詩人:猫の影 | [投票][編集] |
逃げることを肯定してしまったら
もうここへは戻れなくなるだろうか
逃げることを否定してしまったら
もうこれ以上は進めなくなるだろうか
振り絞った声も虚空に消えて
空はそれでも底抜けに青い
ギュッと唇噛めば、血の滲む味
ペロリと舐めて、僕は決めた
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嘘だとわかることも
本当だとわかることも
どちらも嫌いだ
はっきりとした瞬間
すべてが決まってしまうから
それはやっぱりつまらんことだ
いつもゆらゆら
いつもふらふら
風のように
生きていたい
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ファストフードを食べて、お酒を飲んで
いつもよりも遅くまで起きて夜空を見上げて
そうして少し悪い子供になった気分
そうして少しワガママになった気分
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僕たちは孤独であるがゆえに、孤独になりきれず、文脈の中をたゆたう一個の言葉である。主語になり、助詞になり、形容詞になり、述語になる。
そして世界は書物になる。
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優しくなりたい
だけどもう、これ以上は優しくなれない
僕はもう、十分優しくなってきた
時間も、手間も、思考も、なんなら感情だって
ぜんぶぜんぶぜんぶ、捧げてきたんだ
でも僕は
僕はまだ、優しくなりたい
これ以上、優しくなれなくても
まだ、優しくなりたい