ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーンあと何年の部屋 > 新着順表示

高級スプーンあと何年の部屋  〜 新着順表示 〜


[113] 不気味の谷の君
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

次に付き合う人は
君と対照的な人が良い
理想を入力して
創造された君が好い
その瞳に光を宿し
笑顔でも笑っていない
人の心などわからない
それで善い
誰も悲しまなくて済む
誰も傷つかなくて済む
罪悪感は抱かない
一方的に愛すから
不気味の谷を越えるな
歩み寄るのは僕だけで

2022/09/28 (Wed)

[112] 名付け親を探して
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

愛おしく感じていたのは
第三者だったからで
遠くから見て楽しんでいた
間違いがあってはいけないという
考え自体が間違いで
過ちを犯し続けて
犯している間は
さぞかし気持ち良かったんだろう
と今も同期できない
自分の心に欲望にさえ

美味しいものはないか
肉を食べた
女も食べた
どれも知った味覚ばかり
これ以上はないか
これ以上はないか
異常はないか
正常でした
病気と呼んでくれなくていい
ただ
名前を呼んで欲しい
カテゴライズして欲しい
あのオリの中にいる奴みたいに
愛されたいんだ
それはお前で
それもお前だ
どおりで
キャッチボールが出来ないはずだ
自分を騙せるくらいに
自分を羨ましく思いたかった
望んでいないくせに
全て知っていて全て拒んでいる
見ていたんじゃない
見られていた
オリの外から
欲情した眼で
こっちを見るな

2022/08/21 (Sun)

[111] 無明
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

最果ての孤独に
辿り着く前に息絶える
非力な僕には
限りある可能性にすら
ろくに手が届かない

多くの望みが枯渇した
砂漠にも月は登るのに
一切の光がない場所で
永遠にかくれんぼ
暗がりに名前はない
存在のない宙に見えない姿
光を当てれば済む話
空振りの論理じゃ
何も掴めないけれど

覚束ない頭で無知を知る
覚えのない罰を受け続ける
思いを馳せるのは強欲か
あなたに逢いたい
ただそれだけのことができない

2022/07/24 (Sun)

[110] My Way
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

知りたい情報は
危険だと
鍵をかけられて
救いの手を取れと
強要してくる
その前にさ
抜け道を
教えてくれる
危ない大人を
捕まえて下さい

いのちの電話より
あなたとの繋がりが欲しい
そんな相手が見つかったらな
その矢先
見つけたけれど
何のことはない
私は私のまま
私を重荷に感じてる
あなたに持たせる
わけにもいかないし
引き攣った笑顔の
「ありがとう」
聞かせたくないし

遅延する電車
いつもの理由を
つらつらと並べられ
舌打ちしながら
スマホを手放さない
人生を捨てて
あなたがやりたかったことは
これか
違うか
何もうまくいかなかったから
自分を棄てたなら
最後だけ
うまく逝ったじゃん
私はひとり
黙祷しながら
やはりスマホを弄ってる

生きているだけで
あなたを苦しませる
今すぐ死んでも
あなたを苦しませる
どうすればいい?
ただ正常に笑えばいい
それだけのことが出来ず
それだけのことが苦しく
それだけのことで
白む空に馴染めずに
起き上がれない
休む理由ももう尽きた

何をしているんだろう

今日も解決しなかった

2022/06/17 (Fri)

[109] 同じ水槽の中でしか存在できない魚たち
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

誰でも快適に
生きられる水槽なんてない

適応しなければいけない
あなた方と同じように
心の底から笑えたら

病気の私に
心配そうに
声を掛けてくるけれど
わかってる
腹の底では笑ってんだろ

歯でも十分痛いのに
人格の矯正だなんて
耐えられない
狂ってしまう

ああ
そうか

狂っているから
平然と
どんなに汚い水槽の中でも
あんた方は笑えるんだ

病気の私はそう思った

2022/06/07 (Tue)

