詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
生まれる前より
死んだ後より
残したい今を
描き続ける
永遠なんか
信じられないのに
携帯さえ手放せない
ふとした瞬間に
消えた居場所は
もう手に入らないのに
それでも僕は
描くのをやめられない
何も残らないと
知ったって
望みを絶やせずに
僕は
今も
今を残そうと
携帯を使って
描いている
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そうして詩を
打ったとしても
君は満たされなくて
他の人と同じように
空気を吸い込むんだ
吐き出したいのは
気持ちの方なのに
いつまでたっても
形にならずに
想いを抱いて
話し掛けるのは
頭の中の空洞で
光が射しても
届かない闇の中に
心臓が
埋もれているから
出会った誰かに
根っこから
救われたとしても
枯れて果てて
僕は遠退くんだろう
どうやら君は
生きているんだな
それなら話は早い
と、
ここから先は
死んだ後で
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貧乏揺すりを
止められて
欲求の逃げ道を塞がれた
引きこもれば欝になる
必死の抵抗が
やってはいけない事だと
知って
僕は違法で
電波を飛ばした
部屋に帰って
動けない体をよそに
頭の中から
宇宙に向けて
要求を発信するんだ
僕を吐き出したいから
人間から離れよう
僕を吐き出したいから
地球から離れよう
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夢の中で恋をした
君じゃない誰かに
愚かな選択だ
僕は気持ち悪いな
本能そっちのけで
建前だけで生きていく
これからも
これからも
懸命に延命に繋げて
守るものは
僕の夢
罪に問われない
君に告げない
夜に
彼女に
好きを伝えに
会いに行きたい
被害者の顔で
都合良く抱きしめて
傷付けて
恋をして
調子に乗って
図に乗って
叫んだ人の名は
君じゃない誰かの
ああぁああああぁああ!!
狂ったフリをして
僕は気持ち悪いな
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あなたは あなたの両手を切り落とせば 詩を書かなくなるだろうか?
あなたの目の前で 大切な人を殺せば
もしくは あなた自身を 痛い目に 遭わせれば 詩を書かなくなるのか?
どうすれば お前は詩を書くのをやめる? 傷付く程に 書きたくなるのが お前の性分で 満たされない限り 詩を書くのは やめないんだろ?
心の中で 反り響く声を 写し描くだけの作業を やめさせるには 心臓を潰して 頭も潰して 身体を燃やして 魂をも燃やしても まだ足りない
僕を殺しても
詩は殺せない
僕を殺しても
僕は死なない