僕
in保健体育
ぺらっぺらの
ションベン臭い僕
あの子によく似た
掛け布団を抱いて
泣いた
やっぱり
忘れられないって
結婚式に乱入
あの子には
僕しか居ない
必ず幸せにすると
リングを渡そうとしたら
真顔で避けられた
そう言えば
トイレで手を
洗わなかったな
大人の
エスカレーター使い
卒業式まで
待ったナシ
ふたりの愛は永遠だねと
ニヒルに笑う僕
振り向かないあの子
揺れる思い出の中
ゲロを吐く僕
立ちこめるニオイ
クラス中に伝わった
はじめて
あの子と目が合った
その後スグ
目をそらしたのは
両思いだったから
だよね
考えてるコトを
考え直せと
言われたよ
その先は未定
もう終わり
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下北沢について
理解するのは
五年後のきっと
今日あたり
どんな場所かも
知らないが
パリに劣らぬ
ジェンヌな街なんだろう
やたらと
鼻と足の長い
オシャレな
お兄お姉が闊歩する
家族が急に
ググッと増える
情にも熱い街なんだろう
下北沢の唄ばかり
流れるこの街もたぶん
もう下北沢なんだろう
明日か明後日には
日本は下北沢と呼ばれ
外国でも
フジヤーマ!
シースー!
ハラキーリ!
ゲイシャガールズ!
シモキータザーワ!とか
言われちゃうんだろう
ラーメンズが
夢の中でそう
歌ってたから
俺の名前は下北沢
俺の名字も下北沢
合わせて下北沢下北沢
日本全国下北沢下北沢
上はないのか下北沢
上上下下左右左右
そして
シモキータザーワ!
下北沢について
理解するのは
五年後のきっと
今日あたり
憧れの街下北沢
夢のまた夢下北沢
幻の街下北沢
ひょっとして
日本にないの?下北沢
通天閣からは
見えないぜ下北沢
ららら〜
シモキータザーワ!
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それは朝
曇りの日
薄暗い路地
うつむき加減で
歩いていると
視界に入った
それからのハト
公には表せない不安が
胸に迫る時も
光は耿々と
心
照らすだけだし
こぼれそうな
愚痴や苦悩
なんとか抑えて
頭の中へ押し戻す
よく分からないを
信仰する
あなたの
優しい笑顔が怖い
巻いてくれた
バンソウコウ
少しキツくて
痛いんだけど
後ろ手に
ペンを持たせて
描いた背景
少し見て
スグに目を逸らす
嘆息して
やっぱりかって思う
いい意味での裏切り
など感じさせない
グチャグチャ
放置していたら
誰が掃除をしてくれる
誘われても
その気になるな
寂しくなった時
頼るのは物だけ
雰囲気だけで繋がって
サヨナラをしたら
いつも一人
仕方ないよ
他に方法はないと諦めて
申し訳なさそうに断って
通い慣れた道ばかり
選んで歩く
利用されても
文句を言うだけ
手立てはないって何も
考えてないんだろ実際
特殊な関係も
長くは続かない
先行きが怪しくなって
いつかは終わりを迎える
暗示はやがて
平穏を呼び
思い出して泣いても
巻き戻せない
何事もなく平和だ
意味もなく順調だ
幸せに生きて
息を引き取る
それはそれは
素晴らしい時間でした
自嘲気味に
現状は語る
思うのは勝手だ
理想だって掲げろ
理屈だって述べろ
ここでなら平気
死角から叫ぶだけなら
事故は起きない
馬鹿なのに
空を飛ぶから
無知なのに
外を歩くから
ぶつけられて曝け出す
自己責任の筈なのに
後片付けは他人任せ
そんな姿は
見たくなかった
出会わなければ
悩まなかった
あっ
もうこんな時間
そこまで進んで
気が付いた
寝呆け眼
スーツに鞄
家を出てから
数メートルの場所で
迂闊にも
触れてしまった
これからのヒト