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麗華塵の部屋  〜 新着順表示 〜


[30] 聖剣物語組曲 最終章 「是空」
詩人:麗華塵 [投票][編集]

十字架に掲げられる男
燃える空が嘲笑うかのよう一面に広がる

私は戦っだろうか?
私は生きただろうか?

色々な想いが男の中を交差する…
火をもった兵士が近づいてくる
最後に浮かぶ彼女の笑顔
あぁ…すまない…本当にすまない…
私が死んでも貴女は戦い続けて下さい
聖剣なんて必要ない
人は誰も心に剣を持っている
自分だけの「想い」と云う名の剣を…
その剣が折れぬ限り人は戦い続けられる

足の元に炎が舞い上がる
男は叫んだ

愛しき人の名を…

何度も…何度も…

人混みの中返答する声
処刑台へ走りゆく娘

あぁ…敵軍の中、まさか何故いるのだ…

十字架の前
男の名を叫ぶ娘

王も兵士も国民も…
娘の姿に心を奪われる

誰が敵軍の中に一人でこれようか…
まして、自分から出てこれようか…
何故…何故…

国民の一人が涙を流す
二人…三人…
あぁ…戦火の炎は何を燃やす?

王は己に問う
私は一体何を燃やしたのだ…

「闘い続けなさい…
たった一つの聖剣で
闘い続けなさい…
それぞれの思いを胸に…あぁ燃える空よ…
いつか必ず
皆の聖剣がお前を砕くであろう…」




男は死んだ
娘も処刑の後
消えるようにいなくなった…

燃える空は今日も聳え立つ…


2005/01/04 (Tue)

[29] 聖剣物語組曲 其ノ四 「想い」
詩人:麗華塵 [投票][編集]

あぁ…燃える空よ…
今日も私の上に聳えるのか…

一度は英雄と崇められた…
だが今は違う…
一度は救世主と称えられた…
今は違う…
懐かしい国民達は私を避けずむ瞳で見つめる
あぁ…私は罪を犯したのだろうか…
戦火の壁を超え一人の娘に恋をした…
それは罪だったのだろうか…
鉄の枷は冷たく重い…
私の心を押し潰さんとする…
父の形見の聖剣もどこにいったかわからない

もう聖剣は必要ない…
私はもう血を流さない
流させない
処刑の日まで彼女との約束を果たそう…

目の前に現れたのは国の王
聖剣を差し出し男に問う
古き英雄よ
剣を取れ
敵軍を葬り去り
幸せを掴むのだ

古き救世主よ
腕を挙げろ
敵軍を狩り尽くし
希望を掴むのだ

「希望…幸せ…あぁやはり戦いこそが平和の道のりなのか…」
剣を取ろうとした刹那
血に濡れた聖剣は男に囁く…

貴方の聖剣は私ではないはず…
貴方の守るものは何?

男は手を引く

あぁ…燃える空よ…
必ずお前打ち砕いてみせる
私の中にあるたった一つの聖剣で…

処刑の日が迫る
男は最後の日まで牢の中で戦争の愚かさを語り続けた…

2005/01/04 (Tue)

[28] 聖剣物語組曲 其ノ参 「約束」
詩人:麗華塵 [投票][編集]

あぁ…燃える空よ…
今日も私の上に聳えるのか…

男は生き残りとされ敵軍に追われた
男は敵軍の娘に寝返ったとされ自軍に追われた
娘もまた敵の兵士を助けたと両軍から追われた

あぁ神よ…
こんな純粋な娘まで戦火の中で泣いている…
なぜ人は争い続けるのか…
山道を走る男と娘
追い迫る軍隊
娘の足を弓が霞む
倒れる娘
その娘に無数の矢が襲いかかる
身を呈して娘を守る男
無数の矢が男に突き刺さる
「先に逃げなさい…」
「ダメよ!!貴方をおいていけやしない」
男は聖剣を差し出す

この剣は人々の幸せと希望を背負い生まれてきた…
しかし、この剣はもう血で汚れすぎてしまった…
私の幸せと希望を背負う聖剣…それは貴女だ…
貴女が生きているかぎり私はまた立ち上がる
この世界と戦える
さぁ行きなさい
さぁ生きなさい!!

