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猫の影の部屋  〜 投稿順表示 〜


[523] 前進む。
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ふわりと笑顔になる僕 

何を思ったのかは忘れた

くるりととける煙

何本のんだかは忘れた



過ぎ去った時間

擦り切れるほど再生

繰り返して繰り返して繰り返した

で、またどっか

またどっかへ



2012/04/28 (Sat)

[524] 心象。
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小さくため息
まただ、よそうとおもってたのに。

深い深い緑
まただ、この季節がやってきたんだ。


くりぬいたようにぽっかりと

あの日々の感情が虚しくなっていって


春の終わり 夏の始まり

僕の心は微笑みを忘れている。




ふわりと一息
まただ、うまく煙が吐けない


焼き払ったように荒涼と

僕の感情はくすぶりもしなくって


春が終わり 夏が始まる

心はただうつむいている。




2012/05/12 (Sat)

[525] 林檎と涙。
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ポロリ落とした林檎が

グシャリ音を立てて地に散った

涙が出た

林檎の為じゃない 自分のために泣いた


生きるということは、

産まれて

熟れて

そしてポロリと落ちて

グシャリと散ること

そんな単純なこと

そういうシンプルなこと


涙を落ちるままに砕けた林檎を片づけた

箒で掃いて

洗剤を付けた雑巾で拭いた

林檎のあった場所には何も残らない

香り一つも残さない


生きるということは きっと そういうこと

きっと そういうことだ


2013/07/14 (Sun)

[526] 黄昏の向こうがわ。
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落ちた恋のことを
いくら考えてみたところで
その吐息はもう確かにあって

畳まれた洗濯物
奏でられる三重奏
空振るバット

世界は不思議とそのまま停止して
触れた感触はざらりとしたまんま
闇の中へ溶けていく


落ちる恋のことを
あれこれ切り貼りしてみたところで
その消息は確かに聞こえていて

洗われた食器
岩に染み入る蝉の声
空を切るバット

世界は平然と世界然としていて
空に手を伸ばしても掴めない
溶け出す闇を掬う



落ちた恋のことを
いくら考えてみたところで
その吐息はもうそこに在って

2013/08/15 (Thu)

[527] 満たされる恋。
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許されない恋をするなら
それはとても幸せなこと

傷つくことも
傷つけることも
どれも浅く弱く
戯れのよう

ただその人の笑顔
それだけのために
今日を生きることができる


報われない恋をするなら
それはとても美しいこと

恨みやつらみ
妬みも嫉みも
すべて諦めて
受け入れられる

ただその人の幸せを
それだけのために
日々を生きていくことができる




何も望まない
何も要らない
あなたすらも
求めない

だからただただ
幸せでいて
笑顔でいて

それだけを祈っている

2013/09/03 (Tue)

[528] 夜に恋して。
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久しぶりに眠れた夜の
そのあとの朝は何だか気まずい

ただしとしとと
雨のように
涙が流れた

どうして人は
いつだって愚かで
いつだって醜くて
いつだって脆いのでしょう

そんなこと考えていたら
太陽が高くなっていた




夜を裏切ったような気がして
太陽と顔を合わせるのが気まずい

顔を洗って
鏡の自分に
笑いかけてみた

どうして人は
いつだって無邪気で
いつだって優しくて
いつだって強いのでしょうか

そんなこと考えていたら
また夜の帳が降りてきた



私はもう
夜に殺されても
それでもいい

2013/09/13 (Fri)

[529] ラムと貴方と僕の声。
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届かない人に恋をする。

届かないから失うこともない、
甘くて半端な、冗談みたいな恋。

傷つくことも傷つけることも、
満たされることも満たすことも、
何もない、ただ想いだけが、
ふわり宙に浮かぶ。



決して届けるつもりもない恋。

連絡が来て喜んで、
気遣われただけで舞い上がって、
頼られたら涙して、
顔を見たら幸せすぎて倒れそうで。

だけどそれも全部閉じ込める。

深く深く押し込める。

多分ずっと好きだけど、
言葉には決してしない、
してはいけない。



ただただ、胸の内にしまったら、
唇をキュッとかんで、
とりあえず今日を生きるのです。

2014/01/15 (Wed)

[530] 隣で貴方は。
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甘いスコッチが
舌の上で薫りだけ残して
去って行く

ピリリとアルコールが皮膚を焼いて
誤魔化すようにピーナッツ

ずっと好きだったみたいなんだ
貴方に言えればどんなにかいいだろう

ずっと好きだったんだ
言葉にできればどんなにか素敵だろう

隣で貴方は仕事の話



煙たいバーボンは
鼻腔の中をふわりとまわって
去って行く

胸を焦がすことも
貴方に触れることも
できないままにカラにする

ずっときっと好きだったの
言ったら全部おしまいになるよね

きっとずっと好きだったよ
だからこれからもずっと好きなまま

隣で貴方は女の話




ねえずっと好きだったよ

多分これからも好きみたいだよ

きっとずっと、

ずっときっと、



隣で貴方は笑ってる

2014/01/15 (Wed)

[531] 夢のあとさき。
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思い描いた未来とはあまりにも

ほくそ笑んだ未来とはあまりにも

かけ離れた僕の世界を

僕は真正面から受け止めるのだ

傷つけたあの人も

傷つけられたあの過去も



愛してると言った

愛してると言ったはずだろ

でもそれはただの言葉だった




抱きしめたイマも

すがりついたソコも

諦めきれないアレも

それはただの言葉だったよ

2014/03/01 (Sat)

[532] リスタート。
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自分を殺せなかったあの日があって
裏切られた期待を呪ったあの頃があった

自分に優しくしてやれなくて
いつだってちぎれそうなくらい自分の首を絞めてきた

ぼくは笑いながら
笑うことをやめていた

軛から逃れ
ただ逃れ
走ることをまた始める

ぼくは今自由になる
今までの中で一番自由に

笑うことをもう一度はじめる
笑うことから逃げない
また笑おうと決心する

2014/05/24 (Sat)
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