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アタシ馬鹿よねぇ
お馬鹿さんよねぇ
はぁ
ムシャムシャ
だからアンタ
いつの時代の人よ
つか
いつまでも
グチグチ言うなって
もやし食べて
元気出しな
もやしバカよねぇ
おバカさんよねぇ
はぁ
ムシャムシャ
やめて
こっちまで
気が滅入るから
ムシャムシャ
ゴクゴク
男なんて
もやしよね
何ソレ
分かんない
ムシャムシャ
分かんないっ
男の考えてる事なんてっ
何ソレ
なんで私をフッたのっ
せめてクリスマス
終わってからにしてよっ
他の女と
過ごしたかったからでしょ
クリスマス
そうだったのかっ
アイツめぇ
しばいたるっ
何
急に立ち上がって
もやし食べて
落ち着けって
もやしじゃ
何も解決されないのっ
このもやし女がっ
私は林です
じゃあ林女っ
何よ林女って
何って何さっ
もういいから
もやし食べなって
嫌
もやしなんか食べない
何
もやし嫌いなの
好きだけど
じゃあ食べな
うん
ムシャムシャ
旨いっしょ
ムシャムシャ
うん旨い
ね
はぁ
今日はもやしに免じて
アンタで我慢しとく
我慢してんのは
私の方だから
おじさーん
もやし追加っ
あと男もねっ
バカっ
アッシで良ければ
乗っかってきたしっ
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はぁ
クリスマス前に
別れるんじゃなかった
そうね
つか
なんでクリスマスに
女だけで飲んでんのっ
少しもクリスマスな
気分になれないんですけど
そうね
ムシャムシャ
しかも
もやし食べてるしっ
いいじゃん
もやしは悪くないし
むしろ良いもやしよコレ
おじさーん
もやし追加ねっ
へいっ
もやし一丁追加
入りやしたっ
もやしもやしもやしって
さっきからもやしばっか
頼んでんじゃないわよっ
アンタはもやし星人かっ
星人て
アンタはいつの人ですか
いいじゃん
もやしは旨いし
ビールに合うし
安いしさ
金のない私らにゃ
最高の一品でしょ
金なし男なしって
最悪じゃんっ
はぁ
嘆くなって
今日はとことん飲もうや
おじさんっ
ビール2杯追加ねー
へいっ
ビール2杯追加っ
入りやしたぁっ
食べても
飲んでも
満たされるのは
お腹だけ
心は今も
空きっ腹
ヤケ食いで
不幸せ太りなんて
嫌ーっ
アンタ
バカね
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残された人の
視点で進む物語は
どう転んでも
ハッキリしない
こっそり
悟りを開いてさ
本能を凍らせて
視界をクリアにする
そうして最後は
手続きしなくても
削除され
人生を閉める
だって知らない
白と黒が何色か
それでも僕らは
その中間の
どれかを選んで
勝手に名を付けて
呼ばなければならない
今日は
どれにしよう
意味は
分からないけれど
これが良い
なんとなく決める
拾った物差しで
裏側で下を向けば
ほら
見てごらん
信じられない
理を着ているよ
アレ
恥ずかしくないのかな
君のはどうだい
誇らしげに
着ているけれど
銀色を叩く
体を震わせ
響いてきた音に嘆く
そんな風にして
眠りを放して逃げた
その矢先
過失に撥ねられて
あぁ
長い長い
過ぎると短かった
長い夜にも
次の日の朝や
お昼にもたまに
こう思う
やっぱり何故か
一致しないなって
正三角形は
同じような音がする
誰が叩いても
こうじゃないのか
僕が選んだ色だって
他とは
大差ないハズなのに
自分以外の理を
中々どうして
受け入れられない
残された僕らの
胸の内で響く
色の感触や
音の感覚は
変わらずに今も
響いてくるのに
伝えた瞬間
別のものに
差し替えられたのか
一つにはならないんだ
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たった一つ
欲しがっていた
大切なものを
投げ捨ててまで
手に入れたかったものは
何だっけ
液晶の壊れた
パソコンのように
口元だけ笑っていた
君の顔には
ほとんど何も
映されていなかった
そうじゃない
僕のやりたかった事はと
さらさらと落ちる
砂の中
輝く日々の
見えない場所へ
身を置いた
泣いていたのに
夢を聴いて
君の隣から
