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高級スプーンあと何年の部屋  〜 新着順表示 〜


[71] GET BACK TOGETHERしようぜ
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

一回売れて
解散して
再結成したい

高架下
河川敷で喧嘩して
親友になったアイツと
授業中
机の上に突っ伏して
寝たふりを続けるアイツと
それから
あと誰だ
あー
アイツと
アイツらと
なんだか熱い
ロックなバンドを組んでさー?

一回売れるまでに
全二巻くらいでまとまる
葛藤や騒動があって
カレー大好き
ドラマーのアイツの胸ぐらを掴んで
だったらもうやめちまえよって
熱い熱いドラマがあって

真夏にフェスは外せない

一回売れて
解散して
再結成したい

次の日には噂になっていた
クラスで一番かわいい
あの娘とアイツが
フェスをきっかけに
付き合ったって話
嗚呼
神さま
時間をあの日に戻して
ぼくにも告白する勇気をください
くずかごに捨てられない思いを
唄にできたのは
後ろから
肩に手を回して茶化してくる
アイツらのおかげ
だったら精一杯叫んでやる
糞でも
草でも
汗水涙垂れ流し
大声でクソッタレの唄を歌う

いつか再結成するような
熱いバンド仲間ーーアイツらとの青春
本当にあったなら

再結成できなくてもいいや

糖質が足りない
甘いものと妄想の区別がつかない
別腹にアイツらがいるっていうの?
それなら切り裂いて
臓物ぶちまけて
見せてよ中身を
あーあ あーあー

一回売れて
解散して
再結成したい

理由はない
理由はある
理由はないない
異常はない

お前とお前と私とお前と俺とお前とお前とお前と
お前で再結成
しようぜ

2019/09/02 (Mon)

[70] 
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

振り返れば
あなたも見ている
それはとても
理想的な関係だと
思っていたのは
片側だけで
深淵を覗いても
誰もいない
誰にも見られない場所にある染みを
ガリガリと引っ掻いて
取れない取れない取れやしない
淀んだ気持ちの先に
あなたが居ないなら
次はわたしが沈む番
誰か覗いてくれないか
消えてしまった片割れの代わりに

2019/08/24 (Sat)

[69] 白熱の日々
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まだ始まったばかりなのに
終わってしまった夏が
頭によぎる

狂気じみた
あなたの陽気に当てられて
気持ち悪い
一緒にいる時間は
楽しいはずなのにね
辛いんだ

花火も花見も
思いの外
実際に見た回数は少ない
思い返す度
あと何度見られるかと
いつかの未来を思い
描き
グシャグシャにして
捨てる
今を大切に思えず
吐き気がする
眠れずにいる

かと言って足跡
フリースタイルに進み続け
綴った過去を
振り返る気にはなれない
恥ずかしい人生
枕があれば顔を埋めたい
だから苦しい
夢の中だって

まだ始まったばかりなのに
終わってしまった夏が
頭をよぎる

無邪気に笑う処方箋
あなたの隣にいるだけで
この酷い暑さも忘れられる
はずなのに
気分が優れない

落ち着かないまま
過ぎていく
白熱の



2019/07/24 (Wed)

[68] 最初はグー
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

最近
空を見上げたっけ
おととい
月を見たっけ
サングラスをかけて太陽を
それ小学校の授業でやったっけ
影踏み
ケイドロ
氷鬼
ハンカチ落としに
フルーツバスケット
ごっこ遊びが
仕事に代わり
責任も随分重くなった
全然うまくない
うまくいかない夕暮れに
伸びる影消えた
今夜は空が月を喰らう
うしろの正面寝転んだ
最初はグー
からのデンプシー
打てたらいいな
人間て怖いな
手のひら返して
また明日

2019/06/23 (Sun)

[67] 身勝手
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救いのない作品が
世の中に認められているのを
見た時
救われた気がした

月も照明も
どこまででもを照らさない
明るい言の葉と音の裏側
薄暗がりから暗黒へ
まだ見ぬ深海生物に
多様性という名の
スポットライトが当たる
可哀想や面白がる視線を浴びても
素知らぬ顔で
今を生きる

たまたま救われなかった
出会えた偶然に
何を重ねても
黒一色
あなたの現実は変わらない
と言っても
覗き込むのをやめないの

2019/06/14 (Fri)

[66] 遅々眠々
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

泥のように眠りたい
凝り固まったアタマを
揉みほぐし
寝付きやすいカラダに
そう望み悩むだけ
過ぎていく時間
出勤するまであと少し

睡眠リズムを改善したい
音程をうまく取れないので
睡眠もうまく取れないのか
などと
くだらない思考が
寝る間も惜しんで邪魔してくる

起きている時間の割に
進捗しない人生
これだけの負債を抱えて
足取りが重くなるのもわかるけれど

ここは嵐の中
明日が来るまでに眠る勇気がほしい
弱る灯火が消える前に

2019/06/13 (Thu)

[65] レストルームミュージック
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その光
喉から手が出るほど欲しいのに
実際は喉の奥へと手を
指先を突っ込んで
吐き出している
その光景も戻したそれも
誰に見せても喜ばれない
大して痩せもしないしね
シンプルにきらめきを手にしたい
嘔吐いて出して水に流して
すっきりするのはほんのひととき
他に人がいなくて良かった


reiwa2019

2019/06/02 (Sun)

[64] 朝は来る
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16グラムの
カラダに悪い優しさを
絶え間なく摂取していたい
土の中の暗さに甘えて
翅を伸ばさず腐らせる
そんな生き方
別にそこまで責めなくたって
ねえ?

いつか養分になる
明日を夢見て翌日も
ベッドから起き上がる
からからに乾いた喉へ
甘い甘い糖蜜を流し込む作業
望んでいないし
望まれてもいない
胃もたれして吐きそうなのに
やめられない
悪影響ほど心地良い

早く寝ないと朝がやってくる

早く寝ないと
早く寝ないと
早く寝ないと
外はもう明るい

また失敗した
早く用意しないと



reiwa2019

2019/06/02 (Sun)

[63] 死観
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空腹の合図みたいな
インスピレーションに従って
貪り食うように描く本文
書き終えてタイトルをつけて
箸の代わりにペンを置き
訪問者を待つ

扉の先に救いを求めている
わけじゃない
その先に
死体が転がっていても
テイクフリーの聖書があっても
この先終わる人生の続きがわかる
わけでもないし

ネタバレされない未来
広告をスキップするように
何もしなかった今日を飛ばせたら
余計なことを考えて
煩悶せずに済むのにな
実行できたら
あっという間に老後だったり
その前に
死体が腐っているかもな

流れる走馬灯
エンドロールの途中で
席を立つ人々
声を掛けることも出来やしない
閉まる扉の内側で
それでも懊悩するのかな
やだな


reiwa2019

2019/06/01 (Sat)

[62] 下痢
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変わったねというきみを見て
変わってないと思ったぼくだけど
変わったのはきみで
ぼくは

いまの自分が
あの頃を追体験しても
どうして
それを面白おかしく感じたか
わからないと思う
「つまらない」と心底
冷えた感情にお腹を下して
我に返る
変わらないものはないと
俯瞰でしか思い出に浸れないんだ

被害者も加害者も馬鹿に見えた
普通そうはならないでしょ
実在する事件をバカにする
どこにでもある普通のものさし
どこにでもある普通の話
なんてことない
第三者も馬鹿なんだ

ほらね
あんまり変わりないよな
飽き飽きする日常
今もお腹が痛くって


reiwa2019

2019/05/21 (Tue)
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