詩人:孤 花 | [投票][編集] |
まるで
君はまるで
大事に
大事に握り締めて
手を開くと
小さく
小さくなっていた氷だ
もう少し時間が経ったら
跡形も無くなってしまうかも知れないんだ
大切にし
いとおしんだ
君は何処へ
何処へ行ってしまうんだろう
僕はしっかり握っていたのに
大切に
大切に
握っていたのに
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痛い
等身大の限界の裸の
私が寝転がって悲鳴をあげていた
もう独りは嫌だよ
これ以上私を醜くしないで
お願いだから
笑顔がいつの間にか飾りでしかなくなる
でも笑っておけば咎められないだろう
心配そうな
誰に私を聞かせられるの
私という人間を聴かせられるの
痛い痛い痛い痛い
寂しい寂しい寂しい寂しい
いったい誰にこんなことが言えるの
だって私を救える人は一人しか居ない
私を要らないと言った貴方です
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ひとはおとなになると
ひとりではいきられなくなる
よわくなる
だれかのとなりでねむりたい
ときにはやさしくなぐさめてもらいたい
じぶんのねつだけではさむくてこごえそうで
じぶんのかんがえだけではものたりなくて
あいしているとくちにしたくなる
だれかにあいしているとつたえたくなる
あいするひとなしではいきられない
よわいいきもの
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思い出そうとすればするほど
薄れていく夢の内容のように
すこし前の頃の私も
私に逆らって薄れていく
強い力が
体と目の前の道にかかって
捕われたのか
期待なのか
軌道に乗った先のことなんか
考えたことがなくて
ここから歩くために
瞳を開いていなきゃ
潰れても
立ち上がらなければいけないなら
潰れるのは面倒だし
やっぱり歩かなければ
飛ぶなんて事は今は考えずに。
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ずっとこの街で過ごし
ずっとここがすきだった
でも
もう
恋したあのひとも
いつまでも一緒だと思っていた友人も
遠い街へ去っていった
何の不満もなかった田舎での暮らし
東京に出たいなんて思ったことなど一度もなかった
だけどこのまま
私だけ何も変わらないことに
不安を覚える
当たり前に笑い合った人の中には
もう二度と会わない人が居る
そんな風に
人生は無数の方向に流れ続けているんだ
永遠なんて無い
私も
どのようにも選択出来たんだね
これからでも
出来るんだよね
恋したあの人はもう居ない
澄んだ空は
一体どこに見える?
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流行りの曲の歌詞はどうしてこうも恋愛について語るのか
恋のことばかり考えている人間がどれほど多いかを語ってる
幼い私はそのことを馬鹿らしく思っていた
世の中の大半は異性に対する愛で出来ている
陳腐な世界だ
そして見事にそこへ私はおちた
彼を愛していられる世界に満たされるから
それ以外の世界はいらない
安っぽくも無限の世界だったんだ
彼が居ない世界なんか本当はとっくにいらなかった
仕事をして勉強して遊んで補う心の容量
楽しいと思うことが楽しさに変わる
変えようとする
本当は陳腐な其所へ戻りたいのに
寂しくて寂しくて吐きそうだ
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交わる予定の無かった
君と私の時間が偶然交差したのだから
私はそれに感謝している
君の気持ちになんて
何枚のベールを外していけば辿り着けるのかしら
君が時々くれるチャンスの意味すら分からない私だから
一瞬交わりそうな時間を
時々私は捨ててしまう
本当は君を知りたくて
知りたくてたまらないのに
優しい言葉だけを頼りに
遠くの君を思い浮かべる他ないわね
別の列車に乗る君を
ここから追いかけ見つめている様に
夢の中では
何もかもを潔く手放して
君に飛込むために走り出していたのに
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君は卒業した
君が壇上に上がる三歩の音に耳を傾け
卒業証書を受け取る姿を瞳に納めた
もっと
ゆっくり
歩いてよ
全く特別なことは起こらなかった
面白いくらいに淡々とした儀式はつまらなかった
そして君は卒業した
私もまた卒業した
心の準備は十分の二倍くらいにしてたから
寂しさの涙は出さなかった
心残りは笑顔で散らした
写真の中の私はしっかりピースを出している
だから大丈夫
君は知らないけれど
私の想いは
君の机の上に
置いてきた。
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誰を抱いても
一人でいる私を見付けてくれ
暖かい貴方で
包みこんで慰めてくれたら
それでいい
砂浜に転がった
乾いたコップを
その優しい手で
そっと拾い
貴方は捨てずに
水を注ぎ
きっと喉を潤す
それでいい
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淡いピンク色の美しさに掻き消されて
小さな生まれかけた気持ちも
いつの間にか忘れ去られるのでしょうか
花の香りに包まれた慌ただしい日々がとめどなく流れ
何気無いメッセージにクスリと嬉し笑いをしたことを
振り返る余裕さえ無くなるのでしょうか
貴方に抱いた暖かいものは
この寒さの中で凍りついて
小さくて硬い石のようになって胸の隅に転がり
置き去りになるのでしょうか
そんなの
やっぱり
嫌なんです