詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
流れてくる歌が
変化を知らせる
開かずのカーテン
2年前のカレンダー
散らかる部屋で
空きを探して点になり
本当は
やりたくないんだ
言いながら
パソコンに向かい
人を探して線になる
今日の僕は
こんな形
いつもと変わらない
パジャマ姿で
キャラを決めて
名前をつけて
グループ見つけて
会話に入る
そこまで
楽しくないのにね
無表情でwww
互いに
糸を張り合って
捕らえ囚われ
イエスな気分
その姿は完全に
無知無能
始めた頃は
過疎地だったのに
人口急増
満員サーバー
問題と悩みとイライラが
実社会より
リアルに浮かぶ
名無しに
荒らされ指摘され
僕の悪口で
満ちる世界
混雑に埋もれ
落ちていく
あの時と同じように
だったら同じように
学校みたいにね
会社みたいにね
ある日突然いなくなれ
IDとパスだけ持って
検索ボタンで
ワープして
似通った昨日今日を
ループする
朝になったら
気が冷める
虚しくなるのは
眠る前
いくら便利になっても
思い通りにならないな
共感を
共有したフリ
共存なんて
やっぱ無理
他の誰かと
同じじゃないよ
違うんだよ
知ってるよ
じゃあ手を止めなよ
止めたら死んじゃう
死ぬかバカ
動かせ時間を
動かせお前を
向かうのは
パソコンじゃない
「自分」だろ
ウルサイナ
思考も止めて
ダブルクリック
まだ見ぬサイトで
居場所探して何になる
誰にもなれない
他にはいない
お前はいつも
此処にしか
ウルサイナ
だって鏡に
映っていない
それでも
ゼロじゃないから
だとか
ウルサイウルサイウルサイ
此処に僕はいないんだ
と
僕を探して
僕にはなれないと
駄々をこねる
僕が此処にいるだけで
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
夕方から朝まで
つけっ放しのラジオ
ケツメイシに始まり
19にユーミン
KiroroにSPEED
ガガガSP、海援隊…
ラストナンバーは尾崎豊
聴きたい曲が
一つもないけど
無音だと不安だし
泡風呂からは
抜け出せない
春も夏も秋も冬も
この部屋で
一人過ごしていたら
また
春になるそうで
別れも出会いも
必要ない
僕の元にも
新しい季節は訪れる
友達はいない
好きな子もいない
先生は嫌い
上司も同僚も嫌いな上
家族が苦手だから
この部屋を借りて
一人でいたいのに
貯金がそろそろ
尽きそうだ
これからどうしよう
実家に戻ろうか
嫌だなぁ
仕事を探そうか
嫌だなぁ
仰ぎ見る天井には
蛍も神もいない
死のうかなぁ
ちっぽけな独り言
蛍も神も訊いちゃいない
当然か
本気の言葉が
見当たらないもの
桜が咲く前に
咲くはずだったのに
桜が散る前に
散るのが嫌になって
僕は此処から
卒業できない
別れも出会いも
必要ない
僕の元にも
否応なく
新しい季節は訪れる
土足で部屋に上がり
土下座をしても無駄
強引に首根を掴み
此処から僕を
引き剥がそうと
流れてくる歌が
変化を知らせる
人差し指の先に
グーの岩
中指の先に
パーの壁
変り者の三択目
現状維持を
選べばバッサリ
先はない
嫌だなぁ
もう眠ろう
眠ろうを選ぼう
すると朝には
バラバラに
どこから来たのか
蜘蛛の子が
瞬時に集まり
未来が真っ暗
布団に掴まり
僕は否否を繰り返す
無理に続けて
終わりを拒む
誰も聞く耳
持たないが
当然だ
本気の言葉が
見当たらないもの
明かりを点ける
画面を開く
仲間のいる場所へ
僕を繋ぐ
孤独に殺される前に
この部屋を出よう
嫌だなぁ
嫌だなぁ
引き攣りながらwww
お前は誰だ
僕は何者だ
また始まった自問自答
本気の言葉を
本気で探さなきゃ
孤独に殺される前に
僕はなんて弱いんだ
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
先の見えない
山を越える
裸足で険しいその道を
歩くよりも
想像を絶する苦悩
誰かが
体験していても
僕は早く
この瞬間が
終わってほしいとばかり
願っていた
