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高級スプーンの部屋


[437] 絡まりながら反り返る内への干渉
詩人:高級スプーン [投票][編集]

Oh!神よ
かつては
人の子だった
貴方の創った世界に
何度目かの
新時代が到来し

未だまともに
直視出来ない
光の背後に
隠された姿
たった今
眺めているものは
明後日にある別の

同じ色をした
闇は無い筈なのに
どいつもこいつも
一緒に見える
造形が似通るせいか
誰をモデルに
デッサンしたのか

狼よ
かつては
鳥の子だった
空を飛べない
代償として
小さくも鋭い
牙を手に入れた
白い柵の向こう側
早くも危機と
出遇ってしまい

異彩を放つ
幼き四体に
魅せられた
蠢く闇々は
涎を垂らし
標的を見つめ

睨み返し思う
こんな処で
終わってたまるか
未発達のケモノ
怪しい茂みに
襲い掛かる
次の瞬間
呆気なく
捕らえられたが

牙を持っても
強気で挑んでも
所詮
ヒナはヒナ
危険を冒せば
狩られて
消化されるのみ
されど
露骨なケモノ
たとえ
肚の中でも
祈りはせずに

喰らってやる
喰らってやる
自らを呪うように
幾度も欲した
砕けた体は震え
潰れた目の奥は
空洞のまま
意識が途絶えても尚   膨らみ続けて

2005/12/08 (Thu)

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