燃える空が二人を包む
娘は男と口づけを交わす
「約束して下さい。最後の時まで…………………………下さい。」
娘は走り去る
男は少し笑い
自軍の兵に捕らわれた…
あぁ…燃える空よ!!
この戦火はいつまで続くか…
虚しき言葉は…誰の耳に届くことなく
風に流れた…


2005/01/04 (Tue)

[27] 聖剣物語組曲 其ノ弐 「運命」
詩人:麗華塵 [投票][編集]

あぁ…燃える空よ…
今日も私の空に聳えるのか…

男は目を覚ます
手当てを受けた胸の傷
痛むのは傷だけだろうか
ベッドにもたれ掛かり寝ている娘
娘の服には敵軍の紋章
「神よ…許したまえ…」
聖剣をとり娘の首に当てる男
目覚める娘
「貴方の剣は泣いている…」
幸せを背負い生まれた剣
本当に背負ったのは何
希望を背負い生まれた剣
本当に背負ったのは何
貴方は泣いてるように剣を振るう
戦場でも…今でさえ…

復讐の名の元に…

間違いに気付きながらも剣を振るわなければ自分が無くなるような気がした

間違いに気付きながらも剣を振るわなければ死んでいった者達が無くなるような気がした

間違いに気付きながらも剣を振るわなければ生きる意味が無くなるような気がした…

あぁ…娘の瞳が男の瞳を見つめる…
泣き崩れる男

聖剣は取り返しのつかないほど血に染まってしまった…これから私は何を償えばいい?

血を拭いなさい…それは辛く悲しい道のり…血を拭いなさい…その間、貴方の涙は私が拭ってあげますから…

敵軍の娘に恋をした男
復讐の道のり
奪い続けた命の代償に何を捧げる…

2005/01/04 (Tue)

[26] 聖剣物語組曲 其ノ壱 「宿命」
詩人:麗華塵 [投票][編集]

あぁ…燃える空に少年は何を見る…
戦火の中 母は死に父も死んだ
そしてあの頃の自分は死んだ
構える剣に復讐を誓い
少年は大人になった

父から受け継いだ剣は名のある聖剣
人々の幸せと希望を背負い生まれてきた
あぁ…運命よ…
何故に私の運命は呪われている…
幸せを背負う剣は幾多の敵を殺してきた
希望を背負う剣は幾多の命を奪ってきた…

復讐の先に何があるのか…
自分に問いながら男は今日も戦場に赴く
聖剣を翳し今日も血を流す
復讐の名の元に…

「あぁ…燃える空よ…私は何を胸に戦えばいい?」

男の心に日に日に増す疑心の心

空を見上げた男の胸に敵の剣が突き刺さる…
復讐の果てに何を見る…
男は倒れる…

復讐の名の元に…

2005/01/03 (Mon)

[25] あなたのMelody流れてますか…
詩人:麗華塵 [投票][編集]

何年か過ぎ僕等は大人になった
忙しい毎日に身を投じ
明日を生きる希望に生きている

あの頃少年だった僕等は大人になった
夢を追いかけ続けたあの頃のMelody
今も鳴り止む事はない

夢を語り合った親友達
懐かしい校舎
笑い歩いたこの坂道
あなたのMelody流れていますか?

あの頃の夢を夢で終わらせないために
決して後悔のないように
今もあのMelody奏でよう
引き出しの奥に眠ったあの頃の夢…
今でもきっと輝いているから…

懐かしいモノを見るたびに
心に熱いものが走る
懐かしいモノに触れるたびに
何かが僕に語りかける

一晩中悩んだことや
大好きだったあの子との思い出
そして別れ…
あなたのMelody流れていますか?

あの頃の夢を夢で終わらせないために
決して後悔のないように
今もあのMelody奏でよう
引き出しの奥に眠ったあの頃の夢
今でもきっと輝いているから

今もあのMelody奏でよう
あの頃の沢山の思い出達が今もキラキラと輝いているから

今もあのMelody奏でよう
無くしてしまった思い出達にも…

「あなたのMelody流れていますか?」





2004/12/30 (Thu)

[20] 戦場の歌
詩人:麗華塵 [投票][編集]

人はなぜ戦うの?
人はなぜ傷付けあうの?
結末なんて…最後なんてわかりきってることでしょ?
人はなぜ憎しみあうの?
人はなぜ泣いているの?
蒼い闇が人の心を覆い隠して
とめられない想いを打ち砕く
人はなぜ戦うの?
人はなぜ傷付けあうの?
手をとりあって歩んだ路を忘れてしまったの?
あなたはなぜ泣いているの?
あなたはなぜ泣いているの!
私はもう消えるけど
この世界は何も変わらない…
変わらない…
人は一人一人はちっぽけだもの
だから二人になるの
だから三人になるの
だから手をとりあうの