外れてしまった
金色の粒を
集めていたなら
震えだって
怖くなかった
二人にとっての
理想郷だって
胸を張れたのに
今はもう
昔だと
僕が言ったとしても
反応のない世界は
砂山を作った事だって
思い出せないんだね
素晴らしい恋をして
人生を終えようなんて
善人面して
風に舞う未来に
輝き散るものは
永劫にありはしない
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某超高層ビルの屋上から
某有名ロックスターが
飛び降りたんだって
騒ぎを聞き付けて
集まった記者達は
野次馬の中に
潜んでいた
某ヒットマンに
一人残らず
射殺されたってさ
本人から聞いたんだ
間違いないさ
大衆民衆烏合の衆が
ワイワイガヤガヤと
無理難題を
ああでもない
こうでもないと
四六時中
話し合っているのに
誰もが
理解不能のまま
足止め食らって
一行に進まず
いつまで経っても
ハッキリしないや
議論する際に
用意されたのは
苦しめる為の
問題だけだ
試されて
発揮したのは
すべてを無効化する
××××に刃物ぐらいで
胡散臭い髭を生やし
パイプでも
吹かしながら
ぼろぼろのコートに
身を包み
下駄をカラコロ
鳴らして歩く
私立探偵の素性すら
謎だけが一人
歩いている
嘘のような本当の話
本当のような嘘の話
真偽は定かじゃない
何を信じ
何を疑い
君は僕を好きになるかな
その前にまず
名前を呼んで
無題ですら
タイトルになる
時代だから
無意味で
陳腐なものを
呼ばれた数字でさえ
無価値に
破られるから
魂の欠片も無いよな
名前を付けて下さいな
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生きているから
暴れてしまう
生きているから
独りが寂しい
生きているから
殺したくもなる
生きているから
伝えたくて
生きているから
歌っているから
生きているから
素晴らしさもあって
生きているから
恐ろしくなって
生きているから
自由に手を出して
生きているから
神に殺された
生きているから
残されてしまった
生きているから
信じたくなくて
生きているから
死にたくなって
生きているから
救われないから
生きているから
生きていないと
生きているから
それでも生きて
生きているから
強くなりたい
生きているから
僕は生きるから
生ききているから
苦しみ噛み締めて
生きているから
生きていくから
生きているから
扉を開けた
生きているから
立ち上がるんだ
生きているから
無力も力に
生きているから
叫んでいるから
生きているから
生きている唄を
たった独りでも
生きているなら
伝えたい相手に
伝わらなくても
生きているから
だから
もう少し休ませて
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ぽつり
ぽつり
ぽつり
ぽつり
ぽつぽつ
ぽつぽつり
ぽつぽつぽつり
ぽつぽつり
気付いては
知らずに
気付いては
知らずに
気付いては
進まない
チッ
走る無意味に
止まる無意味
ああ
もう
ぽつり
ぽつぽつ
ぽつり
ぽつぽつ
明かりを消して
気持ちが慣れるまで
暗くて意識が
追い付かない
ぽつり
ぽつり
ああ
もう
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しんと降る
悲しみは
使われなかった言葉を
代弁してはくれない
鏡が溶けて
水になる
染み込まれずに
残ったもの
悲しみに揺れて
咲いている一輪の
晴れない空の彼方なら
星は視えるのかな
君の知らない
あの雲を
見上げるのは
浮かんだ言葉を
背負わせる為じゃない
晴れない空の下で
僕は歌う
唄を
真っすぐに一輪は
雲を突き抜けて
彼方まで届け
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星が消えても
唄が消えても
君が消えても
また閃きますように
時間も空間も
生きた証も
足跡さえも
連れ去って
流れて
消えて
瞬く間に
見えなくなって
知りながら
触れながら
紡ぎながら
繋ぎながら
此処に立って
僕はやはり
唄を歌っている
限りのない宙が
空になっても
また
閃きますように