詩人:村和緒 | [投票][編集] |
ゴリラは何か手続きをするたびに
失投乱闘を繰り返し
大型車の中で居酒屋を開いたり
小学生をもてなすのに疲れた
そこでゴリラは息子のゾーンに
二輪車をプレゼントすると
捜さないで下さいと言う書き置きを残して
失踪して仕舞った
ゴリラが失踪してから町も相変わらず変わり映えしないが
一つだけ変わった事がある
それはこの町が初めて全国イルミネーションコンクールで
一等賞を取って全国にその名をとどろかせた事だ
いやあゴリラさんのおかげですよと寺の住職は
大喜びで喜びの詩を弟子達に言わせては
喜びを皆に触れて回った
と言うのは何を隠そうこの町のイルミネーションを
開発したのは誰あろうゴリラだからであった
企画設計製造設置全ての工程にゴリラが必ず
直接陣頭指揮は言うに及ばず自ら図面を引き
企画書を立案し製造ラインの職工教育を
自らやったまさにゴリラのイルミネーションだったのである
その後ゴリラはこのうわさを聞きつけて
とんでも無い所から帰って来るのであるが
それはまた別の話である
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ゴリラが運転する列車が鉄橋にさしかかると
急ブレーキがかかった
「馬鹿野郎俺に運転中は電気ショックを与えるなと
言って居るだろう」
どうもゴリラの運転士に誰かがイタズラをしたらしい
猛吹雪の中ただでさえ視界不良の難しいシチュエーションに
ゴリラは少し気が立って居た
客の中の誰かが格差がさーと言っただけで
「馬鹿野郎俺の前でカクサの話はするな」
と、いらだった
ゴリラは運転士をやる前はホームレスで乞食をやりながら
生活をやりくりして居た時期があった
そのときのあだ名が「ひだのあれ」だったので
何かの拍子に誰かが「ほらあれよあれ」とか
「ひえー水が止まらない」と言っただけでも
取り締まっていたほどなのだ
そこで堪忍袋の緒が切れたゴリラはある決意を秘めて
社長室に乗り込んで行くと奇跡が起こるのだが
それはまた別の話である
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私は夏祭りの輪投げ大会では何時も優勝して居た
それにはこんな訳があった
トロフィーに輪をすっぽり入れるとラジコンカーが貰えると言うので
大いに発奮した少年時代があった
初めのうちは入ったよ見て見てと喜び勇んでも
駄目だねわっかが斜めに傾いて居る
すっぽりはまったわっかが地面と平行になってないと駄目なんだ
はまったわっかが地面に対して少しでも角度が出来た居たら駄目なんだよ
と、よく却下されたものだ
そんな事を繰り返して居るとラジコンカー欲しさから
私も随分トロフィーにわっかをすっぽり入れるのがうまくなり
やった分だけラジコンカーを分捕る様になり大変嫌われるようになった
とっとと夜逃げしやがれ余所へ行きやがれと罵声を浴びせられたものだ
そんな時は違う夏祭りの会場へ行き何処へ行ってもラジコンカーをせしめたものだ
その度に違うラジコンカーを貰いコレクションも増えたが
そのうち輪投げ開帳者が独自に連絡をとりあい
まるで私を逃走犯人の様に扱って
写真も出回って輪投げ拒否に会う様になったのも懐かしい思い出だ
そんな私も今では夢はナメック星人と言うまともな社会人として生活しており
なので趣味はピッコロを弾く事ですが
ピッコロってあの高音域のフルートより更に1オクターブ高いじゃん
などと誇らしげな自分に嫌気がさしますが
現状には一応満足して居ます
個人的な感慨ですいません
私の少年時代の思い出です(多少嘘も交じって居ますが)
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ゴリラは脳卒中になったけど人間の病院には行かず
ゴリラの病院に行く事にした
人間の病院ではいろいろうるさく言われるからだ
まあ本当はゴリラの態度が悪いからからいろいろ
言われるのだけれど
何にしろ病気の治療に全然関係無いのに
家族関係とか経済力など根掘り葉掘り言って来るのには
閉口した。挙句の果てには
その原因はずばりずばりずばりとうるさいよ
だからゴリラは人間のでは無くゴリラの病院にしたのだ
しばらくするとスクールバスがやって来た
ゴリラはこれから模試を受けに行く必要もあった
社会人入学制度を利用して医学部を目指して居るのだ
座禅を組んで精神集中を学び集中して勉強出来るようにも
配慮した
さらに建築現場へ働きに言って学費を稼ぐ事も怠らなかった
こんなに頑張って居るゴリラはそろそろ限界だったが
その時誰かがゴリラのかんにさわる事を言うと
ゴリラに後光が差しとてつもない事が起こるのだが
それはまた別の話である
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その一 ゴリラは憲法を尊重する義務を負う
誰だこんな条項を入れやがったのは
だってゴリラ憲法ですから
馬鹿もんこんなあほな憲法に忠誠誓えるか
でもゴリラさん拒否すると入庁する事出来ませんし
入庁した後そう言う危ない思想を持って居ると
懲戒理由になりますよ
馬鹿野郎俺は俺の憲法を作ってフィーバーしてやる
やれやれゴリラさん適格性無し
失格ですな
ゴリラは面接で落ちた
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キティーが田圃の周りの道を走って居ると
道路が蜜でネバネバしていて走りにくかった
秋の青空で雲一つない
抜ける様な高さの秋の空
こんな日は公園のベンチで本でも読んで居ると
さぞ気持ちがいいでしょうと
キティーは思って
走るのを止めて公園のベンチで本を読む事にした
すると公園には
「なななななな、君はラッキーセヴンだ」
と言って近付いて来る祈祷師がいた
「しかし悪霊に取り付かれて居る。どれ除霊してしんぜよう」
と言いながらキティーに近付いて来た
「さあ缶ジュースも買ってあげよう」
と祈祷師は誘いかけるが
その時近くの路上で車が急停車したかと思うと
キティを掴んでさらって行って仕舞った
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祈祷師はインターホンを強く押したが
インターホンは強く鳴らなかった
ここはレヴェルの高い家だと
祈祷師は思った
祈祷師の家は客がインターホンを
強く押すか弱く押すかで
鳴る音の強さが変わるレヴェルの低い家だった
確かに、と祈祷師は思う
レヴェルが低い方が遊び心があっておもしろいんだけど
しかし、と祈祷師は逡巡した
私は昨日オナニーをするかしらと
時制のでたらめな独り言をつぶやいてから
祈祷師は眠りに就いた
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私の名前はむら=わおと言います
2011年4月16日の昼食はコロッケ2つでした
今日は母が早朝独りで五条川沿いを
ドライヴして来たそうだ
昼からは風が強くなったみたいだ
朝の穏やかさが嘘の様だと
母が言って居た