詩人:猫の影 | [投票][編集] |
またかよ、ほんと
付き合いきれないかもね
君のワガママにも耐えたのは
そのつもりでいたから
なんとかロードってやつ
歩く君 想像して
しかしなんだまぁ
僕のワガママは耐えられないって
そのつもりはないのなら
この関係もリロードして
AからZのうちから
たった一つを選ぶこと
とりあえずは一石投じる
それくらいやってみても
ねぇ
君を我がママに会わせたのは
そういうあれでいたから
なんとかイエスの返事ってやつ
もらえるものと思って
しかしもうガダマー
それも人それぞれって
そういうつもりなら
この関係もウエスで拭って
ええからこのトポロジーから
抜け出せやしないかと
とりあえずは一石投じる
それくらいのことしかなんて
ねぇ
またかよ、ほんと
もう付き合いきれないかもね
なんて
僕のワガママも
なんて
なんて惨めな
この
なんだ
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哀しい恋はいつも滑稽で
イエスが座禅を組んでいる
振り返るその刹那
香る髪の粒子
鼻の奥が少し痛いのは
多分気のせいなのだ
マグダラのあの女
そんな風に言いたくなる
絡め取られた少年に
その糸は見えることもない
哀しい恋はいつも早計で
妻子を捨てた男の後悔のよう
耽美的な微笑み
目にしみるその造形
目から何か流れているのは
多分何かの勘違い
宮殿のヤショダラとでも
そんな風に言いたくなる
絡め取られた少年に
その意図はわからずじまい
振り返るその刹那
香る髪の粒子
鼻の奥が少し痛いのは
多分気のせいなのだ
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髪を伸ばしてる
視界が暗い
未来はちょうどこんな風か
見えそうで見えない
そこがsexy
遮る黒い細いライン
かき上げたら
不自然なくらい鮮明な
世界
君を探してる
視界は暗い
それはちょうどこんな風か
届きそうで届かない
それがsexy
遮るクロック 細るライン
巻き上げても
動きそうもないゼンマイ
She's cry.
未来はちょうどこんな風か
見えそうで見えない
そこがsexy
遮るクロック 細るライン
巻き上げても
動きそうもないゼンマイ
She's cry.
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忘れてしまいそう
あの日の夕焼けも
あなたの絵も
湿気たクッキーが
袋の中で粉々になっていた
何が楽しかったのか
何が哀しかったのか
思うようには描けなくて
日が滲む
かすれてしまうそう
綺麗な思い出も
恋人との時間も
錆びたジッパーが
記憶の隅で引っかかっていた
何を求めていたのか
何になりたかったのか
思うようには描けなくて
日は沈む
古びた雑誌が
口を噤んで佇んでいる
胸が濡れた
何が足りなかったのか
何か余計だったのか
何を求めていたのか
何になりたかったのか
思うようには描けない
描けなかった
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貴女の髪の香り
抱き締めた腕の感覚だけ
少し思い出せる
吐いた煙
指先に巻いて
屠った肉も
うまく噛み切れなくて
わかってはいた
虚しく笑ってもみた
何か手にしたような
それだけの感覚
貴女の肌の温もり
寄り添った頬の感覚だけ
少し思い出せる
吐いた糸を
指先に巻いて
放った言葉も
うまくいかなかった
わかってはいた
虚しく笑ってはみた
何か失った様な
優しい感触
貴女の髪の香り
抱き締めた腕の感覚だけ
少し思い出せる
わかってはいた
虚しく笑ってはみた
何か失った様な
優しい感触
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漂う珈琲の香り
乾いた笑い声が響く
眠い目で歩行者を眺めても
何か得るところもない
そう ただ
たった今 思い立ったこと
多分それは君のこと
もう思い出せないけれど
漂うジャズの香り
別の曲が聴きたい
欠伸かみ殺して隣を見たが
何も得ることなどない
そうだ ただ
ただ今この時思うこと
多分それは君のこと
もうわすれてしまったけれど
ただただ 君のこと
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少し寒いので、ダウンを着た
ベランダにイスを置いて、煙草を吸った
メンソールの香りが、鼻をさす
見上げた空は、優しく星がまたたいていて、
紳士的な黒が、その後見をしているようだ
思い出すものが、楽しい思い出ばかりだった
2人で見た後楽園のライトアップ
初めて渡した誕生日の贈り物
震えながら重ねた唇
うまくいかないことの方が多い
いつか好きだった人が言っていた
そんなことは、わかっている
そんなこと、わかっているのだ
いつから僕たちは、つらいときに連絡が出来ない仲に、なったのだろう
いつからなのだろう
少し大きな電話が、僕の手から滑り落ちた
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口ずさんだメロディ
夜の闇に溶けていく
ほっとしている自分がいた
歯に挟まったメロディ
どこかでやり残したこと?
思い出せない自分がいる
夜の道を歩き歩いた
探し物を探しにさ
ようやくだ 君の影を見つけた
で また溶けていった
鼻についたメロディ
忘れていた記憶だろう
荒んだ顔の自分がいる
夜の町を歩き歩いた
君に贈る首飾り探しにさ
ようやくだ 君の笑顔見つけた
で また溶けていくんだ
夜の町を歩き歩いた
探し物を探しにさ
どこかでやり残したこと?
で また溶けていく
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頭を抱えて伏せていれば
なんとかなると思ってた
どうにかなると思っていたんだ
遠のく君の想いに気付けないで
僕はしたばかり見ていたから
明日どうしようとか
夕飯何にするのかとか
そんなどうでもいい会話
できなくなるんだろうか
だろうかと
頭を抱えて書きつけていれば
なんとかなると思ってた
どうにかなると思っていたんだ
遠のく明日の風に気付けないで
傷つけないでと、そんなことばかり
裂けた皮膚から
何かが零れだした
頭を抱えて伏せていれば
全てがうまくいく
うまくいくはずだと、
そんなことばかり信じていた
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するりと抜け落ちる音
その鮮やかさったらない
ストンと腑に落ちる音
そのまろやかさったらない
指に巻つけた糸
あなたにはほどけるのかしら
憎んだところで
なにも変わるわけもなかろう
不敵な笑みを浮かべてみた
がしかし、うまく描かぬカーブ
口角が引きつったのさ
引きつったんだって
クルリと風を切る音
その軽やかさったらない
僻んだところで
なにも、なにも、なにも
素敵な笑みなど並べてみた
ところで、うまくいきやしないんだ
方角が間違ってるぞ
間違ってんだって
どう転びたいのだ