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カラクワトの部屋  〜 新着順表示 〜


[32] 寒月の夜空
詩人:カラクワト [投票][編集]

寒い寒い冬のそら
高く遠い星のつぶ

宇天を見上げ
人指し指と親指でこしらえたまる型に
おさまるだけの視界を切り取る

この少ない景色にどれだけの
願いが込められたのか
誰も明かしてはくれないけれど


星々は今日も飽きずに

輝いて きれいだ

2008/02/05 (Tue)

[31] トイレの中の真実
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トイレに入って大を済ませた
一息ついて
手を伸ばした先には絶望
カランという不在の宣告

棚には虚無
日頃の不注意の具現

つまり
何処にもそれは見当たらず
呼ぶ誰かもいなかったのだ

どうしようもなかった
でも 選択肢は限られていて
どうにかするしか無かったのだ

それはいつだって
ジンセイのほんとうのかたち

2008/01/07 (Mon)

[29] 加速のひと
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アクセル
アクセルアクセル。

過ぎ行くセカイは後方に
弾丸の如く
ぶっ飛んでゆく
加速続ける己はアクセル
過ぎ行く景色に目もくれず
地平目指して果てしなく
彼方の海まで駆け抜ける
フエル・アーダー
炸裂ダマシイ
一撃必死のフェイタルマグナム

加速し続け
速さを希求し
求めることのなかった流れ星
速度に憑かれた
漆黒の目には

何も見えはせず
誰にも見られはしなかった

2008/06/18 (Wed)

[28] ラウ゛ァーズ・ラプソディー
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恋することは
狂うこと

ただの他人が
神様になる

運命はあの人の
胸三寸

檻の中に 理性
落下する 知性

平静の失踪
思惑の疾走

加速する キモチ
君からすると トモダチ

さりげなく 接近
が、敢えなく 撃沈

嗚呼なんて苦しみ

神様は
なぜ僕らに
こんな試練を
与えるのですか?



天使が囁く。
―それは 最後に祝福されるためなのです

2007/12/21 (Fri)

[27] やさしさにあな
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どうしようもなく ただ

頬を伝う

かなしい の結晶。

泣かないでと
差し出された 君の手には
青い ハンカチ


涙を拭って あたしは
気付いた。


彼はさっきトイレに行った
ということを。

2007/12/21 (Fri)

[25] トンボというもの
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子どもの頃
秋に

トンボを捕まえ

いみもなく。

その両羽を左右の指でそれぞれ掴み

逆方向に引っ張り、

トンボは 無惨な死を遂げた。


そこにあったのは罪だろうか。
それは悪であったのだろうか。
どんな理由があったというのか。
子供の無邪気があったというのか。
そこには罰が有り得るだろうか。
それとも責任が残るのだろうか。


いいや。

其処に在ったのは
ただ
引き裂かれたトンボの肉だった

2007/12/20 (Thu)

[21] もし数学が使えたら
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サイン コサイン タンジェント
さんかく ばらす 魔法の呪文

彼と 彼女と 私の関係
やさしく解いて
くれたらいいのに

2007/12/19 (Wed)

[20] シアワセの青い鳥
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青い鳥を飼おう

そうすれば、シアワセが訪れるに違いない

そういう訳でペットショップに行ったら
思いの外 値が張った
やっぱり買うのは よろしくない。

雀は意外に簡単に捕まえられた
青いペンキにドボンッと入れたら
しんでしまった

悲しいが しかたがない。

しょうがないから愛犬に
青色ペンキを塗ってみた
非常に不本意だが
背に腹は代えられぬ。

しかし彼はもはや犬ではなかった
もちろん青い鳥なぞでもなかった
それは恐怖の蒼色。

欲に まみれた ナニカだった

2007/12/19 (Wed)

[19] エスカレータ
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朝の忙しい時間
エスカレータの真ん中で止まる男がいた。
そこで停止する人波
彼は 老いていた
いらついた しかし 無言の感情が鬱積し
腐敗してゆく
男が上に着いても醜陋な腫瘍は消えず
衆人の時を搾取する

それを横目に
階段者は義憤に憤る

けれど それが。
エスカレータの本来の構造だった。

2007/12/19 (Wed)

[18] 飴の刻
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飴玉ひとつ
口に投げ込む

ガリリ ガリリと歯で噛み砕く
これが、いい。

姉が口を出す
飴は噛まずに舐めなさい
噛んだら歯にくっついて
虫歯になって しまいますよ

馬鹿だな
飴は噛むから甘いんだ

いいえ 飴というのは
口の中で味わうものなのですよ


いつ誰が決めたのか
律儀でどうしようもなく愚かなひとよ

それは僕にとって
噛むから旨いものなのに

それが わからなくて。

貴方が口にしているのは
ずっと ずっと
綺麗なままの ビー玉

そのことに気付かない。

2007/12/19 (Wed)
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