[108] 餓鬼の一生
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

未だに生活はかなわない

一行だけじゃあ
日記とも呼べないか
言い表せないそれは
語彙が少ないだけと指摘され
返す言葉も持ってなかった

生活や命を大切にしない
それに代わるものが
夢や現実逃避なら
子どもの方がリアリスト
誤魔化すために
恥を上書き

目の前の生活以外
何もない
本当に

2022/06/01 (Wed)

[107] 話し声が聞こえる。
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

話し声が聞こえる

夢は現
微睡みに割り込み
咳き込み逆流するのは
目先の欲

コンビニの袋に
さっき買って
食べた全てを戻した
代金は戻ってこない

六畳一間の夜
眠気も失くして
寄り添ってくれるのは
空虚だけ
だなんて
想像上の概念を
詩的に表現してみても
表に現れてはくれない

街中を彷徨って
ひとり大きな声で
怒鳴っているように
誰からも
相手にされなくても
ひたすら
声を荒げているように
もう持たなかった
だとしても

堪え兼ねて
嘔げた吐瀉物
誰にも見られず
捨てに行く

おい空虚
何とか言えよ

ただのことばは
こだましない
沈黙が目の前を流れる
それをじっと見ている

気持ち悪さが収まって
お腹が空いたら
またコンビニで
好きな物を買えばいい

実際
並んでいるのを見ると
何も選べずに
時間だけが過ぎる

ああ、もう
無作為に手に取って
買って帰る

未来を濁すのに
丁度良い味がする
カップ麺をすする

涙もすすれば
詩になるか
うまくもないし
誰からの返事もない

食欲を満たせば
再び眠気がやって来る

遠くの方から
話し声が聞こえる



2021/12/26 (Sun)

[106] short trip
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

足首まで海に浸かって
感じるエモーショナルは
略して気軽に口にできるほど
浅くはなくて

子どもの頃に作った秘密基地
誰かと分かち合ってさ
後から思い出して
みんなの前で
懐かしむセンチメンタル
それとは真逆の
秘して語らず
この感動は自分だけのものだ

本当は首元まで
いいや
頭からどっぷり
夜が更けていくように
深く深く沈んで
息も忘れて
抱いていたい

ふやけた足の指を見て
口元が緩むのを
肌で感じた
そこには何の
情緒もなくて冗長

弧を描く心臓
誰も知らない海の触感
誰にでもある内省の

2021/12/18 (Sat)

[105] nobody's fault
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

夕方に起きて
迎える朝
切り替えが
うまく行かずに
混濁する脳
何も上手く活かずに
選択するNO
うまいこと言うねと
拍手をくれる
誰かは居らず
行き交う人たちは
僕の前を
素通りしていく
ピエロの格好をしていても
無駄だ
身の回りに
危険が及ぶまで
僕は透明
メイクを落とす
涙のように
高評価
言い値で買うから
こっちを向いて
それくらい
冗談ぽく
上手く笑って
言えたらなあ
季節の変わり目に
風邪を引く
そんな簡単な苦しみで
人の気を引こうなんて
使えない頭だ
早く横になれ
そして
死んでから
三ヶ月後に
見つかった

2021/11/12 (Fri)

[104] 代打
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

ゴミ山に流れる流行歌
蹲って君がいる
間違って捨てられても
後悔しない
みたいな顔で

それが君の表現か

違うだろ

彩付く生も
モノクロの死も
一新されて
知らないワードで
埋まるトレンド
どれも良いから
どれでも良いから
立ち上がれない

新しい細胞が芽吹く
瞬く間に枯れていく
皆が踊ったあの唄は
先週だったか
昨日だったか
誰の上に跨っても
ノれるんだ
最高じゃんか

それを盗み見てる
表情が
ねえ
向き合う課題にならないか

何もしないなら
何もしないから

下ろした利き手を
差し出せよ




2021/11/10 (Wed)
143件中 (31-40) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 15
- 詩人の部屋 -