恐れを紛失くして
人混みにダイブ出来たら
受け止めてくれる人は
いるだろうか
実行すれば
巻き添えを食らう人々は
迷惑そうに
面倒臭さそうに
首を横に振る
いつものように
朝を迎えて
最先端の海辺から
留守にしていた
脱け殻に戻る
意識を取り戻して
まず思うのは
君の事
その点では
以前とは違っていた
昨日は
こっちから
電話したしな
今日は
向こうから
かかってくるはずだ
それがなければ
心配で
不安になれば
メールをして眠る
陽が沈む頃
バイトに出掛ける
工場で携帯の点検作業
休憩時間は
自分のケータイ
返事がないか
チェックしたりして
いつもとは違う
待っても連絡が来ない
電話をしても
繋がらないし
何かあったのか
それとも
愛想が尽きたのか
すべては
夢幻だったのか
君と出会った
海辺に行っても
足跡はないし
掲示板にも
書き込みはないし
センターにも
留まってないな
メールをしても
返ってこないな
孤独に
1を足しても
満たされない
不特定多数の正体不明
調べれば分かる程度の
人間達と輪になって
和を求めれば
少しは緩和するけど
一時的な
処置でしかない
それなら
孤独から
1を引いてみれば
少しはラクに
なるかもしれないけれど
だがしかしでもだけれど
君がいるだけで
他には何も要らなくて
以前にはない
答があって
探しても探しても
見つからなかった僕が
此処にいて
君と一緒に
此処にいたくて
痛くて
先の見えない
山を越える
裸足で険しいその道を
歩くよりも
想像を絶する苦悩
君が
体験しているなら
僕がすぐにでも
受け止めに行く
願いじゃなく
本心で
助けられるか
分からないけど
巻き添えになっても
後悔はしないし
ずっと一緒に
側にいたいと
二人でなら
どんな孤独も
どんな痛みも
耐えて
笑える日もあると
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
流れてくる歌が
変化を知らせる
神さま蛍さま
またしても試練ですか
ずかずかと上がり込み
目の前へ
着うたが僕を
ひょいと持ち上げ
早く出ろと
脅迫・催促する
今になって
君からの電話
出られない
僕を呼び続ける
もうすぐ
一曲終わりそう
二人の関係も
だから押せない
通話ボタン
でも
このままじゃ
どこにも行けない
でも
このままで
どこにも行きたくない
此処を離れるくらいなら
まだ
殺された方がマシだ
そう言えるなら
覚悟はできたな
いつのまにか
僕は頂に
そして
此処から
飛び降りるように
ボタンを押して
久しぶりの
君の声を
静かに待った
長い長い沈黙
深い深い静寂
半永久に
続きそうな気がして
狭苦しくて
もうダメだ
僕から言葉を
吐いてしまう
ごめんなさい
ゴメンナサイ
笑っていたのは僕だけ
耐えていたのは君だけ
大切なのは自分だけ
あとは全部嘘
その嘘は全部
君に見抜かれていて
愛してると言われ
傷ついて
君はすすり泣く
それ以上
僕に言葉は無く
しどろもどろ
無防備なまま
此処でもまた
己だけを庇う
がら空きのまま
心を流す君
精神的な照明が落ちて
夜
どうしようもないな
時間の経過と共に
過ぎる月が
照らす部屋の行方を
見ているのは
再び訪れる
無言無音の空間に
二人は沈み屈み
底の方で体育座り
意識が飛んで
戻って
君の方を見てみると
誰もいない
温もりさえも
消えた跡
僕はまた
一人になった
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
ゆずれないもの
ゆるぎないもの
絶対に近い
気持ちの
それは
ある意味
ある日に突然
簡単に
崩れ去ってしまう
するとね
だんだん
起き上がれなくなって
終わりには
何もかも
消えてしまうんだ
それでもまた
始められるのは
強さ
消えたように見えて
実は消えてなくて
チリチリチリチリ
私が
振り向くのを
待っているから
分かっていても
どうにもならないのは
弱さ
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
もうやめにしたら?