さよなら
さよなら
さよなら
私が最後に伝えたかった言葉
あなたがみんなに伝えてください…
人は弱い
人は弱い
だから手をとりあうのだと

私は無力だった

でもあなたなら

あぁ…目が霞む…

さよなら
さよなら

大好きな…
あなた…


2004/12/11 (Sat)

[18] MARIA
詩人:麗華塵 [投票][編集]

弱く儚い小さな花に
僕は「マリア」と名をつけた

でもその花は嵐の中でも
決して輝き衰えず

細い茎を揺らしながら
僕の肩にただ寄り添い

マリア

その花は風に吹かれながら
僕の心を縛りつけ
その花が笑う時
僕も本当に笑えるのだろう…

遠く切ない君の心に
僕は何が出来るだろう

いつかその花は暖かい日差しの中でも
きっと枯れていくのだろう…

綺麗な花びら散らしながら
僕の胸にぬくもりを残し…

マリア

その花は風に吹かれながら
僕の心を縛りつけ
その花が枯れる時
僕は本当に泣くのだろう…

マリア

その花は風に吹かれながら
僕の心を縛りつけ
その花が笑う時
僕も本当に笑えるのだろう…

「君のいなくなった僕は、心のどこかに穴を空け
偽りの自由に身を焦がす
寂しさに溺れ苦しみに溺れ逃げ道など何処にもない
君と二人で見た景色は今もセピアに染まりゆく
一人でこの道を歩き続け…辿り着くのは何処だろう?
もう嫌だと何度も思った
それでも僕の心に、あの花が咲いているうちは
決して足が止まることはないだろう…」

マリア

その花は風に吹かれながら
僕の心を縛りつけ
その花が笑う時
僕も本当に笑えるのだろう…



2004/12/07 (Tue)

[17] カナシミノ剣
詩人:麗華塵 [投票][編集]

人々の幸せを背負い生まれてきた…
しかし、最後に残された名前は…

「カナシミノ剣」

その剣は優しさの中で生まれ幸せの使命を抱えた
剣は持ち主と共に旅にでた
果てしない旅に

「カナシミノ剣」よ何を思う
幸せ?愛情?心?持ち主?
世界はまだ見えない

その持ち主は恋に落ちる悪の使命を抱えた
たった一人の少女に向けて
涙が出た…悪戯な運命に

「カナシミノ剣」よ何を思う
持ち主?女?運命?悪?
人の心は見えない…

全ての世界のために…
全ての平和のために…
全ての幸せのために…

自分の世界を捨てて…
自分の平和を捨てて…
自分の幸せを捨てて…

女は少しだけ笑って…
貴方がそれを望むなら…
それが貴方のためならば…

持ち主は壊した…
全てを…

「カナシミノ剣」よ何を思う
女の身体?持ち主の心?
もう…何も見えない!!
「カナシミノ剣」よ何を思う
「カナシミノ剣」よ何を思う
もう何も見ることなんてできない…

これが本当の幸せならば…
私は全てを砕くであろう…
しかし…私はもう何も斬れはしない…
一番大切な人の
一番大切なものを
砕いてしまったから…



2004/12/07 (Tue)

[15] 朽苦乃華=クチクノハナ=
詩人:麗華塵 [投票][編集]

あぁ…もうすぐ枯れてしまう…
貴方に気付かれることなく
私は道端の雑草
貴方を思うことは罪ですか?

そうですね…
私よりも彩り鮮やかな花を咲かす
あの娘達の方が貴方には似合っている
花壇の上で踊る娘達を人達は愛でるように見る
貴方もそうですよね…?
…私の様な道端の雑草を愛でる人はまずいない…

あぁ…気付いてほしい…
踏まれても決して折れることのないこの気持ち
何度となく叫んでも
その音は虚しくも風に掻き消され、貴方に届くことはないのでしょう…

あぁ…同じ春に生まれ冬には消えるこの命
なぜ彩鮮やかに生まれてこれなかったのだろう…
違う命に生まれたなら貴方の隣に咲けただろうか?

春は過ぎ、夏が来て冬になる
花着けることはなく枯れてゆく私
でも私の中には貴方に対する枯れることのない華が咲いています。
貴方に気付かれることがなくても…
私が枯れてしまっても…
この華が枯れることはないでしょう…

枯れることはないでしょう…

2004/11/30 (Tue)
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