何気ない諦めが
額をかすめる
触れたら にゅるり
ヌメる想いに
僕は汚され
現実は
死ぬまで覚めない
そんな認知は
拒否れとばかりに
頭を↑↓に
↑↓↑↓に振り続ける
in
ドーティ・メガストア
日焼けもしてない
ひょろい体を
激しく揺らせ
それでもブレない
脳内指針
しめす先を
信じて妄想
戸惑う店員をよそに
その中の一枚と
目が合った
ジャケットには
なぜか
君と君の部屋が
たまらなくなった
喉は
白濁色の声を上げ
願望と我慢の天秤に
思い切り
欲求を
ぶちまければ
押し寄せるのは
後悔と敗北感
いつもこうなんだよな
つって
恥ずかしくなって
急ぎ足
尻尾を巻いて
その場を去る
冷たい視線を
感じながら
渾身の片思い
ただでさえ
体力ないのに
残りエネルギーは
帰りの電車賃程度
何やってんだろ
まるで
光らないクラゲ
話したこともない君に
触れることもないから
この毒すら
渡すことができない
役に立たないこの口は
君をオカズに
勢い良く飛ばすだけ
ネバネバとした
「好き」を
風の中にビュッと
今の僕を唄にして
気持ちを込めて
歌ったら
耳をすませて
聴いてくれるか
教室で
学校で
町中で
世界で
誰にけなされ
嘲笑われたとしても
君だけは
オナニーしてる
僕すらも
微笑って
愛してほしいんだ
家に帰って
夜まで昼寝
枕を濡らして
パンツも濡らす
触れたら にゅるり
ヌメる想いに
君は汚され
そして
それを知らないんだ
大人になって
今よりずっと
綺麗になって
愛する人に
今の僕がされたいこと
全部してあげたとしても
君は知らないんだ
たぶん一生
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
逆なら
簡単に思い付く
いつでもすぐに
落ち込める
数多の否定の中にある
白いカラスを
見つける努力もせずに
望みはないと言う
それを探すには
一生かかるかもしれない
一人の力だけでは
見つけることが
不可能かもしれない
それなのに、だ
いつもの通りを散策し
カラスは黒いと判断し
望みはないと決め付ける
捕らえられて
身動きも取れない状態
探したいのに、と
もう思うこともない
何をしてもしなくても
苦しみからは
逃れられない
それなら
白いカラスの夢を見たい
そんな思いも
眠れないなら
叶わない
眠れなくても
掴みたい
そんな風には
もうとても
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
根も葉もない
煙の種は
いったい誰が
植えたのだろう
遡ろうとすれば
はばかる数十億の人
咳き込む私を
見ようともせず
進む先に今度は何を
嘘かどうかも
確かめられぬ
出所不明の煙に涙
心まで
灰まみれ
振り払う
私の右手を
掴んでくれない
ゆらめく影よ
どこからどこへ
広がって
煙の種を植えたのは
風に乗り
空を昇っても
雲にはなれず
消える鼈
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
豚を食べ
牛を食べ
鶏を食べ
マグロを食べ
サンマを食べ
鴨を食べ
馬を食べ
兎を食べ
アサリを食べ
猪を食べ
羊を食べ
ヤギを食べ
七面鳥を食べ
ウナギを食べ
イカを食べ
タコを食べ
狸を食べ
スッポンを食べ
カニを食べ
海老を食べ
ラクダを食べ
ウニを食べ
ナマコを食べ
イクラを食べ
熊を食べ
カエルを食べ
ハチを食べ
イナゴを食べ
鹿を食べ
クラゲを食べ
アリを食べ
クジラを食べ
サメを食べ
イルカを食べ
鳩を食べ
犬を食べ
猿を食べ
人を食べ
神を食べ
クスクスクス
笑うのは
クスクスクス
誰だろう
クスクスクス
誰を食べ
クスクスクス
笑ってる
詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
働かなくてもいい
自分のやりたい事を
好きなだけやればいい
食べたいものを食べて
眠りたいときに眠って
好きな人と愛し合える
そんな
あなた中心の世界を
一つプレゼント
なんでも思い通り
なんでも手に入る
叶わない願いはないのに
それでも
満たされないなんて
月曜日が来なければ
幸せになれる
って
あなた言ってたのに
また一つ世界が終わって
憂欝な朝がやってくる
うまくいかないなぁ
ワガママだけでは
手に入らない
わたしの幸せ
そろそろ起きなきゃ